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「業績絶好調の株」はなぜ急落するのか? 著名トレーダーが実践する失敗しない売買マイルール

窪田剛
(c) AdobeStock

 株式投資において、「企業分析こそが王道」という考え方は根強くある。決算書を隅々まで読み込み、将来の成長性を見立てて割安な銘柄を拾う。

 これらは非常に正攻法なアプローチに思えるが、真面目に取り組む投資家ほど、ある大きな壁に直面するものだ。

「過去最高の利益を出したのに、なぜ株価は暴落するのか」

「好材料のニュースで飛び乗ったら、そこが天井だった」

 2026年の日経平均株価は、史上最高値から一転して急落を見せるなど、これまでの常識が通用しない乱高下相場が続いている。

 こうした投資家の迷いに対し、「見るべきは企業の中身ではなく、チャートと流動性です」と語るのが、投資家・トレーダーの窪田剛氏だ。

 彼がトレードの絶対基準に置いているのは、市場の資金が集まる“現場の熱”を可視化する指標「売買代金」。なぜ窪田氏は王道とされるファンダメンタルズ分析を捨て、チャートと流動性に絞り込んだ手法に行き着いたのだろうか。

 激動の相場を生き抜くための、実践的なマイルールに迫る。インタビュー連載全2回の第1回。

目次

業績と株価は連動しない“チャートという事実”

ーー好業績の銘柄でも一瞬で急落する相場が続いています。窪田さんが企業の「中身」を見るのをやめ、値動き(チャート)に特化するようになった原点はどこにあるのでしょうか。

 投資を始めた学生時代は、私もファンダメンタルズ分析を熱心に勉強していました。財務諸表を読み解き、本来の価値よりも割安に放置されている銘柄を探し出す、いわゆる王道の手法です。

 ところが、実際のトレードではほとんどうまくいきませんでした。「業績は絶好調のはずなのに、株価はなぜか下がり続ける」というジレンマに何度も直面したんです。

 特に今の相場環境は、情報が市場に織り込まれるスピードが異常に速くなっています。ニュースが出てから業績を分析して買っても、すでに大口の投資家は売り抜けていることが多い。そこで考え方を180度切り替えました。

 企業の不確定な未来や「こうなるはずだ」という中身の分析を捨て、目の前で実際に起きている値動き、つまりチャート分析に特化するようになったんです。

ーー自分なりの予測や期待を排除し、「事実」だけを見るスタンスですね。保有する期間も徐々に変化していったのでしょうか。

 最初は半年から一年ほど保有していましたが、次第に短くなり、現在は2〜3週間程度で手仕舞うスイングトレードが中心です。

 ファンダメンタルズに依存せず、チャートに現れた事実だけを見て判断を下す。このスタイルを確立してから、ようやく相場の波に翻弄されず、安定して利益を残せるようになりました。

「売買代金30億円以下」の銘柄に触らない意外なワケ

ーー窪田さんのマイルールで最も特徴的なのが、流動性への徹底したこだわりです。具体的にどのような基準を設けているのでしょうか。

 トレードにおいて私が一番重視している指標が「売買代金」です。具体的には、1日の売買代金が「30億円以上」ある銘柄しか基本的には触りません。

 個人投資家の方は、値動きの軽さを求めてグロース市場などの小型株を好む傾向があります。短期間で株価が2倍、3倍になる夢があるからです。

 ただ、私はまったく逆のアプローチをとっていて。流動性が低い銘柄は、リスク管理の観点から危険すぎると考えているからです。

ーー小型株の大きなリターンをあえて捨てる最大の理由は何でしょうか。

 端的に言えば「逃げたい時に逃げられないから」です。2026年前半のような相場の急変が起きた際、流動性が低い銘柄は板(注文数)が一気に薄くなります。

 「ここを割ったら損切りしよう」とルールを決めていても、売りたい価格に買い注文がない。仕方なく成り行きで売ると、自分の注文が株価をさらに押し下げてしまい、想定より遥かに安い価格で約定してしまいます。

 これでは資金管理が崩壊します。

 対して、売買代金が常に数十億、数百億円ある大型株であれば、自分の注文が相場に影響を与えることはありません。

 「1000円で買いたい」「1000円で売りたい」と思った時に、いつでもその価格帯でスムーズに決済できる。この“再現性”を担保することが何より重要なんです。

ーーいつでも思い通りに撤退できる環境を作ることが、最大のリスク管理になるわけですね。

 おっしゃる通りです。加えて、流動性が高い銘柄には「チャートパターンが機能しやすい」という大きなメリットがあります。

 参加者が少ない小型株は、特定の誰かのまとまった注文だけでチャートの形がいびつに歪みます。

 一方で、数え切れないほどの市場参加者がいる銘柄は、群集心理がチャートに素直に反映されます。

 「この節目を超えたら上がる」「ここを割ったら下がる」という教科書的なセオリーは、流動性が高い銘柄でこそ通用するんです。

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この記事の著者
窪田剛

実業家、株式トレーダー。 1981年、長野県生まれ。 大学卒業後、専門商社のベンチャーに就職。経理・経営企画・IPO関連業務に携わり、東証マザーズへの上場を経験。その後、学生時代から取り組んでいた株式トレードを専業として独立する。オンライン株式スクールの「株の学校ドットコム」および「カブケーションズオンラインスクール」で講師を務める。 トレードを一から解説した著書『株の学校』シリーズ(高橋書店)は累計30万部を突破。eスポーツや宇宙事業、医療関連企業に出資するほか、福島県における雇用創出支援、アフリカ・ガーナのスタートアップへの出資など、エンジェル投資家でもある。

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