PER、売上、利益…決算では何から見る? 東大卒・元証券マンの株のプロが教える「最初の一社」の調べ方

本稿で紹介している個別銘柄:任天堂(7974)
「増収増益」「上方修正」というニュースは読めても、決算資料を開くと何から見ればよいか分からない。企業の数字を、自分で理解するにはどうすればよいのか。
つばめ投資顧問代表の栫井駿介氏が、全3回で決算の読み方を語る。第1回では、調べる企業の選び方から業績の比較、判断の記録まで、初めて一社の決算を読む人に向けて解説する。
みんかぶマガジン特集「決算シーズンに考える、株と資産形成の最適解」
決算の数字を読む前に、その会社の商売を知る
つばめ投資顧問代表の栫井駿介です。東京大学経済学部を卒業後、大手証券会社での勤務を経て、2016年につばめ投資顧問を設立しました。個人投資家に長期投資のアドバイスを行うほか、YouTubeでも企業分析について発信しています。
企業分析で私が最初に確かめるのは、その会社が何をしてお金を稼いでいるのかです。決算資料を開くと、売上や利益など、いろいろな数字が並んでいます。ただ、数字だけを追っても、会社で何が起きているかは分かりません。商売の仕組みを知っていれば、売上や利益が増減した理由も、事業と結びつけて考えやすくなります。
初めて決算資料を読む方も、難しい指標を覚える前に、まずはその会社の事業に目を向けてみてください。今回は、調べる企業の選び方から、業績を比べるときのポイントまで、順を追ってお話しします。
自分の興味がある会社から入るのもアリ
最初に調べるなら、自分が興味を持てる会社がよいでしょう。ゲームが好きなら、任天堂(7974)のように商品になじみのある会社が入口になります。面白いと思える会社なら、調べることも苦になりにくいですよね。
そこから、好きな商品が会社の売上や利益にどうつながっているのか、ほかにどんな事業で稼いでいるのかへと目を広げてみます。会社全体の業績の内訳を見ると、普段は利用者として接している商品を、事業の一部として捉えられるようになります。
事業から利益が生まれ、その利益や今後の成長を投資家がどう評価するかが、株価やPERなどの指標に表れます。一社についてこのつながりを追っていく方が、用語だけを別々に覚えるより理解しやすいと思います。
決算シーズンでも、初めから何社も追う必要はありません。まずは一社に絞り、気になった数字があれば、その背景にある事業を調べてみてください。知っている商品を入口に、会社の利益、そして株式市場での評価へと関心を広げていけばよいと思います。