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段取り力が強みな「SJタイプ」(ESFJ/ISFJ/ESTJ/ISTJ)が最高に輝ける職場の条件と、SJタイプそれぞれが取るべきキャリア戦略

 「まじめに働いているのに評価されない」「なぜか負荷ばかり自分に集まる」。そんな違和感を抱えているビジネスパーソンは少なくない。特に、丁寧に段取りを整え、責任をもって日常を回すタイプほど、その貢献が“当たり前”として扱われやすく、誤解を招きやすいのである。今回、16タイプ診断のプロフェッショナルである、けい(大地啓太)氏が、“社会の正常運転を支える存在”と語るSJタイプ(ESFJ/ISFJ/ESTJ/ISTJ)に焦点を当てる。派手さはなくとも、現場を安定して動かし、ミスなく仕事を積み重ねるーー。その力はどこで発揮され、どんな環境で評価されにくくなるのか。

 みんかぶプレミアム連載「16タイプ診断で読み解く“職場のミスマッチ”の正体」

目次

社会の正常運転は、SJタイプの“段取り力”がつくっている

 組織の中で、今日も誰かがミスなく書類を整え、約束どおりに仕事を終え、誰にも気づかれないところで小さなリスクを潰しています。

 役所の窓口で淡々と処理される申請書も、学校で何事もなく過ぎていく一日も、病院の裏側で正確に回り続ける事務処理もーそれらはすべて、誰かの丁寧な管理と段取りのおかげで成り立っています。大きな改革や派手な成功はニュースになるけれど、「何も起きなかった一日」は、ほとんど語られません。

 けれど実は、その何も起こらない状態こそが、社会が正常に動いている証でもあります。SJタイプ(ESFJ/ISFJ/ESTJ/ISTJ)は、まさにこの「いつも通りの日常」を担ってきた人たちです。

 五感で現実を正確に捉え(S)、物事を順序立てて整えていく(J)。感覚や勢いよりも、「再現性」「持続性」「安全性」を優先しながら、チームや仕組みを壊れない形に保ち続けます。

・誰も気づかない細部のほころびに、いち早く気づく

・ルールやマニュアルを、現場で実際に使える形に整える

・「抜け」「漏れ」「リスク」を洗い出し、事故を未然に防ぐ

 こうした働きは地味ではありますが、しかし極めて現実的で、社会の根っこを支える力そのものです。一方で、この堅実さはしばしば誤解も生みます。

目立たぬ強みは“自責の材料”にも変わる

 慎重であることが「融通がきかない」に変換され、安定を重視する姿勢が「変化が苦手」と受け取られてしまう。特にスピードや斬新さが評価されやすい環境では、安定を守る力が背景に溶け込み、目に見える成果として評価されにくいのです。そうなるとSJタイプ自身も、自分の役割の重さより、足りない部分ばかりに目が向いてしまいます。もっと目立たなければ。もっと柔らかくならなければ。もっと新しいことに挑戦しなければ……。

 本当は現実を背負う強さであるはずの性質が、いつのまにか自分を責める材料に変わってしまうのです。しかし、この噛み合わなさは性格の優劣ではありません。

 SJタイプが持つ「現実的な判断力」「継続力」「責任感」は、評価軸が適切な環境では圧倒的な信頼に変わり、評価軸がずれている環境では“当たり前”として消費されてしまう――ただそれだけの違いです。

 だからこそ大切なのは、どんな状況で力が発揮され、どんな条件下では負担が大きくなるのかを構造として理解すること。この視点を持つだけで、マネジメントの精度も、キャリアの納得感も大きく変わっていくでしょう。

S(感覚)×J(計画)が生み出す「現場を安定してまわす力」

SJタイプは、

S(感覚)…今ここで起きている事実を正確にとらえる力

J(計画)…物事を秩序立てて最後までやり遂げる力

を、あわせ持つタイプです。

 Sタイプは、五感を通して、現場の具体的な情報を細かくとらえるタイプ。対となるN(直観)タイプが「未来の可能性」や「抽象的なパターン」を見るのに対し、Sは「今ここで実際に起きていること」「既にわかっている事実」に強い。

 Jタイプは優先順位や段取りを整え、「決めたことを計画通りに進める」ことに安心を感じるタイプ。対となるP(柔軟型)タイプが「状況に合わせて変えていく柔らかさ」を重視するのに対し、Jは「決めたことを守る」「ブレない軸を持つ」ことを重視します。

 つまり、SJは《ひらめきより実績》《勢いより段取り》《一発勝負より、安定して続けられる仕組み》を重視するグループだということです。

SJタイプの本領は「失敗しない仕組み」をつくる力

 Sの現実感とJの計画力が組み合わさることで、SJタイプは次の強みを発揮します。

・過去の事例やルールをもとに、現実的な判断をする

・マニュアルや手順書の「抜け」や「曖昧さ」に気づいて修正する

・チームや状況に合わせて役割分担を最適化する

・リスクを想定し、トラブルを未然に防ぐ仕組みをつくる

・短期的な話題性より、長期的な信頼や安定感を優先する

 言い換えれば、「一発の成功」ではなく「失敗しない仕組み」をつくるのがSJの真髄。

抽象的な理想論より、現場のリアリティを踏まえた解決策を組み立て、「誰がやっても、ちゃんと回る」環境を整えること—それこそがSJタイプが組織や人間関係にもたらす最大の価値です。

SJタイプが職場でつまずくポイント

 責任感が強く、約束を守ろうとするSJタイプほど、「自分はちゃんとやっているはずなのに、なぜかうまくいかない」という環境のズレを感じやすくなります。SJタイプ(ESFJ/ISFJ/ESTJ/ISTJ)が働きづらさを感じる主な原因は、次の3つです。

① 行き当たりばったりが許されている環境

「とりあえずやってみよう」「細かいことは走りながら考えよう」という勢い重視のノリや、思いつきベースで物事が決まっていく職場は、SJタイプにとってかなりストレスフルです。たとえば、スタートアップや広告業界のように、スピードやアイデアの勢いが評価される仕事では、その場の判断で方向が変わる場面も多く、SJタイプが本来得意とする段取り力や計画性が十分に活かされにくくなります。

 するとSJタイプの中では、「最初に目的と手順を決めておけば、こんな混乱は防げたのに…」「誰がどこまで責任を持つか決めてから動いたほうが安全なのに…」というモヤモヤが積もっていきます。

 結果として、準備不足のまま奔走するチームの「後片づけ役」になってしまい、疲弊しやすくなるのです。

② ルールや役割が曖昧な組織

「誰の仕事かわからないけど、とりあえず誰かがやっている」

「決まりがあるようで、守る人と守らない人がバラバラ」

「上司によって言うことが毎回違う」

 こうした曖昧さが放置されている環境は、SJタイプの「秩序を保ちたい感覚」を大きくすり減らします。特に、家族経営の会社、小規模企業の企画・マーケ部署、現場と上層部が分断している組織では、ルールより空気やその場の判断が優先されされることが多く、混乱が起きやすい傾向があります。

 SJタイプは本来、「ルールがあるなら、みんなで守りたい」「役割があるなら、その範囲で責任を果たしたい」と考えるタイプ。そのため、「まじめに守る人が損をする」という状況が続くと、虚しさや怒りを感じやすくなります。

③ 長期的な貢献が「当たり前」として扱われる文化

 組織の中には、派手な成果やわかりやすい数字や新しいアイデア、改革案ばかりが称賛され、日々の運用や地道なサポートが「やって当たり前」と見なされてしまう文化があります。SJタイプは、同じ仕事を安定して回し続ける、ミスなく抜け漏れなく整える、トラブルにならないように事前に手を打つといった「問題を起こさない貢献」をしていることが多いタイプです。

 ところが、「トラブルが起きない=何もしていない」「うまく回っている=誰のおかげかわからない」と扱われやすく、本当は組織の土台を支えているのに、「地味」「誰でもできる」と評価されてしまうこともあります。その結果、「こんなに頑張っているのに、感謝も評価もされない」「どうせ自分が抜けても、誰も気づかないのでは…」と、組織における自分の存在意義まで揺らぎやすくなります。

SJタイプが活躍できる職場環境とは

① 段取りや事前準備が評価される場所

 計画・マニュアル・チェックリストなど、「始める前に整えておくこと」が大事にされる環境は、SJタイプにとって最も自然に力を発揮できる場所です。

・仕事の流れや手順を整理する

・誰が何をいつまでにやるのかを明確にする

・ミスが起きないように仕組みを整える

・といった見えない準備がきちんと評価される職場では、SJタイプの慎重さと責任感が、大きな安心感として組織を支えます。

 医療、介護、事務、総務、経理など、「ミスが許されない」「安定運用が何より大事」な領域では、SJタイプの堅実さがそのまま価値になります。

② 安定運用と改善が求められる現場

 同じことを繰り返しながらも、少しずつ「もっと良く、もっと安全に」していく。そんな「ルーティン+改善」が必要な現場は、SJタイプの得意分野です。

F(感情)型のSJ(ESFJ・ISFJ)は、

・人間関係の安定を守る

・メンバーが困らないように支える

・お客様や社内の人との信頼関係をコツコツ築く

 といった形で、現場の「安心できる空気」を整えます。一方、T(思考)型のSJ(ESTJ・ISTJ)は、

・手順やルールを整理し、無駄をなくす

・業務フローを見直し、効率化する

・問題が起きた時に原因を分析し、再発防止策を考える

 といった形で、「仕組みとして強い現場」をつくりあげます。どちらのタイプも、「昨日と同じことを、今日も安定してできるようにする」「問題が起きても、次からは起きないように整える」といった長期的な安心感を提供するのが持ち味です。

③ 信頼・継続・貢献がきちんと見える環境

斬新なアイデアの一発ホームランよりも、

・日々の積み重ね

・約束を守り続けること

・困った時に必ずそこにいてくれる安心感

 が評価される環境は、SJタイプにとって非常に居心地の良い場所です。「ちゃんと続けてくれている人」「抜け漏れなく守ってくれる人」が、きちんと評価される職場では、SJタイプのまじめさや誠実さは最大限に活かされ、組織にとっていなくてはならない存在になっていきます。

SJタイプのキャリア戦略

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この記事の著者
けい(大地啓太)

16タイプ発信者/INFJコーチ・カウンセラー。 著書に『16TYPES FAN』(宝島社)。SNS総フォロワー数は9万人を超える。 16タイプを活用した人間関係のヒントを発信し、雑誌やWebコンテンツの監修など幅広く活動している。自身のタイプ「INFJ」をベースに、「考えすぎるINFJさんがもっと自分らしく」をテーマとしたコミュニティや講座を主宰。

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