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渡辺喜美「今の自民党にはリーダーもいなければパワーもない」…岸田首相が仕掛けた権力闘争で自らが生贄になる

 自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件で、東京地検特捜部は3つの派閥の会計責任者らを立件した。

 政治資金規正法の欠陥が指摘される中、岸田文雄首相(自民党総裁)は「政治刷新本部」を新設し、政治資金の透明性を高めるため派閥から「カネと人事」を切り離すといった中間とりまとめを決定した。

 今回の事件背景や政治改革の必要性などについて、かつて自民党で行政改革担当相などを務めた渡辺喜美氏に聞いた。(聞き手・経済アナリストの佐藤健太氏)

目次

まるで昭和の自民党のようだ

――特捜部は最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)と「志帥会」(二階派)、そして岸田首相が最近まで率いていた「宏池会」(岸田派)の3派閥の会計責任者らを立件しました。池田佳隆衆院議員が逮捕、大野泰正参院議員は裁判を求める在宅起訴、谷川弥一衆院議員(辞職)は罰金刑を求める略式起訴となりました。その他の幹部議員らの立件にはハードルがあったと伝えられています。

渡辺喜美氏)今回の事件で思い出すのは「昭和の自民党」ですよ。かつて所属した自民党の古い時代を知っている私からすれば、今回の事件で報道されている金額はケタが1つくらい少ないとも感じてしまいますね。1994年に政党交付金制度ができたわけですが、今では年間315億円もの政党交付金が共産党以外の政党の資金の柱になっています。自民党も政党交付金への依存度が高いわけです。そういう中で自民党の派閥は今回のように裏金づくりのようなことをやってきたのだろうと思います。

  現在の政治資金規正法というのは、会計責任者の形式犯を処罰する建て付けになっています。議員本人との「共謀」を検察が立証しなければならない。東京地検は全国からエース級の検事を集め、100人態勢で捜査していたと報じられましたが、あれだけ派手に強制捜査をやったのに「一体、何だったのか」と国民が思っているのではないでしょうか。

改革が中途半端だと、「まさか」の政権交代がある可能性も

――岸田首相(自民党総裁)は「中間とりまとめ」の中で、派閥からカネと人事を切り離すといった改革案を決定しました。岸田派、安倍派、二階派、森山派が解散する一方で、麻生太郎副総裁や茂木敏充幹事長が率いる派閥は維持する方向と伝えられていますが、どう見ていますか。

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