子どもはいつ本気になるのか・・・中受個別塾の代表が教える今からすべき「志望校」の増やし方
入試本番まで残り100日を切った。小学6年生の家庭では過去問演習が本格化し、模試の判定に一喜一憂する日々が続いている。
冬期講習を控えたこの時期、限られた時間を何に使うかで、本番の得点は大きく変わる。年末年始をまたぐ講習の意味、家庭で取り組むべき学習、そして親が担うべき役割とは何か。
個別指導塾Growy代表で、YouTubeチャンネル「ホンネで中学受験」を運営するユウシン氏に、直前期の過ごし方を聞いた。連載全3回の最終回。
みんかぶプレミアム特集「秋から偏差値爆上げ! 逆転の中学受験戦略」
親が知らない「とりあえず冬期講習」の危険性
冬期講習が近づくと、とりあえず受けておけば安心と考える親御さんは多いのですが、その役割と限界は知っておいてほしいと思います。
冬期講習の狙いは、入試に向けて実践演習を積むことと、子どもたちのやる気を高めることにあります。ただ、一人ひとりに最適化された勉強ではありません。本来は、その子の苦手や受験する学校に合わせて対策した方が効率がいいのですが、集団塾の仕組み上、それはできません。
この時期は、模試の偏差値を追いかける段階から、わが子と志望校との差を埋める段階に移っています。自分から先生に質問しに行ける子であれば、集団授業で手の届かない部分を自分で補えますが、小学生でそうした子はあまりいません。
受験を自分のこととして感じられていなかったり、先生とのやりとりが苦手だったりする子がほとんどです。そうした子には、個別指導や家庭教師を利用するのも1つの方法です。すべてを任せる必要はなく、前回お話ししたように、過去問で見つかった苦手な単元だけをお願いするといった使い方もあります。
入試の合否は、ほんのわずかな差で決まります。合格最低点の前後10点の間には何十人もの受験生がいるとよく言われ、1点、2点の違いで結果が分かれることも珍しくありません。その数点を積み上げられるかどうかを左右するのが、こうした個別の対策です。うまくいったご家庭は、最後の数点で差がつきます。
冬期講習や集団授業には、わが子と志望校との差を埋めるのに役立つ部分と、そうでない部分があります。それを知っているかどうかで、家庭学習のあり方は大きく変わります。情報を集め、それに応じて動き方を変えていくことで、ほかの受験生との差が生まれます。
学校選び次第で大きく変わる
直前期に親御さんがやっておきたいのが、学校選びの見直しです。私は幸せな中学受験には、3つの要素があると考えています。1つ目は、行きたいと思える学校に進学できることです。2つ目は、受験を通じて親子がいい時間を過ごせたかどうか、つまり親子で1つの目標に向かって力を合わせる経験ができたかどうかです。3つ目は、塾の先生や友人との出会いや、目標に向かって努力した経験など、受験の過程で子ども自身が得たものです。このうち1つ目は、親御さんの学校選び次第で大きく変わります。
大切なのは、進学してもいいと思える学校をどれだけ多く持てるかです。おそらくこれまでの学校見学は、志望校より上の学校が中心だったはずです。成績がかなり固まり、過去問を解いてわが子の現在地も見えてきた今だからこそ、もう少し下の学校も見ておこうという判断ができます。それができるのは親御さんだけです。
偏差値だけで並べると、学校ごとの特徴は見えにくくなります。自由を重んじる学校なのか、規律を大切にする学校なのかといった違いは、ご家庭の教育方針とも重なる部分です。そうした点も手がかりに、現実的な目線で選んでください。
合否にかかわらずいい受験にしてほしいと思っていますが、正直に言えば、合否はやはり大切です。一校に懸けるのではなく、受験する学校の選択肢をいくつも用意して、どこかには必ず合格できるようにしておく。それが、いい受験だったと思えるための土台になります。