なぜ、上方修正したのに株価は下がるのか・・・10億円投資家が警戒する「好決算株の盲点」
「好決算なら株価も上がる」と考えたくなるが、実際の相場はそれほど単純ではない。上方修正まで発表したにもかかわらず、期待が織り込まれていたことで売られる銘柄もある。
では、株価が動いた後ではなく、その前に業績の変化をつかむには、何を確認すればよいのか。
今回は、2000年代前半から株式投資を続け、10億円の資産を築いた個人投資家・DAIBOUCHOU氏に、上方修正の予兆を見つけるポイントを伺った。インタビュー連載全2回の最終回。
「業績の好調を確認して買う」のはもう遅い
ーー上方修正を狙うなら、進捗率の高い銘柄を探すのが近道ではないですか。
私が上方修正の期待できる企業を重視しているのは、想定以上に商品やサービスが売れている会社だからです。業績が崩れて下方修正する可能性も比較的低く、手堅い投資先だと考えています。
ただ、最近は進捗率だけで勝つのが難しくなりました。進捗のよい会社には、ほかの投資家もすぐ気づきます。
期待が先行して発表前に株価が上がり、いざ上方修正が出たときには織り込み済み。材料出尽くしで売られることも少なくありません。
ーーならば、あえて進捗率の低い企業を狙うべきでしょうか。
狙い目は、表面上の進捗は物足りなくても、下期にまとまった利益が出る会社です。
建設や不動産には、案件が完成した時点で利益を計上する企業があります。上期だけ見れば出遅れていても、案件が予定どおり進んでいれば、下期に利益が一気に乗ってくる。
誰にでもわかる高進捗の銘柄は、株価にも反映されやすい。数字をぱっと見ただけでは見えない部分に、市場との認識のずれが残っているんです。
ーー下期に利益が偏る会社かどうかは、どう見分けるのですか。
過去数年の四半期ごとの業績を並べてみるのが手っ取り早い方法です。毎年のように上期が弱く、下期に利益が集中しているなら、それがその会社の「型」なのでしょう。
今期も同じ形で進んでいれば、上期の進捗率の低さだけで悲観する必要はありません。
受注急増でも飛びつくな。「計上時期」を見よ
ーー決算書では、進捗率のほかにどのような数字を確認していますか。
受注はよく見ます。足元の売上や利益が伸び悩んでいても、受注が大きく増えている会社があるからです。受けた仕事が今後売上として計上されるなら、先の業績は良くなるでしょう。
もちろん、受注の伸びも最近はかなり早く株価に織り込まれます。それでも、今期の売上と利益だけを追うより、数カ月先につながる数字まで押さえておきたいですね。
受注残高を開示している会社なら、前年同期からどれだけ積み上がっているかも確認します。
ーー受注が増えていれば、上方修正は時間の問題とも言えそうです。
大事なのは、それがいつ売上や利益になるのか。受注残が積み上がっていても、業績に反映されるのが来期以降なら、すぐに上方修正とはいきません。
今期中に計上される案件が増えているなら、通期予想との差を読みやすくなります。受注額の大きさに加え、決算へのつながり方まで見てください。