増配を続ける企業に共通するポイントとは?年収300万円からFIREに至った投資家がいま注目する“DOE銘柄”

年収300万円から年間配当800万円超を達成した個人投資家のRicky氏は、「重要なのは増配銘柄を保有すること」だと話す。企業が今後も配当を増やしていくかを推し量るポイントと、中でもRicky氏が注目している“DOE”について、解説する。全3回中の3回目。
※本稿はRicky著『年収300万円から年配当804万円をもらう「激・増配株」投資入門』(KADOKAWA)より抜粋、再編集したものです。
目次
「今後も増配する企業」を見抜くコツ
増配銘柄を保有すること、そのこと自体が長期投資の握力を保つためにも極めて重要です。
増配に期待ができる銘柄だからこそ株価がどう動こうと売却する気は弱まるのです。では、どういう特徴を持つ銘柄が今後も増配を継続するのか探ってみます。
それには企業の「増配意志」「増配実績」「増配余力」の確認が大切です。この3要素を有する銘柄は今後も安定した増配が見込めます。
「増配実績」に関しては、読んで字のごとく実際に増配が行われてきたかどうかです。「増配余力」に関しては、配当の源泉は最終利益であるEPSや純資産のBPSがそれにあたります。この2つが増加傾向であれば増配が期待できます。
残る「増配意志」は企業がどんな配当政策を掲げているかの確認です。
★配当性向(最終利益EPSのうち何%を配当として支払うか)
・連続増配(毎期増配実績がある)
・累進配当(毎期増配か最低でも現配当水準を維持)
・DOE(株主資本の何%、配当として支払うか)
などの政策があります。
この4つの中では、配当性向以外の政策を掲げる銘柄は配当金の維持、または増配の期待値がより高いといえます。
配当性向はEPSの増減によって配当金額が大きく変わりますので、配当政策の中では一番安定性に欠けます。
逆に連続増配、累進配当、DOEを配当政策として表明している銘柄の配当金は安定しやすく増配可能性も高くなります。
企業に連続増配、累進配当、DOEなど明確な配当政策があり(意志)、すでに10年間増配傾向で(実績)、EPSもBPSも伸びている(余力)、3要素がそろった銘柄は今後も増配が期待できるといってよいでしょう。
いま注目の「DOE」とは
配当政策の中で今、私が特に期待しているのはDOE銘柄です。昨今、本当にDOE(株主資本配当率)採用銘柄が増えてきました。
DOEとは株主(自己)資本に対して○%の配当を支払いますよ、という企業の配当政策宣言です。
従来はEPSに対して、○%配当を支払うという「配当性向」を掲げる銘柄が圧倒的多数でした。仮にEPSが100円で配当性向30%なら、配当金額は30円になります。
今でも多くの企業がこの配当政策を採用しているのですが、EPSはフローであるため、毎期ばらつきが大きく配当金額が安定しません。
一方、DOEは株主資本というストックに対するものですので、ある程度受取配当金額の目途がつきます。
配当額は多少の例外はあるものの、基本的にはBPSにDOE(%)を掛けることで算出することができます。
BPSが1500円でDOE2%宣言の銘柄であれば、配当金額は30円になります。配当性向とDOE、長期的に見てどちらの受取配当総額が多いのかはわかりません。 それでも配当額が安定しやすいDOE採用銘柄のほうが、保有握力は強まりそうです。
ここでROE(自己資本利益率)とDOEの関係を説明します。仮にROEが8%、DOEが2%の銘柄があったとします。
これは、自己資本の8%にあたる額が当期利益として計上され、自己資本の2%が当期配当として支払われたということです。8%と2%の差である6%分は来期の自己資本に積み上がります。
来期は積み上がった自己資本に対してまた2%が配当として支払われるわけですから、ROEがDOEを上回っていれば増配となる可能性が高いわけです。

注意すべきは、ROEという指標が当期の自己資本に対する利益率を表した指標である点です。高利益率が一過性のものである場合は、今後の継続的な増配にはつながらないかもしれません。
ここでは「IR BANK」を使って過去のROE(%)推移を調べます。宣言したDOE(%)をどの程度上回っていたのか過去の実績を確認することが可能です。EPSやBPSに限らず各種指標をチェックする際は、それが一過性のものなのかどうか、最新のデータだけでなく過去の推移もチェックする癖をつけるようにするとよいでしょう。
BPSの増額、それは結局のところ毎期ROEーDOEがプラスであるということとイコールなわけです。
私がどうして、BPS推移が右肩上がりであることを銘柄選びの絶対条件としていますが、その理由がおわかりいただけたかと思います。
BPSが積み上がっている実績を持つ銘柄がDOEを採用しているということは、増配が見込めるということです。
DOE宣言が大幅減配を防ぐ
配当金生活を始めたこのタイミングでDOE採用銘柄が増えてきたことは、私にとって本当にありがたいことです。
景気敏感株の一部にはDOEや累進配当などの明確な配当政策を宣言せず、唐突に大幅減配や無配転落をする銘柄もあります。
私も数銘柄保有していますが、こういう銘柄をポートフォリオの主力にしてしまうと配当生活はとても成り立ちません。
やはり、ポートフォリオの核となる銘柄群はDOE、連続増配、累進配当宣言銘柄で固めていきたいです。
配当政策を銘柄選定の条件として増配期待銘柄中心に投資をすることも、株コレクター投資術の核となる「握力」を強めてくれる大事な要素です。
今、累進配当とDOEを配当政策として採用する企業が急速に増えています。今後、比較的長い景気後退局面が来た際にもDOE宣言がバリアになり、リーマンショックやコロナショックの時ほど容易には大幅減配の決断を下せないだろうと思っています。
せいぜい、業績不振で減額となったBPSの分くらいの減配にとどまってほしいものです。
ただ、配当政策宣言は企業と株主との間の口約束のようなもので、経営が圧迫されれば覆してしまう懸念がまったくないわけではありません。
特にDOE銘柄はコロナショック後に宣言を行った銘柄が多く、まだ歴史の試練を経ていないと感じます。
コロナショックでさえ下落期間は3か月ほどと、過去の経済ショックと比較しても短いものでした。
今後、長期間株価が低迷するような状況に陥った際に、企業が本当に宣言通りの配当政策を続けることができるのかは、株主としてのチェックが必要でしょう。
宣言自体も「○%前後」「○%を目標」といった曖昧な表現を用いる企業も多く、過信は禁物です。
このようにDOE配当政策は不確実要素もはらみますので、やはり分散投資を徹底してポートフォリオ全体で受取配当を増やすことを目指したいと思います。
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