S&P500やオルカンの成功体験が仇になる? 著名トレーダーが警告する“個別株ほったらかし投資”の盲点
「金利が上がるなら銀行株」「円安なら輸出株」ーー。ニュースを見て、こうした“わかりやすい銘柄”に飛びついた経験はないだろうか。
投資家・トレーダーの窪田剛氏は、「ニュースが出た瞬間に、慌ててポジションを大きく変える必要はまったくないと考えています」と指摘する。
金利上昇で銀行が恩恵を受けるとしても、すべての銀行が同じように儲かるわけではない。さらに、期待がすでに株価へ織り込まれていれば、好材料を見てから買っても遅い。
では、円安や金利上昇といった大きな相場の変化を、どう個別株の売買判断に落とし込めばいいのか。今回は、窪田氏に「ニュースを見て買う人」と、その先まで考える投資家を分ける決定的な違いを伺った。インタビュー連載全3回の最終回。
ニュースと企業業績の“意外な時間差”
ーー円安や日銀の利上げなど、相場が動くニュースが出ると、すぐに関連銘柄へ飛びつく投資家が多いですね。
焦る気持ちはとてもよくわかります。経済環境が変わるタイミングで「為替が円安に振れたから輸出関連企業が有利になるのではないか」と考えること自体は、投資の入り口として決して悪くありません。
ただ、ニュースが出た瞬間に、慌ててポジションを大きく変える必要はまったくないと考えています。
ーーしかし、すぐに行動しないと利益を取り損ねる気がして、ついヘッドラインで焦って買ってしまう人も少なくありません。
24時間ずっと画面の前に張り付いているデイトレーダーなら、瞬間的な値動きの利ザヤを狙って売買をするのも一つの手法です。
ただ、会社の業績向上を見込んで「投資」をしている場合は焦って売買する必要はありません。ニュースが出たからといって、会社の業績がすぐに大きく変わるわけではなく、どんなに早くても3カ月くらいかかります。その変化を確認してから判断すれば良いのです。
ーーニュースの第一報と、実際の企業収益が向上するタイミングには、かなりのズレがあるわけですね。
おっしゃる通りです。為替が変動しても、多くの企業はあらかじめ想定為替レートを設定していますし、為替予約などでリスクをヘッジしています。
マクロのニュースが実際の数字として表れてくるのは、どんなに早くても3カ月、あるいは半年後になってからですよね。
ーーなるほど。業績への反映をしっかり確認してから動いても、決して遅くはないのですね。
そういうことです。ニュースが出た直後は、アルゴリズムや短期の投機筋が反応をして株価が乱高下しますが、長期的な「投資」に取り組んでいるのであれば、それは一時的なノイズに過ぎないと割り切り、焦って売買をするのは避けるべきです。
ニュースのヘッドラインだけを根拠にして、なんとなく売買をしていても、継続的に儲かるわけがありません。業績と連動する「タイムラグ」を知らなければ、機関投資家のカモになるだけなのです。