「お金持ちは汚い」は江戸時代からの刷り込みだった。日本人とお金の歪んだ関係を正す
『お金持ちはケチだ』『お金は汚いもの』。こうした固定観念が、日本人のお金との向き合い方を長年縛ってきた。しかし実際に富を築いた人たちの行動を見ると、その実像はまったく異なる。節約家でも浪費家でもない--。では、彼らは何が違うのか。
ファイナンシャルプランナーの立川健悟氏も、こうした日本人のお金に対する固定観念を問い直す一人だ。不動産テック企業の営業職として富裕層の思考習慣を学び、自ら実践することで金融資産3億円超を達成。
本稿では、立川氏への取材をもとに、値段ではなく価値で判断する「価値思考」から、時間をお金で買う「時間投資」、生活水準と健康の最適化、人生100年時代のライフプランと出口戦略、そして日本人特有のお金への苦手意識の克服まで、豊かな人生を切り拓くためのヒントを紐解いていく。全5回の第5回。
みんかぶプレミアム連載「富裕層たちの黄金法則」
目次
徳川家康が作った「質素倹約」という400年の呪い
ここまで4回にわたって、富裕層の価値思考・時間投資・生活の最適化・ライフプランについて話してきました。しかし読んでいて、こう感じた方もいるかもしれません。「頭ではわかるけれど、なんとなくお金の話をするのが後ろめたい」と。その感覚こそ、最終回で取り上げたいテーマです。
「お金持ちはズルをして儲けているに違いない」「お金を持つと人間が変わる」。こうした感覚を持つ方は少なくありません。しかしこのイメージは、実は400年以上前から意図的に植え付けられた文化的な刷り込みかもしれないのです。
戦国時代、織田信長は初めてお金を使って兵士を雇ったと言われています。農民出身の豊臣秀吉もこの方法を受け継ぎ、お金をうまく使って天下統一を果たしました。それを見て、危機感を覚えたのが徳川家康です。「お金には、既存の権力をねじ伏せて、習慣や価値観を一変させる力がある」。そこで徳川幕府は、大名負担で工事を行う「天下普請」や「参勤交代」など、大名からお金を吐き出させ続ける政策を取り続けました。「質素倹約が美徳」という価値観は、権力者が民衆からお金を吸い上げるための装置として機能していたのです。その後も戦争のたびに同じ構造が繰り返され、「お金は汚いもの、積極的に触れるべきではないもの」という文化が根付いていきました。もちろん諸説ありますが、この解釈を支持しています。