東大卒の中学受験家庭教師「小6秋からでも偏差値10伸びて逆転合格する子はいます」下剋上合格できる子のたった1つの共通点と、親ができる最強の学習サポート術
「中学受験で成功するには、ひたすら難問を解き、大手塾のハイペースなカリキュラムに食らいつくしかない」――そんな常識を軽やかに覆し、プロの中学受験家庭教師として数々の逆転合格を導いてきた人物がいる。自身の著書『脳内メモリ最弱の僕が東大合格した人生が変わる勉強法』でも知られる、横井佑丞氏(@yokkoGT)だ。
東大卒業後、大手コンサルティング会社勤務を経て独立した同氏が、周囲の焦りに飲み込まれず、入試本番に向けて確実に得点力を伸ばすための「小6秋からの学習戦略」を徹底解説するーー。
みんかぶプレミアム特集「秋から偏差値爆上げ! 逆転の中学受験戦略」
小6の10月、焦って過去問に手を出すな。絶対基準は「基礎固めテキスト9割」
小6の10月といえば、大手塾では粛々とカリキュラムが進み、周囲の受験生たちが次々と志望校の過去問演習に突入していく時期です。しかし、ここで焦ってはいけません。ご自宅でやるべき学習は、必ずしも大手塾の進行中のカリキュラムとリンクさせる必要はないのです。
この時期、実は多くの受験生が夏からの「基礎固め」を継続しています。まだ科目ごとの基礎固めが残っている時期であり、これが完全に完了した人のみが過去問演習に進むべきタイミングなのです。私がプロ家庭教師として指導する生徒に対しても、決して基礎固めを途中で切り上げることはしません。完了するまで、徹底的にやり続けることを求めています。
では、何をもって「基礎固めが完了した」と判断するのか。それには明確な基準があります。
四谷大塚や早稲田アカデミーであれば『4科のまとめ』、サピックスであれば『コアプラス』、日能研であれば『メモリーチェック』といった、各塾が出している基礎固めのためのテキストがあります。これらの教材は書店やインターネットでも購入可能です。
この基礎固めテキストにおいて、満遍なく全ての分野で「直近の正答率が9割を超えているかどうか」。これが、過去問演習に進んでいいかの絶対的なボーダーラインです。
全ての分野で9割取れるようになって初めて、基礎が固まったとみなします。ここが完了していない状態で過去問に手を出しても、結局解けずに基礎のやり直しに戻ることになります。遠回りに見えても、基礎を9割まで固め切ることが、過去問演習へ進むための必須のステップです。
小6秋時点の模試の偏差値はそこまで気にしなくてもよい理由
秋になると、毎月のように模試があり、その結果に一喜一憂するご家庭も多いでしょう。しかし、模試の結果や偏差値だけで志望校を諦める必要はありません。なぜなら、受ける学校によって問題の傾向は全く異なり、子供との「相性」が合否を大きく左右するからです。
例えば、「偏差値50が合格ライン」と言われている学校に対して、子供の模試の偏差値が45だったとします。統計上は合格率50%程度と判定されますが、実は自分の受ける学校の問題傾向と、模試の問題傾向が全然違うということは多々あるのです。
重要なのは、自分の受ける学校がよく出してくる難易度や傾向の問題が、日頃から解けているかどうかです。そこが解けていれば、模試の総合偏差値が届いていなくても全く問題ありません。
最近人気を集めている「ドルトン東京学園」などはいい例です。この学校は、いわゆる典型的な「中学受験らしい問題」があまり出題されず、その場で考えさせる問題が中心です。そのため、日頃から理科の事象について深く考えていたり、いわゆる「地頭が良い」タイプの子であれば、塾の成績に関わらず本番で点数が取れてしまうことがあります。
また、国語は特に学校ごとの相性が出やすい科目です。2、3年前に私が教えていた生徒で、四谷大塚の模試では偏差値50程度だった子が、偏差値60を超える慶應普通部の国語の過去問を解かせたら、普通に合格点を取れていたという事例もありました。
算数に関しても同じです。同じ偏差値帯の学校でも、捻りのある思考力問題ばかり出す学校と、オーソドックスな典型問題ばかり出す学校に分かれます。地頭は良いけれどコツコツ真面目に勉強するのが苦手な子は捻った問題が出る学校、逆に応用力には欠けるけれど真面目に暗記できる子は典型問題が出る学校との相性が良いです。
この問題傾向の見極めは、ある程度算数の問題を見てきた保護者であれば、過去問を1年分解かせてみることで「見たことある問題ばかりか、ない問題ばかりか」で判断できます。まさに10月というこの時期こそが、志望校の問題と子供の相性が良いのかを見極めるための重要なタイミングなのです。