なんだこの部屋は…!? お金なくてもOK「1年目から黒字を確保」する”人生逆転”アパート経営の極意

 安定的な収入が得られるとして人気を集める不動産投資。そんな中で、単なる不動産ではなく「コンセプト不動産」への投資を勧めるのが、不動産投資サポート会社社長の阿部大輔さんだ。阿部さんが「精神的、経済的満足が得られる」と太鼓判を押すコンセプト不動産投資とは、一体どのような投資なのか――。全3回中の1回目。

※本稿は『サラリーマンはコンセプト不動産に投資しなさい』(かんき出版)の一部を抜粋・再編集したものです。

第2回:相場より高い家賃でも入居者が絶えないアパートの秘密…安定したインカムゲインを狙う「コンセプト不動産」
第3回:サラリーマンは400万円でアパートを買いなさい…ポイントは「偏った部屋」の設計

 「コンセプト不動産」とは何か

 いきなりですが、みなさんに、質問です。

 「世界に一つだけのアパートのオーナーになるとしたら、どんな部屋をつくりたいですか?」

 あなた自身の趣味を反映したり、学生のときや独身のときを思い返して「こんな部屋ならいいな」とか、トレンドやニーズを反映したものなど、想像が膨らむのではないでしょうか?

 たとえば、こんな部屋ならどうでしょう?

  • 「愛する猫ちゃんと一緒に暮らせる部屋」 
  • 「ファッションモデルみたいな、クローゼットがある部屋」
  • 「アートに囲まれる、刺激的な部屋」
  • 「北欧テイストの、リラックスできる部屋」
  • 「料理を思う存分楽しめる、広いキッチンのある部屋」

 これらは、私たちがオーナーさんと共につくった「コンセプト不動産」の一例です。「コンセプト不動産」とは、きちんとしたコンセプトがあってつくられるアパートのこと。アパートに個性を持たせることで、限られた入居者にファンになってもらえるアパートです。入居者こそ限られますが、その入居率は99・6%を誇ります。内装工事の期間を含めて、平均1カ月も空くことがありません。

 私がお伝えしたいのは、不動産投資が、みなさんそれぞれが自分らしく生きるためのツールになってほしいということ。そして、私たちが2016年11月からサービスを開始した「コンセプト不動産」というアパート経営手法こそ、その良きツールとなる可能性があるのです。

「何この部屋?」と思わせる部屋こそ勝機アリ

 あなたがお部屋探しをしていると想像してみてください。インターネットで検索したり、不動産会社の案内を受けて、内見といった流れになるのが一般的です。そのとき、部屋に入った瞬間、感覚的に「ここはいい!/全然だめ!」と、理由は説明できなくても一瞬にして良い悪いが判断できるのではないでしょうか? 

 人の第一印象と同様、部屋選びも1秒から数秒で決まるもので、そのあとにいろいろ理由づけや妥協が加わるというのが、人間の心理です。当社はあらゆる賃貸会社さんとお取引し、入居者をご紹介いただいていますが、各社営業担当の方へヒアリングすると、入居が決まらない物件は総じて特徴がないもの、覚えづらいものだとおっしゃいます。だからこそ、数多ある物件の中に埋もれない特徴を持たせることが大切だと気づかせてもらいました。

 さらに興味深い意見として、「〇〇だけど、でも〇〇だから」の “でも” に魅力のある物件は選ばれやすくなるのだといいます。たとえば、下記のような例が挙げられます。

  • (間取りは狭いけど、でも駅から超近い)
  • (駅から遠いけど、でも海が近くて気持ちいい)
  • (家賃は高いけど、でも好きなようにカスタマイズできる)

 「でも〇〇」の〇〇を意識して、賃貸営業担当の方に、第一印象は『何これ?』と思われても、コンセプトを聞くと『なるほど!』、と覚えてもらえる “推しのポイント” のある物件をつくれるかどうかが重要だとわかり、これこそが空室を生まないカギだと知ったわけです。

 物件に「個性」さえあれば、たとえ駅近でなくても、家賃が多少高くても部屋は入居者で埋まります。さらに個性的であるからこそ愛着を持って選んでいただけて、長く住んでもらえる可能性も高まります。

 たとえば「わかりやすくて、推しポイントのある物件」として、当社が手掛けたのが、本好きのための「マイライブラリープラン」です。愛書家のために図書館や書店をイメージし、本を “収納” できる部屋ではなく、本そのものが “インテリア” になるように開発しました。2022年8月現在、ホームページで掲載しているプランは、19ほどあります。

 開発当初はなかなか入居者が決まらず苦労しました。物件を紹介してくださる賃貸営業の方の想像を超えていたので、どう案内していいかわかりづらかったのです。しかしいまでは、むしろ「家賃や間取り」以外の魅力があって、他の部屋との差別化がしやすいので、賃貸営業の方々に、趣味や嗜好の雑談をきっかけに、当社の物件を優先的にご案内していただいています。

 いまも昔も大半の入居者の方が、「狭いし、古いし、会社から遠いけど、家賃が安いからいいか……」というように、部屋探しは妥協の連続の上で選んでいるように思います。そうした妥協がなく、即決してもらえるほどの魅力をつくるのが「コンセプト不動産」であり、投資・運営していく醍醐味です。

 当社の例ではないですが、強烈な個性を持った賃貸ビルのお話をご紹介しましょう。老朽化によって2022年に残念ながら解体となりましたが、1972年、東京・銀座に建築家・黒川紀章氏が設計した「中銀カプセルタワービル」。ビジネスマンのための「都市のセカンドルーム」をコンセプトにした世界初の実用化カプセル型集合住宅でした。

 各部屋は10㎡と極狭。キッチンスペースもなく、お風呂もトイレも極狭。にもかかわらず、熱狂的ともいえる入居者を集め続けてきたといいます。食事もお風呂も洗濯も外で行えばいいと割り切って、都市生活に特化した点からも、コンセプトづくりの参考になるはずです。

 ビルが解体されてなお、カプセル部屋を保存する運動や、有志が3Dでデジタル保存する活動があるなど、世界中からファンが集まっているといいます。

一年目から黒字確保

 当社のアパートのスペックや相場をお伝えすると、6〜9世帯の入る3階建て、8世帯入る2階建てが主になります。当社の物件価格の相場は平均8000万円。この価格は「家賃×12カ月÷利回り」の計算式によって算出されます。目安として「9世帯で1部屋の家賃を5万円、利回りが6.5%」の物件の場合、物件価格は約8300万円です。物件価格を上げるためにいかに高い家賃が取れる物件かどうかが重要になることもおわかりいただけるでしょう。

 当社のある物件(物件価格9160万円)のシミュレーションを見てみると、1年目から年間18万円の黒字、2年目以降は130万円のキャッシュフロー(手取り収入)が続いています。一般的に、区分マンションや戸建て投資では1年目には経費がかさむため、赤字になることもしばしば。2年目から黒字が出ることが、アパート投資の特徴です。

 当社はアパートに特化した不動産投資事業を行い、これまでに250棟以上の投資物件に関わってきました。物件のコンセプトだけでなく、デザインや立地にもこだわることで250棟のうち、たった1棟しか家賃が下がっていません。

 高い家賃を維持しやすいという特徴によって、医療費や教育費などで急な入り用になった際にもアパートを売却し、まとまったお金を用意しやすい利点があります。中には空室を埋めるために家賃を下げるケースもよく見られますが、安易に家賃を下げてしまうと、毎月・毎年の収入が下がるだけでなく、売却額に大きな影響を与えるため、よく吟味して手を打たなければなりません。

 物件の利回りは売りたい時期の金融やエリアの相場に影響されますが、家賃収入や家賃価格はオーナーの工夫と努力次第でどうにかできる余地があります。コンセプトを持ったアパートはまだ世の中に少ないので希少価値がありますし、一度〝ハマった〞入居者の方には長く住み続けてもらえるメリットもあります。なので、古くなったから家賃を下げるという家賃のチキンレースに巻き込まれるリスクも少ないのです。

『サラリーマンはコンセプト不動産に投資しなさい』(かんき出版)
この記事の著者
阿部大輔

1980年生まれ福岡県出身。2008年に株式会社愛和地所(現、株式会社愛和)に入社、2021年、代表取締役社長に就任。学校法人愛和学園の常務理事、愛和外語学院の学院長も務める。2002~2008年まで引きこもりだったが、株式会社愛和地所に入所後、マーケティングを独学で学び、3年で年商を2倍、5年で年商を3倍に伸ばす。一人でも多くの「あなたらしい人生に、喜びと価値を届けること」をミッションに活動している。

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