暴落はくる? 為替は? 3億円超運用の投資家が想定する「今後のシナリオ」
2025年4月から2026年6月まで、1年2カ月にわたって走り続けた日本株。日経平均株価は6月に7万2831円の天井をつけましたが、そこから上値が重い展開が続いています。
3億円以上の資金を運用する個人投資家のkenmoさんは、この相場をどう見ているのでしょうか。
これからポートフォリオに入れるべきものは何かを伺いました。インタビュー連載全2回の第1回。
日経平均株価ひとまず休憩? それはいつまで?
ーーこれからの日本株のシナリオはどのように考えているかお聞かせください。
今年前半は非常に強い相場でしたが、どんなに強い相場でも、一旦どこかで勢いは必ず止まり、調整が入るものです。2025年4月から2026年6月まで、1年と2カ月にわたって上昇相場が続いてきたわけですから、半年か1年程度休むのは自然なことです。
6月に日経平均株価は7万2831円の天井をつけ、そこからまだ3カ月ほどです(取材日:9月14日)。今この段階で「次に上がる銘柄は何か」「日経平均はこのまま高値を取っていくのか」といった議論をするのは、時期尚早。もう少し休憩させてほしいし、年内いっぱいは休ませてほしいというのが本音です。
周りの投資家を見ても、レバレッジを落としていたり、長期のポジションは持ちつつも短期の売買は打診買いのレベルにとどめていたりと、レバレッジをかけた大きなトレードを控えている人が非常に多い印象です。そうした中で、方向感のない相場が秋から冬くらいまでは続くのではないかと見ています。
取材日の日経平均株価は6万3000円台で、高値が7万2831円ですから、高値を抜けるには9000円上げる必要があります。ここから一気に上げるような相場が来れば「これで高値を抜けるのではないか」という雰囲気がマーケットに出てくるはずですが、そう簡単に7万2831円を超えるとは思っていません。一度か二度、上値を試しながら抜けていくような形になると思います。さすがに6万円を割れていく展開にはなりにくいと思いつつ、6万2000円から3000円あたりを下限、7万2000円あたりを上限とするレンジ相場が半年ほど続き、来期の業績見通しが見えてきたタイミングで方向感が見えてくるというのが、ざっくりしたイメージです。
暴落が来る可能性は?
ーーこれだけ大きな相場が来て、暴落という暴落はまだ来ていない気がします。暴落が来る可能性は警戒されていますか。
これは構造が変わっている、というのが私の見方です。長期金利が3%を超える中、円の価値が下落しています。基準となる通貨の価値そのものが足元でどんどん下がっている以上、過去のような大きな日経平均の暴落は、株式の価値がそれ以上に大きく下がる必要があり、構造的に起こりづらいと思っています。要は、日経平均が6万3000円でずっと推移していたとしても、円の価値が下がり続けているので、その6万3000円の価値は目減りし続けているということです。
ここ最近の日経平均株価やインデックスが大きく暴落するときの構図は、結局のところ大きく上げた後の反動です。今年の2月、3月に日経平均が5万9000円をつけた後、5万558円まで8000円強下げましたが、あれは上げすぎた反動で大きく調整したものでした。この種の急落は今後も起こりやすいと思いますが、暴落を測る基準となる円の価値そのものが下落している最中ですし、金利上昇分以上に企業は業績を伸ばせていますから、長期的な下落トレンド入りは考えなくても良いでしょう。
もちろん日経平均はAI半導体をはじめとする大型株の構成比率が非常に大きいので、設備投資やAI投資が抑制されるといった話で、そのセクターが大きく調整することはあり得ます。それでも、構造的に暴落は起きにくいですし、あまり考えすぎない方がいいのではないかと思っています。
ーードル円は今日153円台で推移しています。一時期から考えると、基軸通貨にしては動きすぎではないかと思うほど動いていますが、この動きはどう見ていますか。
ニュースで言われているのは、米国債を買っていた投資家がリスクヘッジやリスク分散の目的で、長期金利が3%を超えてきた日本国債にも投資妙味を感じ始めたという話だと思います。米国債を売り、ドルを売って円に替え、日本国債を買うという動きが一定程度出てきていて、それがこれからさらに続くかどうかというところでしょう。
巷ではドル円が150円を割って140円台まで行くのではないかという話もありますが、行っても145円から150円くらいだろうと思っています。そこを大きく割って円高に進むようなことは、日本も米国もあまりしてこないのではないでしょうか。
一点だけ懸念点を挙げるとするなら、企業業績です。ドル円の想定を150円台後半に置いている上場企業は非常に多いので、今の水準ならぎりぎり想定内ですが、ここからさらに円高に進むと、通期業績の下方修正というよりも、来期のガイダンスを保守的に出さなければいけないという警戒感が出てくるかもしれません。ドル円は行っても145円だと思っていますが、150円から145円まで進む可能性はあり、それによって輸出企業の来期見通しが弱含んで出てくるかもしれないというのは気になるところです。