「ストップ安の弱気予想株にこそ、絶好のチャンスあり」資産10億円のベテラン投資家が注目する“防衛特需銘柄”の実態

本稿で紹介している個別銘柄:神戸物産(3038)、トライアル(141A)、大黒天物産(2791)、ブックオフ(9278)、ゲオ(2681)、内海造船(7018)
物価高、金利上昇、景気悪化懸念。2026年下半期の投資環境は、個人投資家にとって決して簡単なものではない。
一見すると、こうした局面では「現金を多めに持つ」「債券で守る」「ディフェンシブ株に逃げる」といった選択が正解に見える。ところが、実際の相場ではその“セオリー”が必ずしも機能していない。
加えて、金利上昇によって長期債を保有する投資家が含み損を抱えるなど、「安全資産」と思われていたものにもリスクが浮かび上がっている。
では、物価高と景気悪化が同時に意識される局面で、個人投資家は何を見て、どのように勝ち残ればよいのか。資産10億円超のベテラン投資家・DAIBOUCHOU氏に、2026年下半期の相場観と具体的な投資戦略を伺った。
みんかぶプレミアム「物価高?景気悪化?それでも勝ち残る投資術」第5回。
目次
「不景気ならディフェンシブ株」はもう古い
ーー景気悪化が懸念されるなかで、半導体やAI関連が急騰しました。「不景気にはハイテクが売られ、ディフェンシブ株が買われる」というセオリーとは真逆の動きですが、どう見ていますか。
2026年上半期のAI・半導体関連の上昇は、日本のものづくりが世界から再評価された結果だと捉えています。その背景にあるのは、日本企業が持つ先端素材や部品、化学薬品への根強い需要です。
例えば、極めて薄い銅箔や特殊な基板材料、最先端の化学薬品といった領域は、GPU(画像処理半導体)の製造になくてはならない存在です。
以前であれば「中国製の安価なもので十分」とされていた部品であっても、AIの進化に伴って高性能化が急速に進んだ現在では、高品質かつ高技術な日本の製品でなければ到底対応できない状態になっています。
表面的なブームが起きているだけではありません。日本の先端技術がないと競合製品が作れないほどのボトルネックになっているからこそ、関連銘柄が買われているのです。
本来なら景気動向に左右されやすいはずのセクターが、それを跳ね返すほどの構造的な成長余地を評価されているわけです。
神戸物産もトライアルも苦戦…“手堅い株”が負けるワケ
ーー本来なら物価高や不景気の局面こそ、生活必需品などのディフェンシブ株が手堅い逃避先として買われるはずですが、なぜ苦戦しているのでしょう。
従来なら生活必需品関連が買われるのが定石でした。しかし現在、神戸物産(3038)やトライアル(141A)、大黒天物産(2791)といった生活防衛型に分類される企業群が相次いで苦戦を強いられています。
理由の一つは、価格重視の商品を主力としているため、急激な原価上昇分を消費者に価格転嫁しにくい点にあります。無理に値上げを行えば、価格に敏感な顧客が離れてしまうリスクを常に抱えているわけです。
トライアルについても、西友の買収劇や新モデル店舗への期待から大きく買われた時期がありましたが、直近ではライバル企業のキャッチアップもあり、期待先行の反動が出てしまっています。
いまの市場は、不景気時にディフェンシブ株を買えば安心、でも通用するほど単純ではありません。むしろ、セオリー通りにリスクから逃げようとすると、逆に負けてしまう相場になっています。