原油120ドルで「株価30%下落」も・・・資産3億円投資家が年末相場で警戒する「最悪シナリオ」
「年末ラリーに乗り遅れたくない」「余っているお金があるなら、いまのうちに株を買っておいたほうがいいのでは」——。
株価が高値圏にあると、現金を持ったままでいることが“機会損失”のように感じられる。年末に向けて相場の上昇が期待される局面なら、なおさらだ。
しかし、株価が上がっているからといって強気一辺倒でよいとは限らない。
投資スクール『Financial Free College』代表講師で、自身も33歳で純資産3億円を築きFIREを達成した“ライオンじゅんさん”こと金盛潤一氏が、いま注目しているのは、株価そのものだけではない。
金盛氏が警戒するのは、原油価格の上昇をきっかけにインフレが再燃し、利上げが長期化するシナリオだ。状況によっては、株式市場が20〜30%下落する可能性も想定しているという。
もちろん、このまま株高が続く展開もあり得る。重要なのは、上昇か下落かを当てにいくことではなく、どちらに転んでも耐えられる状態をつくっておくことだ。
では、年末相場を前に、どんな資産配分を考えればよいのか。株式だけに偏らないポートフォリオの組み方と、いま準備しておきたい守り方を金盛氏に伺った。
みんかぶプレミアム特集「不安定な相場 ズバリ!こう仕込む」第1回。
いま最も警戒すべきは「原油価格」
ーー年末に向けて、日米株はまだ上昇すると見ていますか。
メインシナリオとしては、それほど悲観していません。AI関連への期待も根強く、このまま株価が上がっていく展開は十分に考えられます。
ただ、いま私がかなり気にしているのは原油価格です。原油は再び上昇し、1バレル100ドル近辺まで来ています。
この水準で落ち着くのであれば、S&P500や日経平均が5〜10%ほど調整しても、それほど驚くことではありません。株式市場では、その程度の下落が年に1、2回あってもおかしくないからです。
ーー5〜10%の下落なら、「暴落」と身構える必要はないということですか?
そうですね。問題はその先です。原油価格がさらに上がり、120ドルを超える水準で高止まりすれば、インフレが再び強まるおそれがあります。
エネルギー価格の上昇は、物流費や製造コストにも波及します。企業が値上げで転嫁すれば、物価も下がりにくくなるでしょう。そうなれば、中央銀行も簡単には金融緩和に動けません。
2022年のように利上げが続く状況になれば、株式市場が20〜30%ほど下落するシナリオも、念のため頭に入れておいたほうがよいと思っています。
最高値相場でも「30%下落」に備えよ
ーーとはいえ、そこまで悲観的になる必要がありますか。
「20〜30%下がる」と予想して、そこに賭けようという話ではありません。ひとつのシナリオだけを当てにいく必要はないと思っています。
原油が100ドル前後で落ち着き、株式市場がそのまま上がるかもしれない。120ドルを超えてインフレが強まり、追加利上げが続く可能性もある。
確率はかなり低いと思いますが、原油価格がさらに上がり、景気悪化と物価上昇が同時に進むスタグフレーションまで想定すれば、もっと厳しい状況もあり得ます。
どれかひとつを信じ込むのではなく、どの状況になっても致命傷を負わない備えをしておく。いまは、その考え方が欠かせません。
ーー株高なのに慎重になれば、機会損失にもなりませんか。
もちろん、現金ばかり持っていて株価が上がれば、その分の利益は取り逃がします。それでも、株価が史上最高値付近まで上がり、多くの人が強気になっている局面で、資産の100%をリスク資産にしておく必要はないと思います。
相場が好調だと、「もっと上がるのでは」と感じますよね。ただ、みんながそう感じているから株価もここまで高くなっているわけです。
上昇を取りにいきつつ、下落にも備える。どちらかに振り切らないことが大切です。