20~30代が考えるべき投資先は? 年代別・資産形成の考え方とは
AIバブルへの警戒感が強まる一方、「今こそ投資のチャンスだ」と考える個人投資家も少なくない。こうした相場と個人はどう向き合うべきか。7月15日に発売された『AIバブル後の投資戦略 「真の分散投資」を求めて』(ダイヤモンド社)の著者で、ブルーモ証券株式会社代表・中村仁氏に、投資家が持つべき心構えと年代別の考え方について聞いた。全4回の第4回。(聞き手・望月悠木)
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「自分だけは市場を読める」と思わないこと
――AIバブルへの懸念がある一方、「今が投資のチャンスだ」と考える人もいます。個人投資家が今持っておくべき心構えを教えてください。
まず大きな機関投資家と個人投資家の違いは、個人には人生が一度しかないという点です。機関投資家であれば、「全体としてどれくらいの利益が見込めるか」をもとにリスクを取る判断もできますが、個人投資家にとっては自分の人生そのものがかかっている。どれだけリスクを取るかは、慎重に考えるべきだと思います。
よく「今年は仕事が順調だから、その分は投資に回して、失っても本業でカバーできる」という考え方を耳にします。ただ、そこで一つ考えていただきたいのは、「なぜ自分が世界の大手ファンドマネージャーよりも相場を的確に読めると言えるのか?」という点です。
――たしかに自信過剰な気もしますね。
もちろん、自分の相場の見立てを信じるのは個人の自由です。ただ、客観的に見て、「自分だけが相場を読み切れる」と言い切るのは難しいはず。仮に自分以外の誰かが「自分は相場が読めるからお金を預けてほしい」と言ってきたら、素直に預けられますか。それができないのであれば、自分自身に対しても同じように冷静な目を持つべきだと思います。「短期的にAIバブルに乗って一気に儲けよう」という発想は慎重であるべきです。
「インデックス投資」もノーリスクではない
――リスクを抑えるという意味では、インデックス投資が無難な選択と言えますか。
日本ではインデックス投資と聞くと、「株式の指数に投資すること」とほぼ同じ意味で使われがちです。しかし、本来インデックスには株式だけでなく、債券や不動産などさまざまな種類があります。仮にAIバブルが崩壊すれば株式市場全体が値下がりするため、株式のインデックスファンドに投資していても無傷ではいられません。株式や不動産、貴金属など、値動きの異なる複数の資産を組み合わせて、リスクを打ち消し合っていくという発想が必要です。
――インデックス投資であってもリスクを意識する必要があると。
そもそも、「なぜ株式100%のインデックス投資が良いとされているのか」ということは、実は明確な根拠を説明できる人は多くありません。世の中にある投資対象すべてに、規模に応じて幅広く分散するのが効率的だという理論はあります。ただ、それは「会社や国が無限に存在し続け、いくらでもお金を借りられる」という前提のもとでの話です。
「株式だけに集中して投資する」というのは、それ自体が一定のリスクを取っている選択なのだと自覚したうえで向き合う必要があります。2000年前後のITバブルが崩壊したあとの10年間、株式のインデックスファンドの成績はマイナスだったという事実も踏まえておくべきです。