営業利益13.7%減が告げるセブン“オワコン化”の現実…経営陣自らが認めた「食における差別化の限界」

競合を圧倒する日販69.9万円を誇るセブン-イレブンだが、会社側の説明資料には「食における差別化が弱まった」という冷徹な自己評価が記されている。直近の2026年6〜8月期決算では営業利益が13.7%減と大きく落ち込み、既存店の客数も2.5%減少するなど、客単価頼みで売り上げをかろうじて保つ構図が表面化している。立地の利便性や過去の蓄積が日販を支える裏で、なぜ商品で客を引きつける力が弱まっているのか。元プレジデント編集長で作家の小倉健一氏が解説する。
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セブン&アイ経営陣が自負する日販の数字 他社との差を生む「商品開発力」の根拠
セブンイレブンのカレーパンを、会う人に勧めていた時期がある。2022年に記事にも書いた「お店で揚げたカレーパン」だ。「あれ、食べた?」「え、まだ食べてないの?」と複数の人に聞かれた。食べてみると、なるほどと納得した。本当にうまかった。その後も繰り返し買い、今度は自分が人に勧める側になった。
昔からあるカレーパンで、こんなに差がつくのか。パンの棚に並ぶ袋入りのものとは違う、揚げたての食感がよかった。あのとき、セブンの商品を褒めるのに、業界の数字など必要なかった。
今、そのセブンの強さを説明するときに出てくるのが、日販だ。1店が1日に売り上げる金額を指す。2026年2月期はセブン69.9万円、ローソン59.8万円、ファミリーマート58.5万円。セブンは競合より1日に10万円以上多く売っている。
セブン&アイのデイカスCEOも公式メッセージで、商品開発力が競合との差を生んでいる根拠に、この日販を挙げている。この数字だけで今の商品開発を評価することに、私は反対だ。
日販首位の陰で進む商品力の鈍化 会社自身の資料が明かす競合追随の現実
経営陣自身が、商品の違いを打ち出しにくくなったと認めている。2025年8月の「7-Elevenの変革」説明資料には、こう書かれていた。
「食における差別化が弱まり、競合他社は進歩を遂げています」
日本の店舗当たりの食品売上が競合を上回ると説明した、その直後の言葉だ。よく売れていることと、競合との差が薄れていることを、会社は同時に認めていた。日販首位だから商品開発も安泰だという見方は、会社自身の説明とも合わない。その後、2026年6~8月のセブン‐イレブン・ジャパンは減収減益に沈んだ。営業収益は前年同期比0.3%減の約2,308億円、営業利益は13.7%減の約578億円だった。
営業収益は加盟店からの収入などを含む本部の数字だ。店頭では、前年から営業する既存店の売上が0.3%増える一方、客数は2.5%減った。客1人が使う金額の増加によって、売上をかろうじて前年より上に保った形だ。店に来る客が増えて商売が伸びた、という中身ではない。
会社は夏の天候の影響を説明しており、上期の利益にはシステム費用などの増加も響いた。減益には費用の問題がある。客数の減少には、天候も絡む。そこまで押さえても、商品で客を引きつける力を取り戻せていないという不満は残る。食の差別化が弱まったと認めてから、すでに1年たっている。