「190万円を稼いだ朝」資産1億円のデイトレーダーは何を見ていたのか 32万円を失った日、取り逃した日との違い

本稿で紹介している個別銘柄:フジクラ(5803)、と古河電工(5801)、村田製作所(6981)、太陽誘電(6976)、キオクシア(285A)
高校卒業後に会社員として9年働き、2024年4月に資金500万円で専業デイトレーダーへ転じたシンク氏。2026年夏には資産1億円を突破した。今回は直近の印象に残った取引日を振り返りながら、損をした日、取り逃した日、大きく取った日に何を考えていたのかを聞いた。全3回の第1回。
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コーニング20%安の朝、読みは当たったのに32万円を失った理由
シンク氏の売買の土台は、米国株と日本株の値動きの連動にある。前日に米国の関連銘柄が5%上がれば、日本の銘柄はその0.8倍、4%前後で寄り付くのが妥当と考え、高すぎれば空売り、安すぎれば買いで入る。
「0.8倍は、あくまで平常時の目安です。自社株買いや増資のように、その会社だけの事情で株価が動いたときは、日本株への影響は小さくなると考えています。米国株が大きく動いた理由をどう見るかが重要なんです」
2026年9月15日は、前日に光ファイバー大手の米コーニングが20%安、日経平均先物も500円ほど安かった。単純計算なら16%安だが、そこまでは下がらないと見たうえで、地合いの悪さから電線株は売りと判断。フジクラ(5803)と古河電工(5801)に、寄り付きで2000株ずつ空売りを入れた。
「読みどおり寄り付き直後は下げて、10万円、20万円ほどの利益は出ていました。ただ、もう少し値幅を取りたくて持ち続けていたら、日経平均が大きく上げ始めて、指数に引っ張られる形で電線株が戻してきたんです。11時ごろまで粘りましたが、空売りした時点から日経平均は1000円ほど上がっていて、2銘柄合わせて32万円の損切りになりました。しかも日経平均は、そこを頂点に下げていったんですよ。悔しかったですね」
当時の判断を、シンク氏はこう振り返る。
「今思えば、個別の銘柄だけでなく、日経平均の動きも考えに入れるべきだったのかもしれません。大きな流れに逆らってはいけないとはいえ、その流れ自体を読むのは難しい。この日は値幅を取りたくて、いつもより長く持ってしまいました」
取れたはずの値幅を、SQの朝に見送った
10月9日も、悔しさの残る1日だった。この日は、先物やオプションの清算価格を決める「SQ」の日。決済のための注文が寄り付きに集中するため、始値がゆがみやすい。
「SQの日は気配が読みにくいぶん、ときに異常な値段がつくんです。この日は日経平均先物が1000円近く安く、多くの銘柄は3%安あたりが妥当だと見ていました。ところが9時に寄り付いてみると、想定より高く始まる銘柄が多かったんです」
目をつけたのは電線株だった。米国の関連株が前日に10%ほど下げたのに、日本の電線株は2%安程度で始まろうとしていた。
「高すぎるので空売りしたかったんです。ただ、相場全体に買いの雰囲気があったうえに、SQで気配が読みにくく、迷っているうちに9時ちょうどに寄り付いてしまいました」