5億円ママ投資家ちょる子が断言「株は買う前が9割」なぜなのか…個別株の勝率を高める「カタリスト思考」

著書『ママ投資家が育休中に1億貯めた株式投資』(ダイヤモンド社)の売れ行きも絶好調のママ投資家・ちょる子氏が、自身の投資の意思決定や相場の見方、時事ネタなどについて綴る新連載「ちょる子の相場解体新書 ママ億り人の頭の中」。連載第1回は個別株投資の勝率を高める「カタリスト思考」の考え方を開陳する。
「株は、買う前が9割」
みんかぶ読者の皆さま、こんにちは。兼業投資家で2人の娘を育てる「ママ投資家」こと、ちょる子と申します。
私は2011年、240万円を元手に株式投資をスタートしました。相場の波に揉まれながら、失敗と試行錯誤を繰り返し、2026年、資産は5億円を突破しました。先日、『ママ投資家が育休中に1億貯めた株式投資』(ダイヤモンド社)という本も出版させていただきました。
とはいえ、私がここまで資産を増やせたのは、未来を完璧に予測できたからではありません。むしろ、投資を続けてきて強く感じるのは、「株価の未来を当てること」よりも、「なぜ、その株が上がるのかを自分の言葉で説明できること」のほうが大切だということです。
この度、時事のお話も交えながら「ちょる子の相場解体新書」として相場をどのように捉えているかについて連載をさせていただくこととなりました。お付き合いいただけましたら幸いです。
投資家の方から、こんな質問をいただくことがあります。
「この株、上がりますか?」
でも、私が先に聞き返したいのは、「なぜ、この株が上がると思ったのですか?」ということです。
「チャートの形が良くなった」
「割安に見える」
「決算が良かった」
「SNSで話題になっている」
もちろん、これらは銘柄を探すうえで有効な情報です。ただ、私はそれだけを理由に資金を投じることはありません。私が個別株を買うとき、いつも頭の片隅に置いている問いがあります。
「その株を、今の株価より高いところで、次に誰が買うのか?」
今回から始まる新連載『ちょる子の相場解体新書』では、私が日々どのような視点でマーケットを見て、何を考えて売買しているのか。単に「この株が上がる」と結論だけをお伝えするのではなく、その結論にたどり着くまでの「頭の中」を解体していきたいと思います。
第1回のテーマは、「株は、買う前が9割」です。
個別株投資は、本当に必要なのか?
まず最初に、少し逆説的な話をします。私は、資産形成を始めたばかりの方が、いきなり個別株を買うことを必ずしもおすすめしません。長期で市場全体の成長を取りにいくのであれば、インデックス投資は非常に合理的な選択肢です。
では、なぜ私は個別株を売買するのか。それは、市場全体の値上がり以上のリターン、いわゆる「アルファ」を狙うためです。アルファとは、簡単に言えば、市場全体の値動きだけでは説明できない超過リターンのことです。
個別株投資では、「まだ市場が十分に評価していない企業」や「これから市場の見方が変わる可能性がある企業」を探します。だからこそ、「今、良い会社なのか?」だけでは足りません。私が知りたいのは、「これから市場の見方が変わる会社なのか?」ということです。
「良い会社」と「上がる株」は同じではない
業績が良い。財務が健全。競争力がある。素晴らしいビジネスモデルを持っている。それでも、株価が上がるとは限りません。なぜでしょうか。
株価は、「現在の企業価値」だけで決まっているわけではないからです。市場参加者が、「この会社は、これからどれくらい成長するのだろう?」と考えた結果、その期待値が株価に織り込まれています。つまり、どれだけ良い会社でも、その良さがすでに株価に十分反映されていれば、新たな買い材料にはなりにくい。
だから私は、「この会社は素晴らしい!」では終わらせません。必ずその次に、「それは、今の株価にどこまで織り込まれている?」と考えます。ここが、「良い会社を探すこと」と「上がる可能性のある株を探すこと」の大きな違いです。
最初に見るのは「企業そのもの」ではなく「変化」
では、具体的にどうやって銘柄を探すのか。実は私は、最初から個別企業を見るとは限りません。むしろ最初に見るのは、「今、マーケットの前提を変えるようなことが起きているか?」です。
金融政策、金利、為替、インフレ、景気、政府の政策、地政学、AI投資、企業の設備投資、資金調達環境。こうした変化を見ながら、私の頭の中では、次のような連鎖が起きています。
マクロの変化が起きる
↓
市場の前提が変わる
↓
金利・為替・流動性などが変化する
↓
資金の向かう先が変わる
↓
セクターが動く
↓
恩恵を受ける企業を探す
↓
利益予想が変わる
↓
市場コンセンサスとの差が生まれる
↓
バリュエーションが再評価される
↓
新しい買い手が現れる
↓
株価が動く
私は、この「変化の連鎖」を重視しています。
カタリストとは「ニュース」ではない
ここで、この連載のキーワードである「カタリスト」について定義しておきましょう。一般的にカタリストというと、「株価を動かす材料」や「株価上昇のきっかけ」という意味で使われることがあります。でも、私が考えるカタリストは、もう少し広いものです。
私にとってカタリストとは、「株価を動かすニュース」ではありません。
「市場の前提が変わり、新しい買い手が生まれるまでの変化の連鎖」です。
たとえば、「AI関連のニュースが出た」というだけでは、私はすぐには買いません。そのニュースによって、「何が変わるのか?」「誰の利益が増えるのか?」「市場の予想を上回るのか?」「その変化は、今の株価に織り込まれているのか?」そして最後に、「その株を、次に誰が買うのか?」まで考えます。