塾に通えば本当に成績は伸びる? 個別指導塾のプロが教える「とりあえずサピ」が危険なワケ
中学受験のスタートラインは、塾の入塾テストだ。多くの塾では小学3年生の秋から冬にかけて実施され、その結果によって成績別クラスのどこに配属されるかが決まる。
「入塾テストでつまずいて、下のクラスになると6年生になっても上に上がれない」──保護者の間では、そんな噂が絶えず飛び交っている。まだ小学3年生の我が子を前に、どこまで準備をさせるべきか思い悩む親は少なくない。
そもそも入塾テストとは、何を測るための試験なのか。
「入塾テストは、優秀な子を選び抜くための試験ではありません」と語るのは、個別指導塾Growyの濱野拓哉氏。この連載では、入塾テストから入塾後の家庭のあり方まで紹介する。今回は連載全3回の最終回。
塾選びの危うさ
塾選びの際に一番危ういのが「合格実績が良いからとりあえずサピックス」という選び方です。
多くの親御さんは、大手塾の合格実績の広告を見て、なんとなく信頼しているのだと思います。ですが、その塾に通ったからといって成績が伸びるわけではありません。周りの子も同じように勉強している世界ですから、通わせただけで勝手にクラスや偏差値が上がっていく、なんてことはないのです。
四大塾のようなところは求められるハードルが年々上がっていて、実質的に難関校向けの塾になってきています。よく調べないまま入ってしまうと、内容についていけずに苦しむことになりかねません。無理をして入った結果が、後々きつすぎることになる。そういうケースは本当によく見ます。
では、何を見て決めればいいのか。
まず、体験授業は絶対に受けてください。校舎の雰囲気は講師の影響を色濃く受けますから、同じ塾でも校舎が違えば、まるで別物ということが普通にあります。塾の教材があるにもかかわらず、先生が自分で作ったプリントで授業をしている。そういうことも珍しくありません。
講師がどういう性格で、この人の授業を受けたいと思えるかどうか。ここは本当にモチベーションに直結します。この先生の授業を受けたいからクラスを上げたい、という子もいるほどです。
もう一つ、意外と知られていないのが、通塾日数と拘束時間が塾によってまるで違うということです。たとえば早稲田アカデミーであれば、通塾日数が多く、夏期講習の期間も長く、拘束時間も長い。それに耐えられる子でなければ、ぼんやりして終わってしまいます。このあたりは、志望する塾に通われていた保護者の方に、話を聞いてみるのも有効かと思います。
見落とされがちなのが、自宅から校舎までの距離です。目安としては30分から45分が限度でしょう。片道1時間を超える場所まで通うのは、その塾に通う意義をしっかりと見出せていて、かつ体力がある子でないと厳しいかと思います。
週の半分ほどは通塾することになりますし、6年生になれば授業が終わるのは夜の8時半から9時前。そこから1時間かかると、帰宅は9時半を回ってしまいます。お風呂とご飯を済ませて就寝する頃には11時近くになってしまう。入塾前に、6年生の時間割を見てリアルにイメージしておくことをおすすめします。