「金利上昇=銀行株」で飛びつく人が大損する理由。著名投資家が警告する“真っ先に売られる”リスクと絶対防衛ポートフォリオ
本稿で紹介している個別銘柄:三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、ロッキード・マーティン(LMT)、ボーイング(BA)
円安が進めば、トヨタをはじめとする輸出株が上がる。金利が上がれば、銀行株が有利になる。2026年の相場を見ていると、そんなシナリオ”に乗りたくなる投資家もいるかもしれない。
しかし、投資スクール「Financial Free College(FFC)」を運営する株式会社Financial Free College取締役社長CEOの松本侑氏は、「円安だから輸出株」「金利上昇だから銀行株」といった単純な発想だけで銘柄を選ぶのは危険だと指摘する。
実際、円安による株価の上昇余地はすでに限定的になりつつあり、金利上昇もすべての金融株に追い風になるとは限らない。では、相場を動かすニュースに振り回されず、どこを見て投資判断をすればよいのか。
今回は、松本氏に金利上昇局面で押さえておきたい日米株の選び方と、急落時にも慌てないポートフォリオの考え方を伺った。インタビュー連載全3回の第1回。
「円安=輸出株」はもう古い?本当のリスクは金利
ーー円安進行でトヨタなど外需株への期待が高まっています。この流れは続きますか。
たしかに、日経平均構成銘柄の多くは円安の恩恵を受けやすい外需企業です。円換算での収益が押し上げられるため、株高の要因になるのは事実です。一方で、ニトリのように輸入コストの負担が重くなる内需企業にとっては強烈な逆風になります。
ただ、現在の為替水準を考慮すると、これ以上の過度な円安進行は為替介入への警戒感もあって、ある程度のレンジに収まる可能性が高いと見ています。円安による株高のアップサイドは、すでにかなり限定的になっていると考えるべきでしょう。
ーーでは、個人投資家が今の相場で最も警戒すべきポイントは何でしょうか。
むしろ注視すべきなのは金利上昇の影響です。日本の長期金利が本格的に上昇する局面は、過去20年近く経験がありません。そのため、市場全体が金利の変動に対してどれだけ耐性を持っているか、正確に測り切れない部分があるのです。
一般的に、金利が上がれば企業はお金を借りにくくなり、設備投資や消費が冷え込みます。また、安全資産である債券の利回りが上昇するため、相対的にリスク資産である株式の魅力が薄れ、株価全体が下落しやすいメカニズムが働きます。
ーー金利が上がれば、株式市場に長期的なダメージを与える懸念があります。
短期的には下落圧力がかかる場面もあるはずです。しかし、2022年の米国市場を思い出してみてください。
当時、アメリカは急速な利上げを行い、ハイテク株を中心に大きく売られました。ですが、その後高金利が定着しても、米国市場は力強く持ち直しています。
この過去の事例を踏まえると、日本で金利上昇による一時的な調整があったとしても、長期的なトレンドを崩すほどのダメージにはならない可能性が高いです。
バイ・アンド・ホールドを前提とする長期投資家であれば、過度に恐れる必要はなく、むしろ絶好の買い場として捉えるスタンスが無難でしょう。