学歴・英語力・難関資格なしで地方からJTCへ転職した男が明かす「本当に取るべき資格、取らなくていい資格」の見極め方
大企業へ転職したい。年収も上げたい。そう考えたとき、「英語もない」「難関資格もない」「学歴も強くない」と不安になる人は少なくない。
Xでキャリアについて発信し、約1.5万人のフォロワーを持つにゃんすけさんも、大学卒業後に社会保険労務士を目指したものの、当時は試験に届かなかった。それでも地方の小規模な会社で人事・労務の実務を積み、大企業への転職を実現している。ただし、資格をまったく使わなかったわけでもない。にゃんすけさんが重視したのは、「難しい資格を一つ取ること」ではなく、自分の実務と資格をどうつなげるかだった。
第3回では、転職前に資格取得で遠回りしないための考え方と、資格を「経歴の補強材」として使う方法を聞いた。
みんかぶプレミアム連載「年収を変える転職術」
難関資格がなくても、大企業へ転職できた理由
第1回でも触れましたが、私は大学4年生のころに社会保険労務士を目指し、卒業後もしばらく勉強していました。ただ、資格取得にはあと少し届かず、そのまま地元の社会保険労務士事務所に就職しました。そこで約6年間、人事・労務の実務を積んでいます。
その後の転職を通じて、私は「難関資格がなければ大企業へ行けない」とは思わなくなりました。中途採用で見られるのは資格名だけではありません。これまでどんな仕事を経験し、入社後に何を任せられるのかも評価の対象になるからです。
もちろん、資格が必須条件になっている求人もあります。ただ、「資格がないからまだ応募できない」と自分で決めつける前に、まず求人票を確認してほしいと思います。本当にその資格が必須なのか。それとも、実務経験があれば応募できるのか。企業が求めている条件を確かめないまま何年も勉強を続けると、必要以上に転職を遅らせてしまう可能性があります。
難関資格の取得を目指してから転職活動を始めるのではなく、先に求人票を見て、自分に足りないものを確かめる。その結果として資格が必要だと分かったなら、そこで初めて勉強を始めればいいと思います。
同じ資格でも、転職で武器になる人・ならない人
ただ、私は「資格なんていらない」と言いたいわけではありません。資格は使い方次第で、自分の専門性や、仕事に必要な知識を補ってきた過程を説明する材料になります。
実際、私は難関資格こそ持っていませんが、FP2級、衛生管理者、メンタルヘルスマネジメント検定、MOS、ITパスポートなど、仕事に関係する資格を複数取得しています。どれも、その資格名だけで年収が何百万円も上がるようなものではありません。それでも、人事・労務という自分の仕事の軸と結びつけることで意味を持たせてきました。
たとえば、安全衛生に関する知識が必要だから衛生管理者を勉強する。休職者対応などに関わるため、メンタルヘルスマネジメントを学ぶ。ExcelやWordを日常的に使うので、MOSで一定のスキルを示す。といったように、取得した理由を実務とつなげれば、資格だけが職務経歴書の上で浮いてしまうこともありません。
大切なのは、「転職に有利そうだから、とりあえず有名な資格を取る」という順番にしないことです。まず、今の仕事でどんな課題があり、何の知識が足りないのかを考える。そのうえで必要な資格を選ぶほうが、これまでの職歴との一貫性も生まれます。
面接で「なぜこの資格を取ったのですか」と聞かれたとき、仕事上の具体的な課題と結びつけて説明できるか。私はそこが重要だと思っています。「その時々で必要になったことを、自分で勉強して補える人だ」と伝えやすくなるからです。
資格を増やす前に、まず自分の職歴を振り返り、「この仕事をするうえで足りなかった知識は何だったか」を考えてみる。その答えが、次に何を勉強するべきかを決める基準になります。