住宅ローン「変動金利」を選んだ人が今やるべきこと 金利上昇局面で「繰り上げ返済」は有効か
すでに変動金利で住宅ローンを組み、金利上昇に不安を抱えている人は少なくないだろう。繰り上げ返済や売却、固定金利への借り換えなど、今からできる選択肢はあるのか。住宅ジャーナリストの榊淳司氏に話を聞いた。全4回の第4回。(聞き手・望月悠木)
みんかぶプレミアム連載「マンション・住まいで稼ぐーーシン富裕層への黄金ルート」
「値上がりを期待する」はやめるべき
――すでに変動金利で購入してしまった人は、どのように受け止めれば良いですか。
我慢するしかありません。うまい逃げ方はないです。ただ、日本の住宅ローンには救済のルールがあります。多くの銀行で、5年間は月々の返済額が変わらない「5年ルール」と、見直し後も返済額の上昇を従来の1.25倍までに抑える「125%ルール」が採用されています。仮に月10万円払っていた人なら、返済額は最大でも12万5000円に抑えられる、という仕組みです。こうした制度を使いながら、返済期間を耐え抜くしかありません。
――繰り上げ返済という選択肢はどうですか。
余裕がある人はどんどんやったほうが良いです。金利が上がれば上がるほど、繰り上げ返済の効果は大きくなります。かつてのように「0.数%という超低金利で借りていた時期は、無理に繰り上げ返済をしなくても良い」という考え方も成り立ちました。しかし、今は金利が2%台に乗ってきています。それなら、手元に余裕資金があるなら早めに返したほうが合理的です。
――「売却」を検討する人もいそうですが、どのようなタイミングが良いですか。
これはケースバイケースです。例えば、10年ほど前に都心の物件を買った人は、現在は価格がおよそ2倍になっているケースも多く、売っても手元にお金が残ります。いつか売却するつもりなら、これ以上の値下がりを待たずに早めに動いたほうが良いでしょう。
一方、この3~4年で買った人が最も苦しい立場にあります。値上がり分をうまく確保して売却できるかどうか、ギリギリの水準にいる人が多いからです。ただ、自分や家族が実際に住んでいる物件であれば、話は別です。売ってしまえば次の住まいを探さなければならず、そもそも今は賃貸相場も上がっています。無理に売却する必要はなく、「そこにじっと住み続ける」という選択も十分に合理的です。