これは地獄だ「安全のための本人確認」が生む危険な情報の集積…安易な「免許書送れ」企業は無能すぎる
年齢確認のために運転免許証の画像を送れば、企業が知りたいのは「18歳以上か」だけでも、氏名や住所、顔写真、生年月日まで一度に渡る。実際、Discordでは2025年、年齢判定への異議申立てで提出された身分証画像が流出の対象となった。「子どもの安全」のために本人確認を強化するほど、各社に危険な情報が積み上がる矛盾をどう避けるのか。欧州の新たな年齢確認の仕組みも踏まえ、企業が本当に集めるべき情報を考える。
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「18歳以上」と知りたいだけなのに、なぜ住所や顔写真まで渡すのか
「18歳以上かを確かめたいので、免許証の画像を送ってください」。そんな案内を受けた場面を考えてほしい。年齢の確認なら仕方がないと、スマートフォンで撮影して送る。これで相手には、生年月日だけでなく、氏名、住所、顔写真まで渡る。住所を尋ねられた覚えはなくても、免許証を丸ごと送れば、そうなる。相手に伝えたかったのは、自分が成人だということだけだ。
利用条件が「18歳以上」なら、19歳でも50歳でも答えは同じだ。何年何月何日に生まれたかをサイトが記録する必要もない。まして、どの町の何丁目に住んでいるかは、その判定に関係がない。免許証に載っているからといって、載っている情報が全部その仕事に必要になるわけではない。
子どもを守る手続きが、新たな個人情報リスクを生む
実際に、年齢を確かめるための書類が流出の対象になった事件がある。通話やチャットのサービス、Discord(ディスコード)は2025年10月、約7万人について、政府発行の身分証画像が流出した疑いを公表した。年齢の判定に異議を申し立てた利用者が、審査のために提出した画像だった。外部の顧客対応サービスに関する事故で、問い合わせ窓口などとやり取りした利用者の一部が対象になった。
例えば、大人なのに未成年と判定され、使いたい機能を制限された人は、会社に間違いを直してもらいたい。そのための証拠として身分証を求められれば、応じる人もいる。自分の年齢を認めてもらうために提出しただけで、住所や顔写真を広く知られたいわけではない。ところが会社に届くのは、年齢も住所も入った画像だ。必要な部分だけを確かめる手続きになっていなければ、窓口には書類が丸ごと集まってしまう。
Discordの発表を読んで気になったのは、この「年齢に関する異議申立て」という用途だ。子どもを守るための確認と聞けば、安全なサービスに近づく話だと受け取る。実際には、その確認に応じる利用者も、守るべき相手だ。先ほどの例では、年齢を間違って判定された側が、訂正のために詳しい情報を差し出す。年齢を調べる通常の手続きだけを点検しても、この窓口に集まる情報は見落とす。