「証拠より先に動くと慰謝料ゼロになることも」不倫発覚後にやるべき資産把握の全手順
不倫の疑いが生じたとき、多くの女性が最初にやってしまう行動は「問い詰める」か「すぐに別居する」かのどちらかだ。しかしこの2つの行動は、その後の経済的交渉において致命的な損失を生む可能性がある。
不倫解決カウンセラーの河村陽子氏は、「感情的な初動がもらえるはずのお金をゼロにしてしまう最大の原因」だと語る。発覚後から離婚・修復判断までの間に、何をどの順番で行うべきか、お金の視点から整理する。
みんかぶマガジン連載「絶対に損はしたくない!泥沼離婚のマネー戦略」第9回
目次
慰謝料ゼロになることも。「怪しい」と思ったら、まず生活スタイルの統計を取る
——不倫を疑い始めたとき、最初にすべきことは何ですか?
「不倫のサインとしてよくあるのは、急に清潔感が増した、デオドラントを使うようになった、趣味が増えて外泊が増えた、といった変化です。ただし、自分の妄想なのか事実なのかを分けることが大切です。人間は思ったようにしか物事が見えない生き物なので、疑い始めると何でも不倫の証拠に見えてしまう。だからまずは、夫の毎日の生活スタイルの統計を取ってください。何時に帰ってきたか、飲んで帰ると言ってお酒を飲んでいなかったか、言っていることと行動が一致しているかどうか。この記録を黙って積み上げることが最初のステップです」
——怪しいと確信できたとして、いきなり問い詰めることの問題点は?
「問い詰めて夫に警戒されると、調査費用が爆発的に増えるんです。探偵の費用はほぼ人件費ですから、対象者が尾行中に撒きにかかったり、電車の扉が閉まる直前に飛び出すような行動を取り始めると、証拠を取るのに何倍もの費用がかかってしまう。
証拠が取れなければ、不倫していても慰謝料ゼロで別れることになりかねません。問い詰めた直後に夫がスマートフォンのパスワードを変えたり、メッセージの履歴を全消しするケースも頻繁に起きています」
気づいていないように振る舞いながら証拠を積み上げる期間が、後の交渉力を決定的に左右する。「慰謝料がもらえると思っていたのに、証拠がないと言われた」という相談は後を絶たない。感情に任せて動いた初動の代償が、金銭的な損失として後から現れてくる。
夫に家計を任せきりにしている女性が見落としやすい…共有財産の盲点
——発覚後に確認すべき財産にはどんなものがありますか?
「夫に家計を任せている方が本当に多いのですが、これが一番危険です。まず確認すべきは、預金・保険・年金・不動産・借金の全体像です。よく見落とされるのが投資信託や有価証券、ネット銀行、PayPayのような電子マネー、仮想通貨。生命保険は、夫が契約者貸付を使っていないかも確認が必要です。意外なところでは、社内預金を引き出されていた、学資保険を解約されていた、という相談をよく受けます」
河村氏自身は、夫の不倫問題が解決した後、それまで夫名義だった保険を全て自分名義に切り替え、被保険者だけを夫にするという対策をとっていた。「自分の名義でないと、解約されているかどうかすら気づけない」というのがその理由だ。
——他に見落としやすいものはありますか?
「退職金や年金は、離婚を考える時に見落とされやすい部分です。年金分割については、年金事務所で試算を確認できる場合もあるので、一度相談してみると安心です。退職金についても、婚姻期間との関係から財産分与の対象になるケースがあります。
また、不動産や車、貴金属など、結婚後に形成された財産についても整理しておくことは大切です。特に、資産状況を十分に把握しないまま話し合いを進めてしまい、後から『知らなかった財産があった』と気づくケースも少なくありません。」