中学受験の家庭の役割? 個別指導塾のプロが教える「共働き家庭の戦い方」
中学受験のスタートラインは、塾の入塾テストだ。多くの塾では小学3年生の秋から冬にかけて実施され、その結果によって成績別クラスのどこに配属されるかが決まる。
「入塾テストでつまずいて、下のクラスになると6年生になっても上に上がれない」──保護者の間では、そんな噂が絶えず飛び交っている。まだ小学3年生の我が子を前に、どこまで準備をさせるべきか思い悩む親は少なくない。
そもそも入塾テストとは、何を測るための試験なのか。
「入塾テストは、優秀な子を選び抜くための試験ではありません」と語るのは、個別指導塾Growyの濱野拓哉氏。この連載では、入塾テストから入塾後の家庭のあり方まで紹介する。今回は連載全3回の第2回。
家庭の役割は「環境」と「習慣」
無事に入塾が決まると、次に気になるのが「家庭では何をしてあげればいいのか」という点だと思います。
ご家庭でぜひお願いしたいのは、「学習環境づくり」と「学習習慣づくり」。お子さんが勉強に向かえる状態を整えること。中身ではなく、その手前の部分ですね。
まず考えていただきたいのが、お子さんがどこで勉強するかです。リビング学習は親の目が届きますし、悪い選択ではありません。ただ、リビングは家の中で一番音が集まる場所でもあります。テレビがついている、下の子が騒いでいる、食器を洗う音がする。こうした中でも集中できる子ならいいのですが、そうでない子も当然います。
その場合は、学習用のスペースを別に確保する、比較的静かな場所に机を用意してあげる。ご兄弟の音については、部屋を分けるといった物理的な対処に加えて、お兄ちゃんが勉強している時間は静かにする、と家庭内のルールにしてしまうのも有効です。普段から徹底しておけば、下のお子さんにとっても、その光景が当たり前になっていきます。
細かいことを言えば、椅子や机の高さ、物の配置、光の当たり方まで集中力に影響してきます。ただ、入塾前からそこまで詰める必要はありません。机の上が片付いていて、周りに気の散るものがなく、そこそこ静かに勉強できる。まずはこの状態が作れれば十分です。
学習環境と並んで、入塾前に整えておいていただきたいのが、毎日机に向かう習慣です。
塾に入ると、勉強量は一気に増えます。塾のある日は授業を受けて帰ってきて、塾のない日はその宿題をやる。つまり、週のほとんどが勉強の日になるわけですね。それまで学校の宿題を済ませたら遊びに行っていた子が、いきなりこの生活に切り替わる。子どもにとっては、かなり大きな変化です。
ここで机に向かう習慣がないお子さんは、そもそもスタートラインに立てません。宿題に手をつけないまま塾に行き、前回の内容が身についていないので授業も分からない。そのうえ次の宿題が出るので、どんどん溜まっていきます。
逆に、机に向かうこと自体が当たり前になっている子は、量が増えても対応できます。変わったのは勉強の中身であって、生活のリズムそのものはそのままだからです。