年間約876万円の配当・分配金を見込んでも、仕事は辞めない サイドFIRE投資家が選んだ「グラデーションFIRE」

資産はいくらになれば十分なのか。配当が増えたら、仕事をやめてもよいのか。年間約876万円の配当・分配金を見込む配当ウサギさんは、仕事を減らしながら、資産を生活にも使い始めている。最終回では、サイドFIREへ踏み切った経緯と、生活費・再投資・今後の収入の考え方を聞く。本が苦手な本人が続けてきた、学びの習慣も紹介する。全4回の最終回。
みんかぶマガジン特集「決算シーズンに考える、株と資産形成の最適解」
会社へ行くのもつらい。FIREした人に会って変わった働き方
働き方を変える前は、仕事がしんどく、社員のいる会社を経営していましたが、会社へ行くことさえつらくなっていました。それでも投資は好きだったので、FIREした人がどんなふうに暮らしているのか知りたくなり、実際に会って話を聞く機会をつくったんです。
話を聞くと、自分もそうしたいという気持ちが一気に強くなり、背中を押されたように感じました。それからおよそ7カ月後に会社の規模を縮め、投資で受け取るお金を生活に使いながら、少しずつ仕事を減らす方向へ進みました。今は週2〜3日程度働きながら暮らしていて、以前より自分の時間を持てるようになっています。
資産を増やすだけではない。配当・分配金を使い始めた理由
今は、配当や分配金を生活費にも使うようになり、資産を増やすことだけを考えていた時期から、活用する時期へ半分くらい足を踏み入れたと感じています。受け取ったお金をすべて再投資するのではなく、自由な時間を持つためにも使いたいと思うようになりました。
ただ、今の受取額で十分だとは考えていないので、まだ半分ほどは再投資しています。使う方へ完全に切り替えたわけではなく、これからの暮らしも考えながら、使うことと増やすことの両方を続けているところです。
そのうえで大事にしているのは、まず生活を支えられること、そして一つの収入源に何かあっても困らないことです。いくら受け取れれば満足かも、自分が毎月いくら使うのかを考えなければ決められません。
生活費は月20〜25万円。それでも一つの収入源に頼らない理由
私が生活に必要だと考えているのは、月20万〜25万円くらいです。ただ、一つの運用だけでその金額に届けば安心できるとは思っていません。
たとえば海外ETFだけで月20万円、投資信託からも月20万円というように、それぞれで暮らしを支えられる状態を目指しています。NISAで運用している資産も、いずれは取り崩して使うつもりなので、それも含めて複数の柱を持っておきたいんです。
今の運用にはリスクがあり、受け取るお金が大きく減る可能性もあります。私は怖がりなので、一つが崩れたら一気に生活が厳しくなる状態は避けたくて、一つか二つが崩れても暮らしていけるように、最終的にはこうした柱を5〜6本つくりたいと思っています。