米中間選挙で「ねじれ議会」なら日本株はどうなる? 専門家が指摘するリスク
2026年11月3日に投開票される米中間選挙。世論調査では、ドナルド・トランプ大統領(共和党)に否定的なアメリカ国民が多く、民主党が支持を集めている。ただ、あくまで海外の選挙であり、中間選挙の概要はイマイチわからない。アイザワ証券 事業推進部 情報課の王曦氏に中間選挙の争点、さらには今後トランプ政権が打ち出す政策によって生じる日本の株式市場の変化など、話を聞いた。(聞き手・望月悠木)
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貧富の格差が拡大
――今回の中間選挙で、最大の焦点は何ですか。
なんといっても物価高対策でしょう。トランプ大統領は「今の生活を何とかしてくれる」という期待で当選しました。ところが蓋を開けてみると、規制緩和はともかく、相互関税が国民の生活コストを大きく押し上げました。さらにはアメリカがイランへの攻撃を開始したことにより、ガソリン価格なども上がっています。
第2次政権の発足後は、AI関連の設備投資が経済成長をけん引し、株高や大型減税で富裕層が潤いました。その反面、低所得層の購買力は大きく低下しています。豊かな層と苦しい層の差が「K」の字のように開いていくことから、「K字型経済」と呼ばれます。発足直後には5割以上もあったトランプ氏の支持率は9月下旬時点で約3割まで下がりました。
――物価高はアメリカでも深刻なのですね。
そうですね。また、データセンターの電気料金も注目しています。大手IT企業のデータセンター建設で電力需要が急増し、「電力会社のインフラ増強コストが一般の消費者に転嫁されるのではないか?」という不満が出ています。トランプ政権はその負担増を大手ITに担わせる方向で、民主党は一部の州でデータセンターの新設停止を求めており、両党の方向性は一致しています。この辺りは7〜9月期の企業業績への影響が気になるところです。
選挙後の予算に注意
――選挙結果で、トランプ政権の政策は変わりますか。
共和党が上下両院で過半数を維持すれば、規制緩和や財政支出拡大といった現在の政策から大きな変化はないでしょう。一方、民主党が下院、あるいは上下両院で過半数を取れば、予算や法案は通りにくくなり、政権運営は制約を受けやすくなります。今は民主党が下院をほぼ押さえ、上院も取る可能性があると囁かれており、大統領と議会の多数派が異なる「ねじれ議会」になるかもしれません。
とはいえ、相互関税とイラン戦争は、そもそも議会を通さず、大統領の権限で進めている政策です。議会が圧力をかけて一定の歯止めにはなっても、引っ込めさせることは難しい。選挙結果で政策が大きく変わる可能性は低いと思います。
――基本的には選挙結果が相場を揺るがすことはないと。
ただ、選挙後の予算は注意が必要です。つなぎ予算が切れる12月11日以降に2027年度の予算審議が本格化しますが、ねじれ議会だと難航し、政府機関の閉鎖につながる可能性もあります。とはいえ、毎回どこかで妥協して収まる、ということの繰り返しのため、一時的な混乱にとどまると見ています。