マンション価格の下落、どこまで進む? 専門家「年1割下落が5年続けば、結果として半分に」
日本銀行が利上げを進める姿勢を見せているが、マンション投資に関わる人はこの動きに戦々恐々としているのではないか。とりわけ、自宅として住み替えながら差益も狙う、いわゆる「半住半投」は気が気ではないはずだ。半住半投をはじめ、金利上昇により深刻な影響を受けるのはどういう人たちなのか、住宅ジャーナリストの榊淳司氏に聞いた。全4回の第2回。(聞き手・望月悠木)
みんかぶプレミアム連載「マンション・住まいで稼ぐーーシン富裕層への黄金ルート」
「半住半投」で成功しているのは全体の1割未満
――マンション投資と言えば、住み替えながら利益も出す「半住半投」の存在を思い浮かべる人も多そうですが。
半住半投でうまくいっている人なんて、ほとんどいません。湾岸エリアのタワーマンションを購入し、大きな値上がり益を得た一部の人たちがSNSを中心に話題に上がっています。とはいえ、世田谷などで住宅を買うような人は、ずっと住み続けるつもりで買っているため、そもそも値上がり益など考えていません。「たまたま湾岸や都心で1億円ほどで買った物件が1億5000万円で売れた」という一部の人だけが目立っているにすぎません。
そもそも、半住半投は2013年から2024年ごろまでの間、価格が上がり続けたからこそ可能だっただけです。現状は値下がりが予想されており、すでに終わったスタイルと言っていい。これから始めようとすると大やけどをします。
――すでに「半住半投」を実行中の人はどうなるのでしょうか。
厳しい状況に置かれている人が出てくると思います。例えば、今住んでいるマンションが1億円で売れる見込みで、次の物件として1億5000万~2億円クラスを契約し、手付金を数千万円入れているようなケースです。
もし今の家が思ったほどの価格で売れなければ、残りの資金を新たに借り入れなければならない。しかし、住宅ローンは基本的に二重には組めません。「賃貸に回す」という選択肢もありますが、その場合には住宅ローンをアパートローンに切り替える必要があり、金利が1.5%程度から一気に3.5から5%近くまで跳ね上がってしまう。すでに次の物件を申し込んでいる人には、厳しい未来が待っていると思います。
――他にはどういった人が窮地を迎えそうですか。
夫婦それぞれの収入を合算する「ペアローン」で無理をして買っているケースも心配です。共働きの「パワーカップル」がペアローンを組み、返済期間50年という長期ローンで無理に手を伸ばして購入するケースも増えています。こうした無理をして買った人たちは、将来売却しようとしても残債のほうが多く残ってしまう、いわば「売っても借金だけが残る」という事態に陥りかねません。楽観的な将来の値上がりを前提にした資金計画は、これから一段とリスクが高くなると見ています。