株式、不動産、ソーシャルレンディング…投資する前に把握すべき「資産別の利回り計算法」

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資産運用を始めたくて調べてみると、利回りや利率、騰落率など似たような言葉が多くあり、混乱してしまう人も少なくありません。利回りと資産運用のリスクは表裏一体の関係にあるため、資産運用のリスクを把握するうえで、「利回り」を理解することは大変重要です。本記事では、利回りやさまざまな資産運用方法の利回りの平均、計算方法についてみていきます。

*本稿は幻冬舎GOLD ONLINEにて配信された記事を再編集したものです。

目次

投資するなら必ず覚えたい「利回り」のキホン

資産運用の利回りとは、資産を保有することによって得られる利子や分配金、そして資産を売却した場合の売却益を含めた投資金額に対する年単位の収益の割合のことです。

資産運用の利回り(%)={(利子+分配金+売約益)÷投資元本}×100

また金利には単利と複利があります。

  • 単利……元本に対してのみ利息がつくタイプの金利 単利=元本×金利
  • 複利……元本に利息を加えた金額を新たな元本として利息を計算するタイプの金利 複利=(元本+利息)×金利

同じ利息でも単利と複利では大きな差があります。またその差は、運用期間が長いほど顕著です。

<利回りの計算方法>

■100万円を年率7%で30年運用した場合の金利
単利……210万円
複利……約661万円

「利率」との違い

似たような言葉に「利率」という言葉もありますが、利率は元本に対する「利子」の割合のことです。

利子とは元本に金利をかけて計算された金額のことをいいます。また、利息という言葉もありますが、利子と利息はほぼ同じ意味で使われます。

「騰落率」との違い

騰落率とは株式や投資信託などが、一定期間でどれくらい値上がり・値下がりしたかをみるために、配当金や分配金を含めた価格の変化率を計算したものです。

騰落率と利回りを混同しがちですが、利回りは年単位の収益の割合を表すのに対し、騰落率は「一定期間」の変化率を表す数字になります。

「パフォーマンス」との違い

パフォーマンスとは資産運用の成果、成績そのものを表します。特に計算式があるわけではなく、もっぱら運用結果を比較する際に使われる言葉です。

なお、投資パフォーマンスの良し悪しはベンチマークを基準に判断します。そのため、単純に自分が運用した結果10%の利回りがあったとしても、他の投資家や市場、およびベンチマークとした経済指標が12%の収益を出していれば、パフォーマンスがいい投資とはいえません。

ベンチマークとは、投資の運用目標となる指標のことで、主に日経平均株価やTOPIXなどの経済指標が用いられます。

数%の利回りの差で得られる金利が大きく変わる

数パーセントの利回りの差によって、得られる金利は大きく変わってきます。異なる利回りで複利運用をした結果の一例をみてみましょう。

■100万円を30年間運用したケース

複利の年率

(100万円を30年運用した場合の金利)
3%……約143万円
7%……約661万円

資産運用の種類別の平均利回りの目安は以下の通りです。

[図表]資産別平均利回りの目安

定期預金、株式投資…資産別・利回りの計算方法

本来の利回りの意味が理解できたところで、ここからは、代表的な資産運用の利回り計算方法を紹介します。ここで紹介する資産運用方法は以下の5種類です。

■資産運用の種類

  • 定期預金
  • 株式投資
  • 投資信託
  • 不動産投資
  • ソーシャルレンディング

1.定期預金

定期預金とは、1年満期、3年満期など、預入期間が決まっている預金のことです。預入期間中は満期日まで原則引き出しができませんが、代わりにいつでも引き出せる普通預金より金利を高めに設定しています。定期預金は口座開設などの手数料はありません。

<計算方法>

■100万円を1年間預けて1万円の利息を得た場合

(1万円÷100万円)×100=利回りは1.0%

2.株式投資

投資家が株式を購入すると、その企業の出資をしたことになります。企業は投資家から集めたお金を使って事業活動を行い、収益がでると配当金という形で投資家に還元します。ただし、業績次第では必ず配当金が定期的に支払われるとは限りません。

株価が購入したときよりも値上がりしていれば、売却をして売買益を得ることもできます。

また、一定時期までに一定数の株式を保有していると、企業から記念品や商品を貰えることがあります。これを株主優待といいますが、株主優待でお店の商品券を用意しているような企業があれば、それもまた株式投資における収益と考えることもできるでしょう。

<株式投資にかかる費用例>
・買付価格
・売買価格

買付価格や売買価格は、取引金額によって変わります。また、取引額1日あたり50万円までは無料としている証券会社もあります。

<計算方法>

■A株式を100万円分購入し、1年間で3万円の収益が発生した場合

手数料は買付価格も売買価格いずれも100円。
{(3万円-200円)÷100万円}×100=利回りは2.98%

3.投資信託

投資信託は多くの投資家から集めたお金をファンドマネージャーという投資のプロが運用をします。運用によって得た収益を分配金という形で投資家に還元します。また、買付時よりも基準価格が上昇した場合、売却をすれば収益を得ることができます。

基準価格とは株式でいう株価のことです。また、分配金は必ず支払われるとは限らないほか、もともと分配金を用意していない投資信託もあります。

<投資信託にかかる費用例>

  • 購入時手数料
  • 信託報酬
  • 信託財産留保額

投資信託はプロに投資をお任せする商品なので、手数料は他の投資に比べてやや高い傾向があります。

また、商品によっては、購入時手数料、信託財産留保額がかからないものもあります。投資信託の信託報酬は必ずかかりますが、アクティブファンドよりもインデックスファンドのほうが信託報酬は低い傾向があります。

<計算方法>
■100万円を1年間運用して5万円の利益が発生した場合

各手数料は、購入時手数料1%、信託報酬0.5%、信託財産留保額0.5%。
手数料は買付価格も売買価格いずれも100円

{(5万円-2万円)÷100万円}×100=利回りは3.0%

※ 手数料は100万×2%(購入時手数料1.0%+信託報酬0.5%+信託財産留保額0.5%)で簡易的に計算をしています。

4.不動産投資

不動産投資は、不動産を購入して貸し出すことで入居者から家賃収入を得る投資方法です。不動産価格が購入時よりも上昇した場合、売却すれば売却益が得られます。

<不動産投資にかかる費用例>

  • 固定資産税
  • 火災保険料
  • 管理費
  • 水道光熱費
  • 修繕費

不動産投資は不動産購入時に登記費用や不動産取得税など大きな初期費用がかかります。また、不動産はローンを利用して購入することが一般的なので、利用して数年〜数十年はローンの返済も発生します。

<計算方法>

■物件価格1億円・部屋数10部屋、1室あたり家賃6万円、満室で各種費用の合計150万円の場合で計算。年間の家賃収入は1200万円、初期費用は除いています。

{(720万円-150万円)÷1億円}×100=利回りは5.7%

5.ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングは融資を希望する企業や人と、投資家をマッチングするサービスのことです。

ソーシャルレンディング事業者がインターネット上でファンドを募集し、多くの投資家から資金を集め、集めた資金を企業や人に融資します。融資をする際に発生した利息のなかから、投資家は利益の分配を受けることができます。

ソーシャルレンディングはリスクが高い投資と考えられていますが、これはソーシャルレンディングの融資先が貸し倒れとなり投資額の一部、または全部が返済されない可能性があるためです。

ソーシャルレンディングは1万円程度でスタートできるので、複数の商品に分散投資をすることでリスクを抑えられるほか、貸し倒れとなった場合にソーシャルレンディング事業者が投資資金を返済してくれる案件もあります。期間が短いプロジェクトを選ぶこともいい方法です。心配な方は、こうしたリスクを抑える方法を取り入れてスタートしてみるといいでしょう。

<ソーシャルレンディングにかかる費用例>

・銀行手数料
・営業者報酬

<計算方法>

■営業者報酬2.0%のファンドに100万円を投資して、7万円の利益があった場合(銀行手数料は振込手数料約700円)

{(7万円-2万円(営業者報酬)-700円)÷100}×100=利回りは4.93%

過度につぎ込むと破産に…投資は必ず「余剰資金」で

資産運用をおこなう際に注意すべき点は以下の2点です。

<資産運用をおこなう際の注意点>
・高い利回りが継続するとは限らない
・余剰資金でおこなう

1.高い利回りが継続するとは限らない

株式や投資信託などは常に値動きするうえ、企業業績や経済情勢によっては配当金や分配金も支払われない可能性があるため、利回りは変動します。表示している利回りは、あくまでもその時点での利回りを表しているに過ぎない、という点には注意が必要です。

比較的安全な定期預金でさえ、変動金利を選ぶと利回りが変動する可能性はゼロではありません。不動産投資も、入居者が退去すれば利回りは変動します。

一方、ソーシャルレンディングは基本的に利回りが変動することはありません。

2.余剰資金でおこなう

過度に資産運用に資金をつぎ込んでしまい、日常生活に支障をきたすようでは本末転倒です。自分が資産運用に利用できるお金がいくらまでなのか、自分の家計を1度洗い出して、余剰と考えられる資金を資産運用へ回すように心がけましょう。

具体的には、家計を「すぐに使うお金」、「数年後に使う予定のあるお金」、「しばらく使う予定のないお金」に分類。

このうち、しばらく使う予定のないお金を余剰資金と考え資産運用に活用すると、仮に運用がうまくいかなくても、家計やライフプランに与える影響は限定的になります。

■すぐに使う予定のあるお金(例)
・生活費
……食費や光熱費、家賃など頻繁に支払いが発生する費用
・急な病気やケガ、冠婚葬祭など万が一の費用
……急遽必要になる可能性があるため、手元においておくべき費用

■数年後に使う予定のあるお金(例)
・住宅購入の頭金
……住宅ローンを利用する際の諸経費や、住宅ローンの借入額を極力減らすための資金
・結婚資金
……子どもの結婚式などの費用
・教育資金
……子どもの大学入学金や学費など

■しばらく使う予定のないお金(例)
・老後に向けた積み立てや、趣味・旅行などいつか落ち着いたら考えてみたいイベントなど

まとめ

資産運用の利回りとは、以下の計算式で算出します。資産運用は利回りが高いほど、リスクも高い傾向があるので、資産運用の種類ごとに利回りを把握しておくことは大変重要です。

資産運用の利回り(%)={(利子+分配金+売約益)÷投資元本}×100

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株式会社バンカーズ

バンカーズは、貸金業者としての歴史を有する泰平物産株式会社を母体とし、2019年に現社名に変更。第2の創業期として、金融機関、IT業界の出身者が参画し、「その投資は、日本の未来へ」をフィロソフィーに、2020年12月に融資型クラウドファンディングサービス「Bankers」を開業しました。これまで不動産や診療報酬を中心としたファンドを組成し、分配遅延・貸し倒れは0件です(2022年10月末日現在)。

Bankers
https://www.franklintempleton.co.jp/index.html

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