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「やればやるほど赤字」外食業界で進む業態転換という生き残り戦略

(c) AdobeStock

 飲食業界は現在苦境に立たされている。今回の中東情勢の悪化では、コロナ禍以上に経営が圧迫されている店舗も少なくない。終わりの見えないコスト増が続く中、飲食業界が生き残るために必要なことについて、フードジャーナリストの山路力也氏に話を聞いた。(聞き手・望月悠木)

目次

「やればやるほど赤字」というケースも

――飲食業界は中東情勢の悪化によるコスト増に直面していますが、価格転嫁して対応するしか方法はないのですか?

 正直、価格転嫁はかなり難しいです。物流費だけではなく、以前から原材料費や人件費など、さまざまなコストが上がっていました。利益をしっかり確保しようとすると、1.5倍から2倍くらいの値上げが必要になるケースもあります。例えば、800円のラーメンなら、1500〜1600円程度まで上げないと、現在のコスト増には追いつかないかもしれません。

 しかし、ラーメンには「1000円の壁」がある通り、飲食には業態ごとに“消費者の心理的な上限”があります。実際の原価がどうなっているかは別に、「ラーメンに1500円は払いたくない」という感覚を持つ人はまだまだ多い。

 加えて、その壁はすぐには動きません。飲食店側からすると、原材料費や人件費などが上がっているため値上げしたい。しかし、消費者側は日用品や光熱費なども含め、生活全体の負担が増えており、外食に使えるお金はむしろ減っている。そのため、価格転嫁に踏み切ることは本当に難しいです。

――どうすることもできない状況ですね。

 特に厳しいのは、価格を上げると客数が減る可能性が高いことです。値上げして客数が落ちれば、売上自体は変わらなくても利益が残らない。むしろ固定費の割合が大きい飲食店では、「営業すればするほど赤字」という状態に陥るケースもある。

 食材を安いものに変えたりなどして、価格だけを据え置きにする方法もありますが、「前より美味しくなくなった」と思われかねない。そうなると消費者の信頼は一気に失われ、それはそれで客数を減らすことになります。

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この記事の著者
山路力也

フードジャーナリスト、ラーメン評論家。「作り手の顔が見える料理」を愛し「その料理が美味しい理由」を常に考えながら、テレビ・雑誌・ウェブ・SNSなどさまざまなメディアで情報を発信中。飲食店のプロデュースやコンサルティングも数多く手掛けている。

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