激動相場で金融アナリストが注目する銘柄・気をつけるべきポイント
本稿で紹介している個別銘柄:イオン(8267)、第一稀元素化学工業(4082)、グローバル・リンク・マネジメント(3486)
日本から米国と戦える企業は出てくるのか。この問いに、複雑な情勢を読み解く金融アナリスト・個人投資家の三井智映子さんは「まず、戦う必要があるのかという視点を持ちたい」と話します。
半導体そのものではなく製造装置や検査の領域に、日本にしかない技術を持つ企業が数多くある日本。日本語で、日本時間に取引でき、日本語の開示が読めるのは投資をする上で、この上ないメリットだと語ります。
そんな三井さんが、いま注目している3銘柄を伺いました。
みんかぶプレミアム特集「あなたはどうする? 円安・金利上昇局面の稼ぎ方」第5回。
敢えて、米国に勝てる分野を挙げるなら?
ーー今年の「骨太の方針2026」が出た後、円安が加速したり、長期金利が上昇する「骨太ショック」が起こったりしました。あの市場の反応は正常なものだったと分析されていますか。
単に積極財政そのものが嫌気されたというよりは、財政拡張、日銀の政策正常化の遅れ、そして将来のインフレという三つのリスクを、債券市場が同時に織り込みに行った動きだったと考えています。
ーー米国の10年債利回りもかなり上がっています。この上昇はどう分析されますか。
地政学リスクが高まって原油高になるとドルが買われる、という流れがまずあります。エネルギーが上がれば、原油高=インフレ=利上げ=金利高と繋がっていくので、教科書的な流れだったと個人的には認識しています。
ーー前回、日本のデジタル赤字についても触れていただきましたが、これは解消できる問題だと思いますか。
難しいと思います。「私たちは今、Googleへの課金をやめられますか」という問いに近い。この流れはもうインフラに近いものになっていますから。
ーー日本から米国と戦える企業はこれから出てくるのでしょうか。
まず「戦う必要があるのか」という視点を持ちたいですね。私はグローバルニッチトップ企業が好きなのですが、日本にしかない技術力を持つ企業はたくさんあります。たとえばAI・半導体の分野では、「この企業の技術がないと作れない」という部分を担っている会社が数多くある。アドバンテスト、東京エレクトロン、ディスコといった半導体関連はやはり日本が強いです。半導体そのものよりも、製造装置や検査の領域です。まずはそういうところに注目するのが良いと思います。
日本人投資家は増えてきましたが、指数で投資している方も多く、個別銘柄を買っていない方もいらっしゃいます。個別株投資をすべきだという話ではありませんが、今は東証の取り組みもあり、海外から見れば、与党の首相が大勝して長期政権になりそうで、なおかつ積極財政を打ち出しているタイミングです。日本人がもっと日本株に意識を向けてほしい。日本語で、日本時間に取引できて、日本語の開示が読める。自分たちが実際に使っている製品やサービス、足を運べる場所でビジネスをしている企業です。日本の良い銘柄を日本人が見つけて投資し、その企業の成長の恩恵をキャピタルゲインやインカムゲインで受けていく、ということをしていってもらいたいですね。
そのうえで、米国に勝てる分野をあえて挙げるなら、IP(知的財産)、コンテンツだと思います。任天堂やサンリオがそうですが、IPは日本独特の、世界で戦える領域です。実は市場としても非常に大きく、可能性があります。成長戦略の項目にもコンテンツは入っています。日本のゲーム、アニメ、漫画は日本人独特の感性が息づいていますし、歌舞伎などの伝統芸能もそうです。最近は時代劇のような、日本にしか出せないものが海外で高く評価されています。勝てるとしたらコンテンツで、投資対象としてどうかはまた別の話ですね。