「主役は、AI・半導体ではない」億り人ゲーム投資家が狙う2027年の“新たな主役”
本稿で紹介している個別銘柄:カプコン(9697)、バンダイナムコホールディングス(7832)、任天堂(7974)、ソニー(6758)
2026年後半、日本の株式市場は歴史的な転換点を迎えている。日銀の利上げによる金利上昇、そして先行き不透明な為替動向…。「一体、何を避けて何を買えばいいのか」と頭を抱える個人投資家は少なくないかもしれない。
そんな波乱相場において、「今は現金比率を高め、確実な波を待つべきですよ」と話すのが、元手300万円からゲーム株投資で資産1億円を築いた専業投資家のゆず氏だ。
円安や金利上昇というマクロ環境の変化は、彼が得意とするエンタメ株にどう影響するのか。乱高下する相場を生き残るための資金管理術と、今まさに仕込み時の「大化け期待の投資テーマ」に迫る。
みんかぶプレミアム特集「円安・金利上昇局面の稼ぎ方」第6回。
日経平均7万円でも「バブルではない」理由
ーーここ最近、日銀の利上げや為替の乱高下で、個人投資家はかなり疑心暗鬼になっています。金利が上がれば株価は下がるのが一般的なセオリーですが、現在の相場をどう見ていますか?
たしかに教科書通りに考えれば、金利上昇は株式市場にとってマイナス要因です。
企業はお金を借りにくくなり、投資家もリスクを取らずに現金や債券で金利を受け取ろうとするからです。とはいえ、今の日本に限って言えば、そのセオリーだけでは相場の本質を見誤ります。
今の日本は、デフレからインフレへの明確な転換期にあります。コロナ禍以降、世界的な供給制約や資源・食料価格の上昇、円安などを背景に、日本でも物価上昇が進みました。
物価が上がれば企業の売上高が膨らみ、利益が積み上がり、それがようやく賃上げとして私たちに還元されつつあります。
そして、この「物価上昇・業績拡大・賃金上昇」という好循環が生まれ始めていることが、要諦です。
ーー物価が上がって生活が苦しいという声も多いですが、投資の観点ではポジティブな兆候だと。
そうですね。もちろん生活実感としては厳しい部分もあります。ただ、企業業績の土台が底上げされているのは紛れもない事実です。
物価上昇によって名目売上は押し上げられやすくなります。特に、コスト増を価格転嫁できる企業は利益も伸ばしやすくなります。要するに、パイ全体が大きくなっているわけです。
こうなると、現金をそのまま銀行に眠らせておくことが最大のリスクになります。お金の価値が目減りしていくからですね。
株式を含めた金融資産へ適切に分散しておくことが、これまで以上に求められるフェーズに入ったと考えています。
日経平均株価は、一時7万円台まで到達しました。これに「実体経済と乖離したバブルだ」と指摘する声もありますが、私はそうは思いません。
2026年前半の上昇を牽引したAIや半導体、メモリ関連の企業群は、実際に凄まじい利益を叩き出しています。稼ぐ力に裏打ちされたフェアな評価であり、一概に割高とは言えない水準です。
2027年、主役は「AI・半導体」ではない?
ーーただ、そこまで急ピッチで上がると、一部のアナリストが予想する「来年には日経平均10万円」というシナリオには少し警戒感も覚えます…。
私も、「2027年すぐに10万円到達か?」という見解には少し慎重です。理論上は到達してもおかしくありませんが、現実的な着地点としては8万円から9万円台を想定しています。
理由は明確で、2026年前半に主役だったAIや半導体関連株が、あまりにも猛烈なスピードで買われすぎたからです。
業績がよいとはいえ、さすがにここからさらに買い上がるには相場全体に「お休み」が必要です。高値で買って含み損を抱えている投資家の戻り待ちの売りを消化するのにも、ある程度の時間が必要になります。
だからといって、相場全体が崩れるわけではありません。むしろ2027年は、AI半導体が調整している間に、これまで資金が回ってこなかった他の優良セクターが買われ、日経平均を底支えする展開になるはずです。
特定のテーマだけが熱狂する相場から、より裾野の広い上昇相場へと移行していくイメージですね。
ーー裾野が広がる相場において、長期で資産を形成したいと考える新NISA層などは、具体的にどこへ投資すべきでしょうか。米国株のインデックスを選ぶ人が依然として多い印象ですが。
たしかにS&P500やオール・カントリー(オルカン)は非常に優秀な選択肢です。しかし、今のインフレ転換と企業業績の改善ペースを見ると、日本株インデックスのパフォーマンスも決して見劣りしません。逆に、足元では日本株のほうが優位に立っている場面も多々あります。
日本株で長期の積み立てをするなら、私は日経平均よりも「TOPIX(東証株価指数)」を推奨します。
日経平均は構成銘柄の中で値がさ株(株価が高い銘柄)の影響を強く受けるため、AIや半導体といった特定テーマの浮き沈みで指数全体が激しく乱高下してしまいます。
長期でじっくり資産を増やしたい人にとっては、このボラティリティ(価格変動)の大きさは精神的な負担になりかねません。