【実録】積立NISAしか知らない編集部員がFX自動売買「トラリピ」に挑戦! 1カ月運用した結果を専門家はどう見る?(後編)
投資経験は積立NISAだけという編集部員が、FX自動売買を1カ月試してみる本企画。
今回運用したのは、マネースクエアの「トラリピ」。あらかじめ設定したルール通りに、システムが自動で売買をくり返してくれる仕組みと、JALのマイルがたまることが特徴です。
前編では口座開設から注文設定までの流れを、初心者目線でつまずいたところも含めてお伝えしました。
後編となる本記事では、運用1カ月の成績をまるごと公開。あわせて、マネースクエアのストラテジストによる評価と初心者へのアドバイスをお届けします!
▶ 前編はこちら:【実録】積立NISAしか知らない編集部員が、JALのマイルもたまるFX自動売買「トラリピ」を始めてみた(前編)
1カ月運用したトラリピ設定
まずは、今回運用したトラリピの注文設定をおさらいしましょう。

選んだ通貨ペアは2つ。オージーキウイ(AUD/NZD)とユーロポンド(EUR/GBP)です。
どちらもマネースクエアが選定している「トラリピ向き通貨ペア」から選びました。値動きの範囲が比較的安定していて、レンジの中で売買をくり返すトラリピの仕組みと相性がいいとされる組み合わせです。※
オージーキウイは、画面が提示してくれた推奨設定のまま。いわば”おまかせ”です。
一方、ユーロポンドは売買の方向を「買い」に、利益値幅を初期値より狭く変更しました。小刻みに決済されたほうが安心だと考えた、初心者なりの判断です。
※将来にわたって値動きの安定を保証するものではありません。8月の確定利益は5,099円! 専門家の評価は
運用の結果は「成立カレンダー」という画面で確認できます。日ごとの確定した利益とたまったマイルが、カレンダー形式で表示されるものです。
そして、今回運用した1カ月分の成立カレンダーがこちら。

確定した利益は5,099円。1日あたり200円台から500円台をコツコツ、という1カ月でした。
なお、8月末の時点で、決済されていないポジションは4つ。

評価損益は合計マイナス1,729円です。確定した利益5,099円と足し合わせると、プラス3,370円。これが運用1カ月の現在地ということになります。
この結果を、マネースクエアのストラテジストに見てもらいました。まず目を通したのが、この成立カレンダーです。

「お客様の運用を拝見するときも、最初に見るのがこの画面です。ここに、トラリピがどのように売買を続けていたのかといった、重要な情報が詰まっているんです」
「トラリピが目指しているのは、コツコツ利益を積み上げて、あわせてJALのマイルもたまること。ほとんどの日で売買や利益が積み上がり、マイルも毎日たまっている状態なので、目指している運用ができているということになります」
金額自体の大きさではなく、利益とJALのマイルが途切れずに出ているかどうかがポイントのようです。
「たとえば1週間なにも利益が出ていない、マイルもたまっていない。そういった状況が続くのであれば、設定の見直しを考えてもいいかもしれません」
今回は利益が出ない日もありましたが、1週間まったく動きがないという状態はありませんでした。全体としては合格、ということのようです。
決済16回と3回。この差は設定ミス?
通貨ペア別の成績もみてみましょう。

オージーキウイ(AUD/NZD)は決済16回で+4,316円、ユーロポンド(EUR/GBP)は決済3回で+783円となりました。
ユーロポンドはオージーキウイより利益値幅を狭くしています。1回あたりの利益は小さくなるものの、そのぶん決済の回数は増えるはず。そう考えての設定でしたが、実際はオージーキウイの5分の1以下という結果に。
これは設定を間違えたのでしょうか?そう思って聞いてみると、意外な答えが返ってきました。
「大きく動くペアで小さい利益しか狙わないのはもったいないのですが、ユーロポンドは近年波が小さい(チャートが大きく動かない)ので、利益値幅を狭めたアクション自体はいい判断でした。その結果、決済が0にならずに済んだわけですから」

利益値幅は、通貨ペアの値動きの大きさに合わせるもの。よく動くペアなら広く取って1回の利益を狙い、動かないペアなら狭くして回数を拾う。こうした戦い方を使い分けることもポイントのようです。
そしてもうひとつ、評価されたのは通貨ペアを2つに分けていたことでした。
「今回、運用がユーロポンドだけだったら、もっと成立カレンダーの空白が目立っていたはずです。それだけを見れば、目指したところができなかった、という評価になっていたと思います」
片方が動かなくても、もう片方が動いていればカレンダーは埋まる。通貨ペアを分けておくことが、結果的にリスクの分散に加えて利益の積み上がり方の面にも貢献していました。
JALのマイルを効率よくためるコツ
利益とあわせて気になっていたのが、JALのマイルです。今回の運用でたまったのは307マイルでした。

トラリピでたまるJALのマイルは2種類あって、対象のトラリピを運用していれば取引がない日でもたまる「毎日マイル」と、取引が成立するたびにたまる「取引マイル」があります。
今回の内訳は、毎日マイルが155マイル、取引マイルが152マイル。取引マイルのうち76マイルは、JALカードを持っていることでたまる「JALカードボーナスマイル」分でした。
マイルを効率よくためる方法はあるのでしょうか。
「まず毎日マイルがたまる設定にすることが大前提です。取引がない日も積み重なっていきますので。逆に、取引マイルをためようとして取引を増やすのは本末転倒です。まずは毎日マイルの条件をしっかり把握して、その中で運用をすることを意識していくのがいいでしょう」
毎日マイルには、対象の通貨ペアであること、利益値幅やトラップ値幅が基準内であること、決済トレールとレンジシフトを設定しないことなどの条件があります。今回の2つはどちらも対象で、条件も満たしていました。
また、たまるマイル数は、預けた資金額で決まる「マネースクエアステータス」によっても変わります。

「ダブルスターは100万円ですから、そこまでハードルは高くありません。まずはダブルスターで運用するのが、一番やりやすいと思います」
今回は100万円を入金したので、私もダブルスターの対象となっていました。ステータスが上がると、同じ運用でもたまるマイル数が増えます。100万円という金額は、始めるうえでの目安になりそうです。
なお、マネースクエアによると、JALのマイルがたまっている口座の平均は月1,000〜2,000マイル程度とのこと。私の8月は307マイルでしたが、運用する資金や設定によって、たまり方は大きく変わるようです。
利益を削っていたスワップ。「売り」だったらどうなっていた?
1カ月の結果でもうひとつ、数字を分けてみて気づいたことがあります。スワップの動きです。
オージーキウイは売買損益3,744円にスワップがプラス572円。ユーロポンドは売買損益960円にスワップがマイナス177円でした。
スワップとは、通貨の金利差によって毎日発生する損益のこと。需給のバランスによって増減しますが、基本的に金利の高い方の通貨を買っていると受け取り、売っていると支払いになります。オージーキウイの「買い」は豪ドルの金利がNZドルより高いためプラスに、ユーロポンドの「買い」はユーロより英ポンドの金利が高いためマイナスになっていました。
今回の運用では、ユーロポンドは売買方向を初期値の「売り」から「買い」に変更しています。チャートが上向きに見えたから、という判断でしたが、スワップの視点は抜けていました。

ユーロポンドで決済された3件を保有日数の順に並べると、売買損益はどれも320円前後なのに、手元に残る金額は308円から201円まで減っています。
スワップは毎日発生するので、決済されずに持ち続けるほど積み上がっていきます。表の3件で、決済までの日数が長いものほど引かれる額が大きくなっているのは、そのためです。
3件を合計すると、売買で出た利益960円に対してスワップがマイナス177円。約18%が引かれた計算です。この水準が許容範囲なのか、初心者の私には判断がつきませんでした。
もし初期値のまま「売り」で運用していたら、どうなっていたのでしょうか。バックテストで試算してもらいました。

確定損益は、売りのほうが323円多い結果に。ただ、注目すべきは差額ではありませんでした。
「買いの783円にはマイナス177円のスワップが含まれ、売りの1,106円にはプラス136円が乗っています。売買そのものの成績を見るために、この分を抜いて比べてみると、960円と970円で、売買で出た利益はほとんど同じ。つまり、確定損益の差323円は、スワップを受け取ったか支払ったかの差だったということです」
では、売買方向はどう決めるのがいいのでしょうか。
「上がる、下がるという方向の見通しがあるなら、その方向で設定してください。ただ『しばらくは一定の範囲で動くだろう』という見方なら、方向では差がつきません。そうなると気にするべきはスワップです。同じように利益が出るなら、スワップを支払うより受け取れるほうを選んだほうがいい、という話になります」
相場の方向に見通しがあるなら、それに従う。そうでないなら、スワップを受け取れるほうを選ぶ。売買方向を決めるとき、チャートのほかにもう1つ見るところがあったわけです。
1年続けるために必要な金額は? 資金とリスクのリアルな話
設定も結果も見てもらい、分かっていなかったことも見えてきました。では、これから長く続けていくには、何に気をつければいいのでしょうか。
まずは、資金について。トラリピを注文する際、通貨ペアやレンジ、トラップ本数を決めていくと、その設定に応じた「必要な資金の目安」が表示されます。今回はオージーキウイが約22万円、ユーロポンドが約35万円で、2つ合わせて約57万円でした。

今回の運用で私が入金したのは100万円。目安に対しては余裕があるように見えます。ただ、長く続けるとなると話は変わってくるようです。
「1つの通貨ペアなら、30万円くらいで始めることはできます。ただ、1年2年続けようとすると、30万円では足りなくなってきます。設定にもよりますが、数年単位の運用では『1通貨ペアあたり100万円程度』を意識すべきと考えています」
始められる金額と、続けられる金額は違う。2つの通貨ペアを1年続けるなら、100万円では心もとないということになります。
「リスクのひとつが、相場がレンジから外れてしまうことです。外れてもレンジを広げるなどの対応はできますが、それを続けると1つの通貨ペアに大きなお金が必要になることがあります。資金のコントロールを誤ると、最悪の場合はロスカットになります」
ロスカットとは、含み損が膨らんで口座の余力がなくなったとき、保有しているポジションが強制的に決済される仕組みです。トラリピFX/CFD口座では、含み損を含めた口座の残高が必要な証拠金を下回った時点で発動します。決済された時点で、含み損はそのまま損失として確定します。※
※ロスカットの水準に近づくとアラートメールが届く仕組みになっています。
トラリピを続けていくうえで、運用の状況はどのくらいの頻度で確認すればいいのでしょうか。
「お客様には、無理のない頻度で、月に1回くらいは確認してみましょう、とお伝えしています。そのうえで、たとえばスワップの環境が変わったタイミングで、このまま続けていいのかを判断していただく。トラリピ向き通貨ペアは4つあるので、1つをお休みして、ほかの通貨ペアに目を向けることもできます」
毎日相場を追いかける必要はないけれど、設定したあとも見るところはある。月に1回は確認して、必要なら見直す。長く続けるなら、この習慣が必要になりそうです。

コツコツ積み重ねる。トラリピの楽しみ方
最後に、これから始める人へのアドバイスを聞きました。
「トラリピが目指しているのは、小さな積み重ねを長く続けること。上がるのを待っているだけでもないし、相場を当てて儲けるという考え方とも違います。この考え方に合うかどうかが重要なので、興味があるなら、まずはかんたん注文で始めながら、自分に合うかを判断していただくのがいいと思います」
小さな積み重ねをコツコツ続ける。この1カ月は、まさにそういう時間でした。
確定した利益は5,099円。決して大きな額ではありませんが、相場のニュースを追うこともなく、値動きが気になって眠れない夜もありませんでした。やったことは、ときどきトレード画面を開いて数字を眺めただけです。
しかも、画面で増えていくのは金額だけではありません。取引がなかった日も、JALのマイルは毎日たまっていきました。今回は1カ月で307マイル。調べてみると、JALグループの国内線なら片道4,500マイルから特典航空券に交換できるようです。次はそこを目標に、運用を続けてみようと思います。
▶ 前編はこちら:【実録】積立NISAしか知らない編集部員が、JALのマイルもたまるFX自動売買「トラリピ」を始めてみた(前編)
※本記事は、筆者が実際にトラリピの口座を開設し運用した記録です。掲載している損益・マイル数は特定の期間・設定における実績であり、将来の運用成果を示すものではありません。外国為替証拠金取引(FX)は、相場の変動等により損失が生じる場合があります。サービス内容・数値は執筆時点のもので、最新情報は公式サイトをご確認ください。
※トラリピは、取引の利益を保証するものではありません。 仕掛け方によっては多額の資金が必要となったり、設定したレンジ内であっても、損失を被ることがあります。
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店頭外国為替証拠金取引に必要な証拠金額は、個人のお客様の場合、取引総代金の4%以上です。法人のお客様の場合、取引総代金に、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの証拠金率(為替リスク想定比率)を基に当社が算出した証拠金率を乗じた金額となります。為替リスク想定比率は、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。なお、証拠金率(為替リスク想定比率)は変動いたします。店頭CFD取引に必要な証拠金額は、取引総代金の10%です。
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