99.9%の人間はAI未満のアウトプットしか出せない時代に人に残る最後の仕事(業種、職種)は何か…ノースキル文系が選ぶべき仕事は
「エンジニアやコンサルタントのジュニアポジションは、すでにAIに奪われ始めている」。生成AIの進化がホワイトカラーの職を脅かす中、独自の視点と行動力で時代をサバイブする人物がいる。東京大学理科一類を卒業後、外資系企業でエンジニアとして働き、現在は再受験を経て東京大学医学部に在学中のインフルエンサー、Saki氏だ。
同氏は、生成AIの台頭によって一部の職業が苦境に立たされる一方、人間特有のスキルや「ストック」を持つ者が圧倒的に有利になる時代が来たと語る。本稿では、AI社会における生存戦略やキャリアの最適解について、Saki氏が徹底解説。なぜ東大生は医学部再受験を選ぶのか、情報系ブームの終焉、そして生成AI時代に生き残るためのキャリア選択の極意まで、これからのビジネスパーソンが知るべきロードマップを余すところなく語っていただいた。全3回の第1回。
みんかぶプレミアム連載「東大理三の人生論」
目次
なぜ生成AIを巡って分断が起きているのか?
生成AIを使う人と使わない人で、なぜこれほどまでに分断が生じているのでしょうか。その大きな理由の一つは「サンクコスト(埋没費用)」です。
例えば、ライターやイラストレーターとして長年研鑽を積み、技量を磨いてきた人たちからすれば、それがAIに代替できるとなると感情的に許せません。自分自身の権益や、これまで築き上げてきた資産が損なわれるため、感情的な反対勢力となってAIの使用を少しでも減らそうとしているのです。
東大生の中にも、レポート作成などで「頭の良さを示すためにAIを使うのは筋が通っていない」と批判する人がいます。たしかに、AIが出してくる成果物は均質的で表面的なものしか出てこず、「人間の温もりがない」という批判は真っ当です。AIの文章はレトリックが弱く、人の心に問いかけるような文章は作れません。しかし現実には、その違和感に気づける人は私の周りでも3〜4割、幅広く見れば1割程度しかいません。
また、生成AIは嘘をつく「ハルシネーション」もあるため、プロとして成果物を出すのであれば、必ずしも正しいとは限らないと認識する必要があります。だからこそ、AIに何パターンか下書きを出させ、違和感のある部分を手作業で修正し、審美眼に基づいて美しいものに仕上げる「編集」や「取捨選択能力」のプロセスが人間に求められるのです。
ジュニアエンジニアやコンサルはAIに代替される
ここ数年、情報系学部がブームになっていましたが、正直なところピークはすでに過ぎていると私は見ています。1〜2年後には、多くの人が「なぜ情報系に行ったのだろう」と気づき始め、情報系という進路自体の人気は下がっていくはずです。
その最大の要因は、LLM(大規模言語モデル)などの生成AIの台頭です。
特にソフトウェアエンジニアのような、コーディングを行う情報系の人たちの求人は、外資系でも日系メガ企業でもすでに減らされ始めています。なぜなら、ジュニアポジションのエンジニアを新卒で雇って鍛えるよりも、AIの方が上手にコーディングできてしまうからです。
企業はもう、AIを使いこなしてかつての部下たちをマネジメントできる管理職しか必要としていません。AIは人間よりも安くて早くて正確だからです。
また、パソコンの画面の中だけで完結するホワイトカラーの仕事、例えばデータ分析をして経営戦略を立てるようなコンサルティングなども、今後は厳しくなっていくため避けた方がいいでしょう。