1,990 円のユニクロフリースから株を発見 累計13億円稼いだ投資家が「決算書より先に見るもの」
株だけで生活している専業投資家なら、朝から晩まで株価を見続けている——。そんな姿を想像する人も多いだろう。
しかし、38年間個別株に向き合ってきたかぶ1000氏の日常は、そのイメージとはかなり違う。資産が1日で数百万円動くこともある。それでも、毎日の値動きに張り付いているわけではないという。
では、何を見て銘柄を選び、いつ買い、いつ手放すのか。さらに、決算書だけでは分からない企業の「ある部分」を確かめるため、かぶ1000氏が長年続けていることがある。
専業投資家は、普段いったい何を見ているのか。38年間、個別株投資を続けてきたかぶ1000氏にその裏側を聞いた。全3回の第2回。
みんかぶプレミアム連載「富裕層たちの黄金法則」
株価が大きく下がる日こそ「バーゲンセール」。フルポジション運用の理由
株だけで生活していると聞くと、一日中株価を眺めているようなイメージがあるかもしれませんが、私は毎日ずっと株価を見ているわけではありません。もちろん決算が集中する時期は、株価の反応を確認しますが、それ以外は、むしろ新規銘柄の発掘や、保有銘柄の入れ替えに時間を使っていることのほうが多いです。運用する金額が増えてくると、1日で数百万円動くことも当たり前になってくる。日々の値動きを追うよりも、何か材料が出たときにどう反応するか、大きく上がったり下がったりした銘柄がどんな要因で動いたのかを分析するほうに時間を使っています。
私が基本的に動くのは、株価が値下がりしたときです。バリュー株投資というのは、日常生活で言えばバーゲンセールやアウトレットでお買い得な品物を狙うようなものです。値段が下がったら安く買えるチャンスなのに、日本の市場は「株価が下がった、大変だ」となってしまう。私は逆で、下がった時こそチャンスだと思っています。むしろ株価がずっと上がっていく局面のほうが、私にとっては面白くない。年に2回ほどの急落や、4〜5年に1回訪れる暴落の局面でこそ、チャンスとばかり集中して売買します。それ以外の通常時は、大きく動かすことはあまりありません。
私は、証券口座の中では原則として現金をほとんど残さない「フルポジション」で運用しています。つまり、新しく買いたい銘柄が見つかっても、それを買うための現金はほとんど手元にありません。だからこそ、新しい銘柄を買うときは、今持っている銘柄のどれかを売り、入れ替える必要があります。
トランプのように何かを捨てなければ新しいカードは引けない。保有銘柄には常に順位をつけていて、新しい投資候補が出たら、順位の低い銘柄から売って入れ替えていきます。
日本株は「持ちっぱなし」にしない。四半期に1度の「健康診断」で入れ替える
日本株は、米国株に比べて長く低迷していた時期があります。実際、日経平均が1989年につけた最高値38,915円を更新したのは、約34年後の2024年でした。トヨタ自動車のような大企業でも為替の影響を受けやすく、株価には大きな波があります。だから私は、一つの銘柄をずっと持ち続けるのではなく、状況に応じて銘柄を入れ替えるという考え方で運用してきました。
また、日本市場は外国人投資家の存在感が大きく、その資金の流出入が株価のボラティリティ(値動きの大きさ)に影響を与える要因の一つになります。相場環境によって海外マネーが大きく動くと、日本株全体の値動きも大きくなりやすいのです。
ただし、保有年数を基準に機械的に売ることはしません。保有銘柄は四半期ごとに決算を確認し、人間ドックのような「健康診断」の感覚でチェックしていきます。想定していなかった変化が今後の業績に影響すると判断したら、その銘柄を売却候補に入れていく。株価が上がって割安感が薄れてくると、これまでは銘柄を入れ替えてきましたが、特に相場が良いときは、安易な売却で更なる上昇の機会を逃すことにも繋がりますので、最近は出来るだけ引っ張るように心掛けています。
また、 相場は、いつ上がるか下がるかは誰にも分からないので、どんな相場にもしっかり対応できるポジションを取ることを重視しています。無理なポジションを取ると、下落時に投げ売りしてしまったり、メンタルがやられてしまう原因にも繋がります。逆に現金を多く持ちすぎると、上昇局面に乗り遅れてしまった時、焦って高値で飛び付き買いしてしまうリスクもあります。