想像していた景色とはかなり違う・・・国際協力師が見たアフリカの実像!首都の生活は準先進国並み
新興国への分散投資先として、アフリカの名が挙がるようになった。人口は増え続け、中間層も広がり、6%台の成長を続ける国も出てきている。
ただ、その数字が何に支えられ、どこまで行き渡っているのかを説明できる投資家は少ない。54の国は産業構造も制度も歴史も異なるにもかかわらず、日本では長く、アフリカという一語でまとめて語られてきた。
アフリカを私たちはどう分析したら良いのか、経済の発展やその阻害要因はどこにあるのか。投資家が知っておくべきアフリカ経済の実像を、東アフリカを中心に10年以上にわたり現地取材を続けてきた、フリーランス国際協力師の原貫太氏に聞いた。連載全3回の第1回。
地図で見るより大きい
私はフリーランスの国際協力師として、東アフリカを中心に、10年以上アフリカへ通い続けています。活動の拠点はウガンダで、隣国のケニアなどにも足を運んできました。現地で見聞きしたことをYouTubeなどで発信し、実際に足を運びたいという方を案内するツアーも実施してきました。
日本で流れるアフリカの話題は、支援を呼びかける映像や紛争のニュースに偏りがちです。私自身、現地に通い始める前に持っていた情報も、その範囲を出るものではありませんでした。
ところが実際に足を運ぶと、想像していた景色とはかなり違うものが目の前に広がります。
渋滞する車の列、建設中の高層ビル、路上で当たり前のようにスマートフォンを操作する若者。募金を呼びかける映像で見てきたものとは、まるで別の場所に見えます。
その一方で、同じ国のなかを車で数時間走れば、電気も水道も通っていない集落に行き当たります。
どちらか一方だけを取り出して語ることはできません。この落差こそ、投資という視点でこの大陸を眺めるうえでも、最初に押さえておくべきことだと考えています。
アフリカについて、日本の多くの方が誤解しているのは「大きさ」です。「アフリカが大きいのは知っている」という反応が返ってきそうですが、その想像よりも遥かに大きいのです。
アフリカ全体の面積は日本の約80倍、そこに54の国が並んでいます。端から端まで移動すれば、飛行機で10時間近くかかります。東京からヨーロッパへ飛ぶのと変わりません。
学校で使われてきた地図の多くはメルカトル図法です。この描き方だと赤道から南北に離れるほど面積は実際より大きく表示され、赤道付近では小さくなります。たとえば北極圏のグリーンランドは、地図の上ではアフリカ大陸と同じくらいの面積に見えます。
ところが実際のアフリカは、グリーンランドのおよそ14倍の広さがあります。赤道をまたぐアフリカは、地図の上では最も小さく縮んで見える場所というわけです。
アメリカも中国もインドも、まとめて入ってしまう広さに、まだ余白が残る。そう聞くと、この大陸の大きさが少し具体的になるはずです。
そして、一口に「アフリカ」と言っても、文化的な側面も一様ではありません。地中海に面した北部にはアラビア語を話すイスラム圏の国々が並び、サハラ砂漠を越えた南側にはキリスト教や土着の信仰が根づく地域が広がります。旧イギリス領、旧フランス領、旧ポルトガル領、旧ベルギー領と、どこに統治されたかによって言語も行政や教育の仕組みも異なります。
大陸南端の南アフリカのように早くから鉱業と工業で栄えた国があり、西アフリカのナイジェリアのように石油で潤う国があり、内陸で農業を続けてきた国がある。これだけの広さと違いを、私たちは「アフリカ」という一語で扱ってきました。そして一語で語られている限り、その内側で何が起きていても、外からは見えないままになります。