なぜお金持ちはセールに行かないのか。安物買いの銭失いを防ぐ富裕層の「選球眼」
『お金持ちはケチだ』『お金は汚いもの』。こうした固定観念が、日本人のお金との向き合い方を長年縛ってきた。しかし実際に富を築いた人たちの行動を見ると、その実像はまったく異なる。節約家でも浪費家でもない--。では、彼らは何が違うのか。
ファイナンシャルプランナーの立川健悟氏も、こうした日本人のお金に対する固定観念を問い直す一人だ。不動産テック企業の営業職として富裕層の思考習慣を学び、自ら実践することで金融資産3億円超を達成。
本稿では、立川氏への取材をもとに、値段ではなく価値で判断する「価値思考」から、時間をお金で買う「時間投資」、生活水準と健康の最適化、人生100年時代のライフプランと出口戦略、そして日本人特有のお金への苦手意識の克服まで、豊かな人生を切り拓くためのヒントを紐解いていく。全5回の第1回。
みんかぶプレミアム連載「富裕層たちの黄金法則」
目次
「100円ショップ」が目利き道場になる理由
富裕層のお金の使い方を説明する時に持ち出すのが、100円ショップの話です。100円ショップには、100円未満の価値しかないものと、100円以上の価値があるものが混在しています。富裕層の人はそこを「目利きの練習の場」として活用しています。
たかが100円、されど100円です。富裕層は「この100円に価値があるか」を、その都度冷静に判断します。たった100円でも、それに見合う価値がないと判断すれば買わない。安物買いの銭失いのもとだからです。この小さな積み重ねこそが、お金持ちへの第一歩となります。
例えば、知人を呼んでBBQをするとします。そのときに用いる使い捨ての紙皿などは、100円のもので十分です。お金持ちだからといって、使い捨て品に余分な出費はしません。一方、電池などはあと数百円多めに出してきちんとしたものを買ったほうが長持ちし、結果的にお得になるかもしれません。こうした判断の積み重ねが、「価値と値段を照らし合わせる思考」を日常の習慣へと育てていきます。
こうした価値判断の力は、子ども時代に育まれたケースが少なくないと感じています。お会いしてきた富裕層の方の多くが、親から定額のお小遣いをもらっていなかったそうです。欲しいものがあれば、なぜそれが欲しいのかを親に説明し、納得させなければ買ってもらえない。このプロセスを幼いころから繰り返すことで、「価値と値段を照らし合わせる思考」が自然と身についたといいます。また、親自身が買い物のたびに「なぜこれを選んだか」を子どもに話して聞かせていた場合も多かったですね。
お金の教育とは、「使い方のルールを教えることではないのだ」とつくづく感じます。なぜそのお金を使う必要があるのかを問い続ける習慣を、次の世代へ手渡すこと。これこそが、真の教育だと思います。