損切りシナリオが外れた時どうする? 米国株中心の“億り人”投資家が熱視線を送る「今後の想定シナリオ」と注目銘柄
米国株を中心に運用する億り人の個人投資家・ともさん。保有するSKハイニックスの株価は一時10倍、マイクロンも7〜8倍に値上がりしました。調整局面を迎えたいまも手放さず、長期で持ち続ける姿勢は変わりません。
S&P500の年末から来年にかけてのシナリオと、いま注目している銘柄を伺いました。インタビュー連載全2回の最終回。
S&P500、上を目指すならどこ?
ーー2024年の取材ではS&P500にかなり強気の予想をされていて、その通りになりました。今後想定されるシナリオを教えてください。
整理すると、2024年は4800くらいから始まって、12月に6000まで行きました。2025年の3月、4月に大きく下げて、2026年もまた大きく下げたという流れです。今年はなんとか8000まで行ってほしいと期待しています。年末は上がりやすいですし、キリの良いところはみんなが目指したくなるところです。だから機関投資家も、ひとまずそこまで持ち上げていって、浮かれた個人投資家をそこで罠にはめる、ということがあるのではないかと思っています。
8000まで持ち上げた後に仕掛けて、年初に去年や一昨年のように下げるのではないか、というシナリオを想定しています。
ーー下落するとしたら、下のレンジはどのあたりでしょうか。
今が7800くらいなので、さすがに今年の3月、4月の水準までは下がらないでしょうが、7000までは下げてもおかしくないとは思っています。
億り人投資家が注目する銘柄4選
ーー今注目している銘柄を理由とともに教えてください。
注目銘柄はハイテク関連が中心ですが、まず挙げたいのはインテル【INTC】です。
ここ2、3年、AI投資といえばGPUばかりが注目されてきましたが、足元ではCPUの需要が急速に高まっています。今後はCPUの搭載数も大きく伸びていくはずです。
この分野を担うのはインテルやAMD、そしてARMですが、なかでもインテルは競合に後れを取ってきた分、国策企業として米政府の後押しを受けている点が強みです。巻き返しの余地が大きいという意味で、インテルには注目しています。
二つ目はメモリー関連です。これまではマイクロンを挙げることが多かったのですが、今回は少し視点を変えて、今年ADR上場を果たした韓国のSKハイニックス【SKHY】に注目しています。
株価は6月ごろに大きく上昇したあと調整していますが、メモリーの供給不足は解消されていませんし、HBMは不可欠なうえ高値で売れる製品です。ファンダメンタルズは何も変わっていません。
下落の要因は、あくまで需給です。韓国市場の急落で韓国の個人投資家の熱は一気に冷め、レバレッジをかけていた多くの投資家が退場を余儀なくされました。いまは沈静化していますが、いずれ再びブームが訪れると見ています。彼らが市場に戻り、レバレッジをかけ始めれば、株価は上がりやすくなるはずです。
その意味で、この銘柄は米国株として見ているというより、韓国人投資家によるレバレッジ取引、いわば一種の熱狂の再来に注目しているというのが正直なところです。
そして、三つ目はルメンタム・ホールディングス【LITE】です。光通信の部品を手がける企業ですが、注目しているのは同社に限らず、ネットワーク接続の領域全体です。GPUやCPUの性能がいくら向上しても、通信速度が追いつかなければその性能を生かしきれません。ここも次のボトルネックとされているので、どこまで改善が進むかに注目しています。
四つ目は電力です。結局、僕はボトルネックばかりを見ているのですが、一つ挙げるならブルームエナジー【BE】です。直近はやや調整していますが、再び高値を回復しつつある値動きだったので、悪くないと見ています。
データセンター向けの電力は明らかに不足しています。その供給をどう確保していくかという意味で、セクターとして注目しています。