「楽な道を選ぶと、長くツケを払うことになる」起業を目指す女性が知っておくべき“後悔しない決断”のルール
個人向けキャリアコーチング事業を展開するポジウィル株式会社。代表取締役の金井芽衣氏には、大きな決断を迫られるたびに、自分に問いかけていることがあるという。キャリアに迷ったとき、本当に向き合うべきものとは何か――金井氏に聞いた。全3回の第2回。
みんかぶプレミアム連載「バリキャリ女性社長のワークライフ・ルール」
「楽な道は、あとでツケを払う」起業のプレッシャーに負けない意思決定の基準
会社としての意思決定や個人としての選択で大切にしていることを尋ねると、返ってきたのは、迷いのない一言だった。
「楽な方を選ばないということですかね。人生の選択でも会社の意思決定でも、だいたいは楽そうな道と大変そうな道があります。でも楽な方を選ぶと、そのツケと結局長く付き合うことになる。だから、できるだけそちらは選ばないようにしています」
目先の負担の軽さよりも、その先の時間軸で何が積み上がるかを基準に判断する。新しいサービスをどう設計するか、人をどう採用するか、誰にどこまで任せるか——経営における意思決定の多くは、突き詰めれば「今の自分にとって楽な方」と「後々の自分にとって楽な方」のどちらを取るかという選択に行き着く。
キャリアに迷ったとき、本当に向き合うべきものとは
この「楽な方を選ばない」という物差しは、事業の設計そのものにも表れている。次の転職先が決まることだけが、キャリア相談のゴールではないと金井氏は考えているのだ。求人を右から左に紹介する方が、事業としてはずっと手早い。それでも金井氏は、あえて時間のかかる道を選んだという。
「転職が決まる、どんな人生にしたいかが見えて行動できる、というところだけを目指しているわけではありません。過去になぜ自信がなくなったのか、なぜ周りの目を気にしてしまうのか、そうした根っこの部分も一緒に解消していきます」
目先の内定よりも先に、不安や迷いの根っこにある過去とも向き合うことを重視しているという。
過去・現在・未来がつながっていない状態だと、人は同じ悩みを繰り返し続けてしまう——これは、多くのクライアントと向き合う中で金井氏が得た実感だ。相談に訪れるのは、20〜30代を中心とした、すでにキャリアをスタートさせた社会人が多い。今の会社に残るか、転職するかという二択の手前で、そもそも自分は何をしたいのかが分からなくなっている人が少なくないそうだ。実際に相談を重ねていくと、将来どうありたいかと、そのための具体的な行動計画をきちんと描けている人ほど、結果を出せている傾向があるという。
「しっかりご自身と向き合っていただくと、どんな未来にしたいか、そのためのアクションプランまで見えてくる方がほとんどです。そこまで具体的に描けている方ほど、実際に結果を出されている印象があります」
目先の求人情報を追いかけるよりも先に、自分は何を望んでいるのかを言葉にできるかどうか。キャリアを築こうとするすべての人にとって、一つのヒントになるかもしれない。