竹中平蔵「統一教会2世以外にも辛い人は日本にいる」マスコミの教団リンチと”報道しない自由”、宗教差別に警鐘

マスコミが報じない、マスコミ各社に送られた質問状

 先日、旧統一教会の関連NGO団体、「国連NGO UPF-Japan」が各主要メディアに対して公開質問状を送りました。その内容は以下のとおりです。

 安倍晋三元首相が凶弾に倒れてから2カ月以上が経過しました。事件直後から容疑者の犯行動機が世界平和統一家庭連合(略称・家庭連合=旧統一教会)への怨恨と報道されたことで、今や日本中が連日、家庭連合とその友好団体(関連団体)に関わった政治家をあぶり出し、追及するという、文字通り「魔女狩り」の様相を呈しています。

 私たちは、こうした「空気」を醸成している原因と責任の大部分がメディア報道によるものと考えています。連日、テレビ、新聞、雑誌等で繰り返される報道の多くが、政治家と家庭連合およびUPF-Japan(弊団体)をはじめとする友好団体との関わりについて「ある」か「ない」かの結論のみに終始し、あれば根拠なくバッシングするという状況を繰り返しています。

 本来、民主主義社会におけるメディアの役割は、社会や公共に関する事象について、公正中立の立場から多角的な視点と合意形成に資する情報を提供することであり、それこそが「公器」といわれるゆえんです。

 しかるに、昨今の報道をみると、家庭連合および友好団体を批判しない者はシンパだとみなすような同調圧力を生み出すほどにエスカレートしています。「教団(家庭連合)は反社会的団体であり、その友好団体の活動に関わることは公にお墨付きを与えることになり、新たな被害者を生み出すことになる」といった一部の学者、弁護士、コメンテーターの意見を鵜呑みにして、友好団体の活動を少しでも関わった政治家や自治体に対し、一方的な批判とともに関係断絶を迫ることは、メディア本来の使命を放棄し、事実と意見を混同した極めて危険な兆候と言わざるをえません。

 幣団体としてはここに、現在の報道の在り方に強い疑念を呈するとともに、上記の視点で延々と取材と報道を繰り返すメディア・報道機関に対し、下記の点について質問します。

(中略)

① 家庭連合は「反社会的団体(反社会的勢力)」に当てはまると考えますか。

② 家庭連合の友好団体(いわゆる関連団体)は「反社会的団体(反社会的勢力)」に当てはまると考えますか。

③ ①②で「そう考える」とされる場合、「反社会的団体・勢力」の定義を明確に示してください。特に、法令上の定義があるというのであれば明示されたい。

④ ①②で「反社会的団体ではない」「わからない」または「答える立場にない」とされる場合、政治家や自治体などが幣団体をはじめとする友好団体のイベントや活動に参加すること(あいさつ、祝辞を送るなどを含め)のどこを問題視しておられるのかお答えください。

 さて、私は旧統一教会について見解を述べると必ず叩かれるのですが、敢えていいます。私自身、旧統一教会の問題について、当局はしっかりと追及してほしいとおもっているのですが、一方でマスコミは今の対応を続けていれば、必ず、後ほど大きな問題となるのではないでしょうか。

組織的犯罪を認められていない教団を「なぜリンチする」

 というのも、まずマスコミや政府が旧統一教会は悪いものだ、「反社会的勢力」であると決めてかかっています。現状として、二世らが、家族が教団に多額献金したことで様々な不利益が生じたことなどが報じられていますが、いずれも警察や検察といった捜査機関によって教団の役職員の個別の立件、処罰はなされていますが、組織的犯罪とは認められていません。

 日本には、フランスの反セクト法のような枠組みもありません。それでも、メディアによる教団へのリンチは止みません。立件されてもいない団体に対してエビデンスもなく犯人視報道を続けています。マスコミは「教団が山谷えり子元国家公安委員長に働きかけていた」ことや、「公安調査庁の報告書で『特異集団』と記載されていたのが安倍政権下で項目がなくなった」といった、点と点を勝手に結び付け、ストーリーを作り上げています。これは報道がやることなのか、と愕然としています。これでは法の支配がなくなってしまいます。マスコミはこれまで、一方的な犯人視したことで報道被害者を生んでしまったことを忘れているのでしょうか。

 警察が事件化できていないのは「上層部から止められているのでは」という疑問が出ているようですが、そうだとしたらその証拠をあげるべきですし、それが事実なら糾弾されるべきです。しかし、そんな証拠は今のところ示されていません。「警察は何をやっていたのだ」という議論は必要かもしれませんが、電報を送ったとか、議員のポスターを張ったとか、そういうことを批判するのはまさに「魔女狩り」でしかありません。

日本で辛い思いをしているのは宗教2世だけじゃない

 一部の宗教2世が辛い思いしているのもわかります。しかし世の中にはDVを受けている人や災害で家を失った人など、ほかにも辛い思いをしている人はいます。そういう人たちを救うために生活保護などの仕組みがあるはずです。もしそういった弱者救出の仕組みが機能していないのであれば、その問題についてメディアは報じるべきでしょう。

 そして政府も旧統一教会と縁を切ろうとしているのに驚愕しています。与党自民党では、茂木敏充幹事長が旧統一教会と付き合った人は「今後公認しない」とまで言っています。これは端的に政府が宗教団体を選別していることになります。「立件されていない宗教団体」という意味では他の団体にも同様の問題があると推察されます。

 政治のトップは日本の法律下における旧統一教会の合法性には触れず、みんなに何かを言われたら「ごめんなさい」「一生懸命やります」とだけを言っています。世論はたしかに大事ですが、世論のいう通りにするだけが政治ではありません。世論はブレます。世論に対して「自分はこう思うから支持してほしい」と働きかけるのが政治ではないでしょうか。

真っ当な質問状を無視するマスコミの「報道しない自由」

 そんな中で記事冒頭の公開質問状が出ました。すごくまともな質問状なのですが、この公開質問状についてマスメディアはほとんど報じていません。これは大変問題なのではないでしょうか。

 朝日新聞は社会的に大きな議論になっていることや、自民党が関係を断つように求めたことを根拠に取材しているとしていますが、質問には直接答えていません。週刊新潮は誌面で言及するだけで回答は避けました。他のメディアに関しては私の知る限り何のアクションもしていません。

 UPF-Japanは国連経済社会理事会の総合協議資格を有する、世界150カ国に支部を持つ団体です。報道機関にはこの公開質問状にちゃんと答えてほしいですし、そもそも、こういった質問状が送られたということを報道してほしいと考えます。私は旧統一教会の肩を持つつもりはありません。その実態追及は当局がしっかりやってもらいたいと思っています。しかし今の日本が「法の支配」を踏みはずしていることを懸念します。

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