社員の99%が女性のトップが明かす。子育ての絶望的なハンデがビジネスの「最大の武器」に化ける逆転の思考法
全国で直営で女性専用フィットネススタジオを展開する株式会社LOIVE。代表取締役社長の前川彩香氏が率いる同社は、社員のほとんどが女性という珍しい組織構成を持つ。なぜそのような組織になったのか、そして女性が大多数を占める会社をどう経営してきたのか。お金や経営判断の話を軸に聞いた。全3回の第2回
みんかぶマガジン連載「バリキャリ女性社長のワークライフ・ルール」
目次
社員の99%が女性。異例の組織を一枚岩にする「たった一つの採用基準」
前川氏の会社では社員の99%が女性だという。多くの企業では珍しい構成だが、前川氏はその経営において明確な方針を持っている。
「女性の傾向で多いのは、やっぱり目的ファーストなんです。何のために仕事をしているのか、何のためにこの会社があるのか。そういったパーパスへの意識、それをしっかり伝えていくということ。数字が先ではなくて、目的を先に伝えていく。目的と数字をかけてお話をするということを、すごく大切にしています」
売上目標を提示する前に、その数字が何のために存在するのかという文脈を先に共有することを徹底しているという。採用についても同様の軸がある。
「社員のメンバーも、理念やパーパスへの共感で、私たちの会社に入ってきているし、採用もそういった共感で選んでいます」
店舗数や社員数を拡大させていく過程では、理念への共感が薄い人材が混ざることで方向性が分散してしまうリスクがある。スキルや経験よりも、会社の目的への共感度を採用の優先基準に置いた採用方針の結果について、前川氏は「規模が大きくなっても目指すものが社員間で揺らがず、組織としての一体感が保たれている」と語る。
離婚、キャリアの断絶、広がる格差…。専業主婦を起業へと突き動かした「周囲のリアル」
社員の99%が女性という組織は、結果としてできあがったものではない。そもそも前川氏が起業を決意した背景には、周囲の女性たちの状況があった。
「起業しようと思ったタイミングで、周りの友達があまり自分らしく生きられていない状態があったんですね」
具体的にどのような状況だったのか聞くと、前川氏は次のように説明した。
「仕事がうまくいかない子もいたし、そのことで夢やいろんなことを諦めてしまっている子もいました。結婚をして専業主婦になって、子育てや自分の人生に少し悩んでいる友人もいましたね」
さらに、友人の姉が離婚を経験し、子どもはいるものの仕事も家庭も住む家もないという状況に陥っていたケースもあったという。
こうした周囲の現実を目の当たりにしたことが、起業という選択の出発点になった。「彼女たちのような女性をもっと幸せにしたい。彼女たちや自分自身が、生き生きとキラキラ生きられる場所を作りたいと思ったんです」。そう語る前川氏の表情には、迷いのない力強さがあった。