高市首相の「目詰まり」発言は本当か 自動車修理業者が見た中東情勢と資材不足の実態
中東情勢の悪化に伴い資材不足が発生し、政府の対応には厳しい視線が注がれた。また、高市早苗首相は資材不足の主要因として、流通のどこかで物の流れが滞る「目詰まり」と再三にわたり口にしていたが、こうした説明に不信感を募らせる国民は少なくない。実際、資材不足の影響をダイレクトに受けていた企業は、政府の対応、高市首相の説明をどのように受け止めていたのだろうか。大阪府豊中市で自動車の修理・塗装や整備を手がける株式会社BICで代表取締役を務め、登録者16万人以上のYouTubeチャンネル「BICチャンネル(BEEFITCARS)」を運営し、日々自動車業界のリアルを発信している細田宗範氏に聞いた。(聞き手・望月悠木)
目次
「政府が本当に動いている」を実感
――資材不足への政府の対応をどう評価していますか。
正直、政治家をあまり信用していないタイプなのですが、今回は率直に評価しています。国土交通省の相談窓口に「シンナーが手に入らず困っている」とメールで伝えたところ、翌日には電話がかかってきて詳しい状況を聞かれました。
その際、仕入れ先の塗料販売店の名前を伝えると、今度は経済産業省からその販売店に連絡が入ったそうです。さらには、販売店からさらにその先の仕入れ先へと、一件ずつさかのぼって確認していく対応が行われている様子を目の当たりにしました。
また、赤沢亮正経済産業大臣が会見で対応策を話していましたが、会見で話していた通りの対応が実行されている様子を現場レベルで見ていたので、初めて「政府が本当に動いている」ということを実感しました。危機が本格化してから約2カ月で、最悪期を脱したスピード感は、過去の危機対応と比べても早かったと思います。
――当初、政府の対応に不安はありませんでしたか。
正直、最初はどうなるだろうと様子見していました。ただ、経済を重視する姿勢を示していた政権だったので、コロナ禍のように「ガソリンの給油制限や自粛を呼びかけるような対応はしないだろう」と予想していました。
また、海外からの仕入れルートの確保など、できることを着実に進めていった印象です。「閣僚が現場のスタッフとともに寝る間も惜しんで動いていた」という話を耳にはしていたのですが、実際に危機を伝えた後の対応の速さを考えると、あながち大げさな話ではなかったのかなと思います。