100万円が20年後には「55万円」に? インフレ時代に現金を持ち続けるリスクを個人投資家が指摘
長く続いたデフレを脱し、2022年ごろからインフレに転換した影響もあり、2026年6月には日経平均株価が過去最高の7万円台を記録した。株式市場が盛り上がりを見せており、株式投資に関心を抱いている人は少なくない。しかし、そういった人の多くが、せっかく稼いだお金を減らしてしまう可能性を想定して、最初の一歩を踏み出せずにいるのではないか。8月28日に発売された『17人の「億り人」を生み出した投資家が教える 投資初心者が「最初の100日」でやるべきこと』(クロスメディア・パブリッシング)の著者で、個人投資家のDUKE。氏に、今だからこそ投資を始めるべき理由を聞いた。全4回の第1回。(聞き手・望月悠木)
みんかぶプレミアム連載「株式投資で億り人に」
現金の価値は年々目減りしている
――最近はインフレに転換していますが、投資家として現状をどのように見ていますか。
総務省が発表する消費者物価指数を見ても、インフレはすでに完全に定着しています。2022年半ば以降、大体2〜3%程度の物価上昇が続いており、これは2021年以前のデフレ環境とはまったく違う状況です。仮に年3%のインフレが続くとすると、今100万円の現金を持っていたとして、20年後には価値としておよそ55万円、45%ほど目減りする計算になります。
銀行の普通預金に置いておいても、多少の利息はつきますが、それを上回るペースで資産価値は目減りしていく。何かしらの代替資産を検討したほうが良い局面になりました。例えば、ポケモンカードの転売が一時期は頻繁に報じられていました。ポケモンカードそれ自体、もしくは買ったカードの価値が下がるリスクは想定されますが、それでも何もせずに現金のまま、もしくは銀行預金のまま資産を持っておくことも十分にリスクのある時代になりました。
――このインフレ傾向は今後も続くと見ていますか。
過去10年のデータを見ても、この傾向は今後も続く可能性がかなり高いと考えています。現在の高市早苗政権が掲げている経済政策も、積極的な投資を軸としたインフレ方向の政策です。政府がインフレを志向している以上、この流れが大きく反転する可能性は低いと見ています。
また、先述した資産目減りの計算は、あくまで国内のインフレ率だけで見たものです。仮にここからさらに円安が進めば、対外的な価値の目減りはより大きくなります。目先は日米当局による介入もあり、今以上に円安が加速するとは考えにくいですが、140~150円台といった水準は定着していくかもしれません。
――そもそも、こうしたインフレの定着は、以前から予想されていましたか。
正直なところ、これほどインフレが定着するとは、10年前にはなかなか想像できませんでした。当時の日銀総裁もリフレ政策を掲げていましたが、思うようにはいかなかった。今のインフレは、「日本国内で何かを頑張った結果」というより、海外の紛争などによる原材料価格の上昇が起点となった「コストプッシュ型」の影響です。それが賃上げや値上げにつながり、本格的になった側面があります。こういった状況になることを以前から予想できていた人はそう多くなかったのではないでしょうか。