日銀の利上げでマンション市場に異変 不動産コンサルタントが予測する不動産価格の行方
日銀は9月、政策金利を1.25%程度へ引き上げた。今後も金利上昇が懸念されており、不動産価格にも大きな影響を与えるかもしれない。マンション情報サイト「住まいサーフィン」を運営するスタイルアクト代表で、不動産コンサルタントの沖有人氏に、不動産の先行きと、投資家や購入者はどう立ち回るべきかなど、話を聞いた。全4回の第3回。(聞き手・望月悠木)
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下がるのは価格より「取引価格帯」
――金利の上昇は、価格にどう影響しますか。
影響はあります。日銀の利上げは、住宅ローン金利にそのまま直結するからです。年収は一定なので、金利が上がると貸してもらえる額が減ります。金利が低ければ1億円借りられた人が、9000万円、8000万円になる。
とはいえ、1億円の物件が9000万円に値下がりするわけではなく、「9000万円しか借りられなかった人」が、もともと9000万円だった物件を買うだけです。同じ物件の価格はあまり下がらず、取引される価格帯が高額帯から下へずれていきます。もちろん、利上げの影響で、2億円を超える物件の取引は激減していますが、その一方で、1億円以下の物件は昨年の8〜9割ほどの取引が続いている状況です。
――今後1年ほどの見通しは。
買い手が少なくなっているため、取引件数が増えない状況が1年ほどは続くと予想しています。新築は建築費が上がっており、これから出る物件は今より高くならざるを得ません。価格を下げて売ることはできず、需給が合わなければ販売期間が延びますが、それでもデベロッパーは値段を下げません。むしろ、利上げによって不動産価格の高騰に一度冷や水が浴びせられたことで、先高感に乗じた悪質な転売業者の整理につながっていくと思います。その後、実際に住むことを目的とした「実需」中心の正常な市場に戻り、以前よりも健全化するのではないでしょうか。
――転売業者が再び戻ってくる可能性はありますか。
ゼロではありませんが、可能性は低いと思います。今年2月、金融庁が地銀の不動産融資の増加を受け、リスク管理の甘さについて警告したと報じられたことを受け、金融機関の現場は一気に慎重になり、転売業者への融資は細りました。それでも、金融機関がまた転売目的の融資を出せば、問題があると分かったうえで貸す「確信犯」的な取引になります。そうなれば、今度こそ金融庁が「なぜ止めなかったのか」と責められるでしょう。