資産形成とは?20代・30代でも始めやすいおすすめの方法も紹介

みんかぶ編集室
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資産形成とは? 20代・30代でも始めやすいおすすめの方法も紹介

「現在、資産運用をしていますか?」という質問に対し、各年代でおよそ6割弱が「はい」と回答しています。資産形成というと、比較的年配の人が取り組むイメージがあるかもしれませんが、公的年金制度の不安や、「今の会社で給与がなかなか上がらない」「雇用が流動化している」といった理由から、若い年代でも資産形成に取り組む人が増えています

この記事では、資産形成とは何か、年代別に見た資産運用の方法、シミュレーションなどについて紹介します。特に、将来のお金に不安がある20~40代の人は、ぜひ参考にしてください。

(みずほ銀行「実はみんなやっている?資産形成をしている人としていない人の違いとは」より引用)

目次

資産形成とは?

資産形成とは?

資産形成とは、将来の大きな支出への不安を解消するために、早い段階から資金計画を立てることをいいます。令和元年(2019年)に金融庁ワーキンググループは、「一般的な無職高齢者世帯では、老後2,000万円が必要」ということを発表しました。しかし、2,000万円不足すると分かっていても、1年、2年という短い期間で用意することは難しいのではないでしょうか?

そこで、資産形成の登場というわけです。早い段階で将来の不安を予測し、十分な時間をかけて適切な準備をしていけば、大きなお金でも用意できる見通しが立てられます。ひいては、将来の漠然とした不安がなくなり、今すべきことに安心して向き合えるようになります。

金融庁では資産形成について、次のように定義しています。

“「資産形成」には、「貯蓄」と「投資」の2つの方法があります。

様々な考え方がありますが、一般的には、「貯蓄」とはお金を蓄えることで、銀行の預金などがこれに当たります。一方、「投資」とは利益を見込んでお金を出すことで、株式や投資信託などの購入がこの「投資」に当たります。”

金融庁HP「投資の基本」より引用)

例えば、「現在、まったく貯金がない」「万一の時のお金の準備ができていない」という方なら、まずはお金を貯めることから始めるといいですね。労働収入を得ながら資産を作っていく時期になります。
しかし、お金はすぐに貯まるわけではありません。もしもご自分に万一のことがあった時に、必要となるお金の準備ができいないという場合には、保険に加入しておくことも備えになります。
また、現金がいくらあれば十分なのか、金額度合いも人それぞれに異なります。
資産を一から形成していく場合には、ライフプランを見極めて準備していくことをお薦めします。

次に、十分な貯蓄ができた段階からは、お金をさらに増やす「資産運用」していくことも行っていきましょう。具体的には、株式や債券等に現金を投資して、資産を増やしていくといった運用方法です。
投資と聞くと「損をする」とイメージされる方も多いですが、投資する金融商品を分散して持つことでリスクを回避することができ、バランスよく資産を運用することが可能になります。

今の自分、未来の自分のためにも、自分に合った資産形成をしっかり考えていきましょう。

貯金だけではダメな理由

貯蓄だけではダメな理由

貯金好きと言われる日本人は、「無駄遣いせずにコツコツ節約をしながら貯蓄していく」といった資産形成をしている人がほとんどです。しかし、超低金利時代の今、「貯金」だけの資産形成では、お金はいっこうに増えません。単純に「銀行にお金を預けておけば安心」という保守的な考えで貯金だけに頼ってしまうのはとても危険なんです。

労働収入がある現役時代であれば、毎月の貯金もできるので資産は徐々に増えていきますが、定年を迎えた後は、このお金を取り崩していくしかありません。減っていく資産をみて、残金を気にする生活を送ることになってしまいます。だからといって、資産をすべて投資してしまうというのもNG。
資産形成は「貯蓄」と「運用」のバランスが大切です。

銀行には、いざという時に必要なお金だけを預けておくと良いでしょう。
銀行はお金をいつでも引き出せるという利便性があります。生活費や日常に使う目的のお金は、投資ではなく貯蓄として預けておくと安心ですね。

そして、これ以外で貯蓄しているお金のうち、使い道が決まっていないお金や今すぐに使う予定のないお金は、資産運用の資金として考えてみましょう。
ただ銀行に置いておくのではなく、出番のないお金にはしっかり働いてもらうのです。

資産形成と資産運用の違い

資産形成は、一から資産を作り上げていくことです。したがって、働いて収入を得ることも、節約をして貯蓄を増やすこと、副業で収入を増やすことなども資産形成に含まれます。一方、資産運用は、株式の売買益や配当金、不動産投資で家賃収入を得るなど、手元の資産を使って、さらに資産を増やすことを差します。資産を増やすことは、資産を作り上げることでもあるので、資産運用は資産形成の方法の一つといえるでしょう。

資産形成の必要性

資産形成が必要な理由は、3つあります。まず1つ目は、定年退職後の生活費が公的年金だけでは補えない可能性があることです。2つ目は、給与所得者の給与水準が平成20年と比べてほとんど増えておらず、今後も増える見通しが立たないこと。3つ目は、インフレーション(以下、インフレ)で物価が上昇する可能性があることです。

なお、それぞれの理由については、「資産形成の必要性はある?」で、詳しく解説しています。

資産形成を始めるメリット

資産形成とは? 20代・30代でも始めやすいおすすめの方法も紹介

資産形成を始めると、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか?おもなメリットしては、以下の3つが挙げられます。

  • 老後不安を解消できる
  • 給料だけに依存する生活から抜けられる
  • 結婚、子育てなどライフイベントにかける予算を増やせる

以下、それぞれのメリットについて、詳しく解説します。

老後不安を解消できる

生命保険文化センタのー令和3年度(2021年度)「生命保険に関する全国実態調査」によると、約7割の人が老後の生活資金を補うための準備資金に、なんらかの不安を感じています。また同調査によると、夫婦の老後生活資金として公的年金以外に必要と考える資金額に関し、世帯主が60~64歳の場合、月「20.2万円」、65歳以降では「16.1万円」となっています。この金額はあくまでもモデルケースですが、自分が老後に必要だと考える生活費を資産形成によって準備できていれば、老後不安を解消することができます。

給料だけに依存する生活から抜けられる

以下の表は、日本の給与所得者の平均給与額の推移です。この表によると、日本の給与所得者の平均給与は、徐々に減少傾向にあることが分かります。しかし給与が増えなくても、資産形成によって給与の減少を自分でカバーすることが可能。また投資を活用すれば、より増やすことさえ可能となるのです。

(出典:厚生労働省

現状、公的年金の支給開始年齢は、原則65歳からなので、仮に60歳で定年退職した場合、何もしなければ5年間は無収入となります。しかし、以下の厚生労働省が公表している「令和2年高年齢者の雇用状況」によると、多くの企業で定年制を廃止しており、雇用延長によって定年退職後も働き続けられる環境が整っています。

”③ 定年制廃止企業の状況 

定年制の廃止企業は4,468社[171社増加]割合は2.7%[変動なし]

 中小企業では4,370社[161社増加]3.0%[0.1ポイント増加]  

大企業では98社[10社増加]、0.6%[0.1ポイント増加]”

厚生労働省より引用)

とはいえ、企業の構造改革の必要性から、一定年齢を超えた人材に早期退職を求める企業が増えており、雇用の流動化が進んでいます。そのため給与も変動しやすくなり、定年退職まで安定した給与は望めない可能性があります。このように、給与も減少傾向にあり、雇用も流動化している昨今、資産形成によって給与に頼らないお金の増やし方を知っているということは、大きなメリットです。

結婚、子育てなどライフイベントの予算を増やせる

早い段階から資産形成し、余裕資金を増やしておけば、結婚式や新婚旅行、子供の教育費といった一世一代イベントにおいても、理想に近い形で実現できる可能性が高まります。

どの程度の貯蓄が必要となるのかはライフプランによって異なりますが、たとえば平均的な生活を送るためにはどの程度の資産が必要となるのでしょうか。各ライフイベントや老後の資金について、具体的に見ていきましょう。

結婚

結婚披露宴はご祝儀を引いてもおよそ150万円ほどかかり、新婚旅行や婚約指輪、新生活の準備費用などにも大きなお金がかかります。旅行代に50万円、指輪代に30万円、新居費用に50万円程度と考えると、結婚から新生活までで平均的な金額でもおよそ300万円ほどの費用がかかる見込みです。

出産や子育て

出産や子育てにも大きくお金がかかります。出産には入院費用やベビー用品など合わせて50万円程度がかかるといわれています。これらは出産育児一時金の支給により一部賄えるものの、出産後に受け取るものであるため事前に貯金が必要です。また、子どもを大学卒業まで育てるのにかかる学費や課外活動費などは合計で1000万円程度とされています。さらに私立中学への入学や塾の利用する可能性を考えると、より多くの費用がかかるでしょう。

マイホームの購入

人生で最も大きな買い物といえば、マイホームでしょう。国土交通省が発表している「令和3年度住宅経済関連データ」によると、令和2年の首都圏マンションの平均価格は6083万円で、これはインフレなどの影響で年々上昇傾向にあります。

資産形成の主な種類

資産形成する方法として、資産を増やす部門4種類と、資産を貯める・守る部門2種類の、合計6種類を紹介します。

資産を増やす部門

  • NISA・iDeCoの活用
  • 投資信託
  • 株式投資
  • 転職・副業
  始めやすさ 想定リターン リスク 必要資金目安 特徴
NISA・iDeCoの活用 0.5%~7%程度 小~中 NISA100円~
iDeco5,000円~
・少額で始められる
・投資先が厳選されているため選びやすい
投資信託 0.5%~15%程度 小~中 100円~ ・少額からお試しで始められる
・長期投資であれば勝率が高い
株式投資 やや難 数%~数百% 数百円~ ・リターンの大きさが魅力
・企業分析などの専門知識は必要
・リスクも大きいため初心者には少し不向き
転職・副業 やや難 ・投資元本を増やせるため、資産が伸びる速さは上がる

資産を貯める・守る部門

  • 先取り貯金
  • 節税・節約
  始めやすさ 家計への効果 即効性 特徴
先取り貯金 ・浪費を防ぐ事ができる
・突然の出費やライフイベントに備えられる
・誰でも可能
・減ることがない
節税・節約 ・出ていくお金を減らす事ができる
・節税・節約分を投資に回せば相乗効果も◎
・家計にゆとりが出る

資産を増やす部門

NISA・iDeCoの活用

NISAとiDeCoは、ともに個人の金融資産を貯蓄から投資に振り向けるために、税金の優遇制度が用意されています。

NISAのメリットは、投資の運用益に税金がかからないこと。一方iDeCoのメリットは、NISAのメリットに加えて掛け金が全額所得控除になることです。また、受け取り時も税制の優遇があります。ただしiDeCoは、原則60歳まで投資額を引き出すことができません。柔軟な使い道を希望する場合はNISA、投資が老後資金の準備と確実に決まっている場合は、iDeCoを利用すると良いでしょう。

NISA制度 iDeCo
【税制優遇】
運用益非課税
【税制優遇】
所得控除
運用益非課税
受け取り時の税制優遇
【運用期間】
NISA 5年
つみたてNISA 20年
【運用期間】
原則20~60歳
【非課税投資となる金額】
つみたてNISA 年間40万円まで
【非課税投資となる金額】
年間14.4万~81.6万まで(職業や企業年金によって異なる)

NISA・つみたてNISA

NISAは年間投資額120万円まで、つみたてNISAは年間投資額40万円までなら、分配金や売買益が発生しても税金がかかりません。また、非課税期間はNISAが5年間、つみたてNISAは20年間となっています。投資対象も両者は少し異なっており、NISAは国内株式や海外株式の個別銘柄や幅広い投資信託が投資対象に含まれているのに対し、つみたてNISAは投資対象が金融庁の基準をクリアした投資信託に限られます。

積極的な運用を希望する場合はNISA、老後資金準備などのリスクを抑えながら長期的に資産を育てていきたい場合はつみたてNISAが向いています。

【NISAの特徴】

  • 運用益非課税
  • 非課税期間が決まっている
  • 投資信託に投資ができる
メリット デメリット
運用益に税金がかからない 元本割れする可能性がある
大きく資産を増やせる可能性がある 損失が発生しても損益通算できない
いつでも引き出せる 非課税枠の繰り越しはできない

つみたてNISAで運用した場合と、一般の投資信託で運用した場合の違いを見てみましょう。

  積立額 運用利回り 運用期間 元本 運用成果 税金 増えた金額
つみたてNISA 3万円 3.0% 30年 1,080万円 約1,748万円 0円 約668万円
NISA口座ではない投資信託 3万円 3.0% 30年 1,080万円 約1,748万円 約135万円 約533万円
つみたてNISA 1万円 5.0% 30年 360万円 約832万円 0円 約472万円
NISA口座ではない投資信託 1万円 5.0% 30年 360万円 約832万円 約95万円 約377万円

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは、老後の資産形成を後押しするための制度として誕生しました。iDeCoの最大のメリットは、掛け金が全額控除になる点です。お勤めの人の場合は、年末調整で税金の還付が受けられ、個人事業主の人は所得を減らすことができるので、節税効果があります。さらにNISAと同様、運用益が非課税になるうえ、60歳まで運用して受け取りの段階においても税金の優遇があります。

一方、iDeCoのデメリットとしては、一度スタートしたら60歳までは掛け金の引き出しができない点です。またiDeCo場合、お勤めの人はあまり大きな掛け金を設定することができず、公務員は月1.2万円、会社員は月2.0万~2.3万円が上限です。

メリット デメリット
掛け金が全額所得控除になる 60歳まで引き出しができない
運用益非課税 元本割れすることがある
受け取り時の税制優遇 加入できる金額が少ないことがある

以下、iDeCoで運用した場合のシミュレーションを見てみましょう。

【年収500万円、年齢30歳、掛け金1.2万円(月額)iDeCoに30年加入した場合】

(※1)運用益に対して20.315%の税率で計算。

  30年間合計
所得税と住民税の節税額 約86万円
運用益 約267万円
元本 432万円
元本+運用益 約699万円
運用益非課税のメリット 約54万円(※1)

投資信託

投資信託は、投資家がお金をプロのファンドマネージャーに託し、投資家に代わってファンドマネージャーがさまざまな国や銘柄に分散投資して運用する金融商品のこと。債券や不動産などに特化したものや、多くの資産にバランス良く分散投資する投資信託など種類も豊富で、そのうえ分散投資の効果が働き、比較的安全な運用ができます。

ただし元本保証がないうえ、投資のプロにお任せするという性質上、信託報酬という手数料が資産から毎日差し引かれるといったデメリットがあります。また、投資信託は上場していないため、株式のようにリアルタイムの価格で取引ができず、「ブラインド方式」という、売買取引が基準価格を公表する前に締め切られる方法が採用されています。

メリット デメリット
プロが運用してくれる 元本割れする可能性がある
分散投資の効果がある 手数料がかかる
種類が多い タイムリーな売買はできない

以下は、投資信託で運用した場合のシミュレーションです。

積立額 運用利回り 運用期間 元本 運用成果 税金 増えた金額
5万円 3.0% 20年 1,200万円 約1,641万円 約89万円 約352万円
1万円 1.0% 30年 360万円 約419万円 約11万円 約48万円

株式投資

個別の企業の株式を購入することで、その会社の事業に出資することになります。会社は、出資を受けたお金を元手に事業活動を行い、収益が出れば投資家に分配金を支払います。この分配金のほか、上下する株価の売買益が投資家の利益となります。企業によっては、一定数量の株式を一定時期まで保有していると、その企業からの優待サービスや、商品がプレゼントされるなど、株主優待を受けられることもあります。

一方株式は、元本保証がありません。また、株式は100株単位など購入単位が決まっていて、比較的大きなお金がなければ、希望する企業の株式を購入することができません。さらに、会社によっては流通量が少なく、売買したくても売買相手が見つからず、取引が成立しないことがあります。

メリット デメリット
売買益、配当金が有る 元本保証がない
株主優待銘柄もある 投資額は高め(ただし単元株未満でも取引できることもある)
企業経営に参画できる 思ったように売買できない可能性がある

以下は、株式投資(100株単位と購入単位が決まっている企業の)で運用した場合のシミュレーションです。

  5年前の最高値 5年間の最低値
A社に90万円投資していたら 約106万円 約58万円
B社に68万円投資していたら 約120万円 約26万円
C社に59万円投資していたら 約109万円 約56万円

転職・副業(収入を増やす)

 今よりも収入の良い会社に転職したり、副業したりすることで、収入アップが期待できます。しかし、「転職先で人間関係がうまくいかなかった」「副業がうまくいかず、大きく貯金を取り崩してしまった」など、失敗することも考えられます。また収入が増えることで、社会保険料や所得税額が増加し、手取りがほとんど変わらない可能性もあるので、注意が必要です。なお副業を始める場合は、会社の了解を得ることと、本業に支障が出ない程度にすることも、心掛けましょう。

メリット デメリット
収入が増える 失敗する可能性がある
新たなスキルが身につく 社会保険料が負担になることが有る
視野が広がる 所得税や住民税の負担が増えることが有る

以下は、転職・副業をした場合のシミュレーションです。

  生活費 手取り月収 毎月の貯蓄額
転職・副業前 20万円 23万円 3万円
転職後 25万円 5万円
副業を開始 23万円+副業2万円 5万円

資産を貯める・守る部門

ここからは、資産を貯める守る方法を紹介します。資産形成では、増やすことばかりではなく、資産の一部を貯める・守ることも併せて考える必要があります。

貯金

 ここでいう「貯金」とは、普通預貯金、定期預貯金、積立定期預貯金などを表します。お金を金融機関に預けておけば、金融機関が破綻しない限りは、元本割れすることなく、利息が受け取れます。口座さえ持っていれば、とくに手続きをすることなく、急な用事でお金が必要になったときには、いつでも引き出すことが可能ですが、逆にいつでも引き出せてしまうため貯まりにくくなる点に、注意が必要です。

預貯金の金利は低いため、資産を大きく増やすことができません。また、世の中の物価が継続的に上昇すると、お金の価値が目減りしてしまうインフレリスクがあることも知っておきましょう。

メリット デメリット
元本割れする可能性は低い ほとんど増えない
口座があればとくに手続きをしなくて済む インフレリスクがある
使いたいときに使える 無駄遣いをしてしまう

以下は、預貯金のシミュレーションです。

  元本 金利 1年後の利息(税引前) 1年後の利息(税引後)
普通預金 100万円 0.001% 10円 9円
定期積立預金 100万円 0.002% 20円 16円

節税・節約

日々の生活費を節約したり、個人でできる節税を活用したりすることも、資産形成の1つです。投資ではないので、コストがかからず、お金が減ることなく始められます。節約した金額を投資に向ければ、さらに効果がアップします。節約に関しては、食費や生活費を節約するよりも、生命保険やスマートフォン代金など、毎月支払いが必要な「固定費」を削減すると、効果が高いです。

ただ、こうした固定費の削減は、保険だと営業担当者との打ち合わせや手続きなど、多少の手間がかかるでしょう。また節約は、家族の協力を得ることも必要な場合があります。節税については、例えばiDeCoは、専業主婦には節税効果がないなど、専門家のアドバイスが必要になることがあるので、慎重な判断が必要です。

メリット デメリット
コストがかからない 見直しに手間がかかる
元本割れするリスクがない 家族の協力が必要なことも
投資と組み合わせると効果が倍増する 節税は知識が必要なことがある

以下は、節約・節約のシミュレーションです。

  生活費 月の削減額 改善前の毎月貯金額 改善後の毎月貯金額
節約 20万円 2万円 3万円 5万円
節税 1万円 4万円
節約+節税 節約2万円+節税1万円 6万円

資産形成の例|どれくらいの効果&リスクがあるの?

ここまでは、資産を増やす部門、貯める・守る部門に分けて紹介してきましたが、実際どれくらいの効果やリスクがあるのでしょうか? 20代、30代、40代のケースそれぞれについて、実際にシミュレーションしてみました。

資産形成の例1:20代

条件:20代後半 ・男性・ 独身

年収:400万円

現状:結婚を考えている相手はいる。毎月5万円ほどの余裕資金はあり貯蓄に回している。

【貯蓄額の半分を運用】

  20年後の想定金額
節税・節約(毎月2万円) 2万円×12ヶ月×20=480万円
貯蓄額の半分をつみたてNISA/iDeCo 元本は月2.5万円×12ヶ月×20年=600万円
毎月2.5万円を3%で運用をすると20年後は約820万円
残りの2.5万円を毎月0.002%の定期積立預金で運用すると20年後は600万868円
両方行った場合 480万円+820万円+600万868円=1,900万868円

【毎月の貯蓄額を全て定期積立預金】

  20年後の想定金額
節税・節約(毎月2万円) 2万円×12カ月×20=480万円
貯蓄のみの場合 元本は月5万円×12カ月×20年=1,200万円
5万円を毎月0.002%の定期積立預金で運用すると20年後は税引後1,200万1,833円
両方行った場合 480万円+1,200万1,833円=1,680万1,833円

貯蓄額の半分を利回り3.0%の投資をした場合と、貯蓄額を全額定期積立預金で積み立てた場合では、20年で約220万円の差が出てきます。

資産形成の例2:30代

条件:30代前半 ・男性・ 妻と子供1人(幼稚園)

負債:マイホームを持ち住宅ローンあり

年収:500万円

現状:給与は20代の頃と比べて増えたが、養育費や子供のための貯金に回すお金も増加。毎月10万円ほど余剰資金があるが、家庭用で5万円、子供の将来資金で5万円を貯金している。

【貯蓄額の半分を運用】

  20年後の想定金額
節税・節約(毎月3万円) 3万円×12カ月×20年=720万円
貯蓄額の半分をつみたてNISA/iDeCo 毎月5万円を3%で運用すると20年後は約1,641万円
残りの5万円を毎月0.002%の定期積立預金で運用すると20年後は1,200万1,833円
両方行った場合 720万円+1,641万円+1,200万1,833円=3,561万1,833円

【毎月の貯蓄額を全て定期積立預金】

  20年後の想定金額
節税・節約(毎月3万円) 3万円×12カ月×20=720万円
貯金のみの場合 元本は月10万円×12カ月×20年=2,400万円
10万円を毎月0.002%の定期積立預金で運用すると20年後は税引後2,400万3,761円
両方行った場合 720万円+2,400万3,761円=3,120万3,761円

10万円を毎月積み立てた場合と、貯蓄額のうち5万円を運用に回すと、20年間で約440万円の差が出てきます。

資産形成の例3:40代

条件:40代後半 ・女性 ・夫と子供2人

年収:500万円

現状:子育ても一段落し、一番上の子供は大学進学、もう1人は私立高校に在学中。自分自身の老後資金を作らなければと模索中。余裕資金は10万〜15万円。

【貯蓄額の半分を運用】

  20年後の想定金額
節税・節約(毎月4万円) 4万円×12万円×20年= 960万円
貯蓄額の半分(7.5万円とする)をつみたてNISA/iDeCo 毎月7.5万円を3%で運用すると20年後は約2,462万円
残りの7.5万円を毎月0.002%の定期積立預金で運用すると20年後は1,800万2,797円
両方行った場合 960万円+2,642万円+1,800万2,797円=約5,402万2,797円

【毎月の貯蓄額を全て定期積立預金】

  20年後の想定金額
節税・節約(毎月4万円) 4万円×12万円×20年 =960万円
貯蓄のみの場合 元本は月15万円×12カ月×20年=3,600万円
15万円を毎月0.002%の定期積立預金で運用すると20年後は税引後3,600万5,690円
両方行った場合 960万円+3,600万5,690円=4,560万5,690円

このように、節約・節税、貯蓄、20年という年月をかければ、まとまったお金を作ることができます。資産形成するための時間が取れるよう、早めに気付いて行動することが大切です。

資産形成の始め方・やり方

ここまでは、時間をかければ資産形成で大きな資金を作ることができる、ということを紹介しました。しかし、具体的に何から始めていけば良いのか、疑問を持つ人も多いのではないでしょうか? ここからは、資産形成を始めるまでのステップについて紹介します。

1.資産形成の目的を設定する

資産形成は、まずその目的を設定することが大切です。20年後の老後資金に備えるのと、5年後の教育費を備えるのとでは、毎月の準備額も、準備する方法も異なるからです。また、目的もなく必要以上に貯蓄に回してしまうと、本来もっと有用に使うべき機会を逸してしまうことにもなります。まずは、自分が資産形成する目的は何か、老後資金なのか、教育費なのか、新婚旅行の費用なのか、いつまでに用意するのかといった資産形成の目的を設定することが大切です。

2.資産形成の方法を決める

資産形成の目的を設定したら、どの方法で資産形成していくかを決めていきます。それぞれの資産形成の方法について、お金の増やしやすさ、お金の減るリスク、始めやすさ、必要知識という観点から、一覧表にまとめてみました。以下の方法のうち、いずれか1つだけではなく、複数組み合わせる方法もあります。

  お金の増やしやすさ お金が減るリスク 始めやすさ 必要知識
投資信託 増やしやすい 小~中 始めやすい 必要
NISA制度 とても増やしやすい 小~中 比較的始めやすい 必要
iDeCo とても増やしやすい 小~中 始めやすいが、始めるまでに時間がかかる 必要
株式 とても増やしやすい やや難しい とても必要
転職・副業 増やしやすい なし 理想の転職先がなかなか見つからない可能性がある 必要
貯金 ほとんど増えない ほとんどない 始めやすい ほとんど不要
節約・節税 増やしやすい なし 始めやすい 必要

▶︎「30代・40代におすすめの資産形成は?ライフステージに合った方法をわかりやすく解説」へのリンク設置()

3.無理のない範囲で継続する

自分の目標に合った資産形成を選んだら、まずは無理のない範囲で継続してみましょう。始めたばかりの頃は、「生命保険料を節約しようと思っても、思ったように下がらなかった」「スマートフォン代金を見直したけれど、違約金を取られて結局節約にならなかった」「投資を始めたけれど、失敗してしまった」など、選択した資産形成の方法がうまくいかないことがあるかもしれません。

資産形成のどの方法を選んだとしても、最初からうまくいかない可能性は十分あります。固執するのも良くありませんが、それぞれの資産形成をまず始めてみて、失敗して学び、さらに勉強して新しい方法を試みる、という改善の繰り返しが必要です。とくに投資は、初心者にとっては短期的な値動きにストレスを感じてしまう傾向があります。資産形成を始めたばかりの初心者の時期は、まず無理のない範囲で継続してみて、勉強、トライ、改善を繰り返すことも大切です。

20代におすすめの資産形成

20代におすすめの資産形成は以下の通りです。

  • つみたてNISA
  • 投資信託
  • 株式投資(単元未満株)

20代には、資産を積極的に増やす資産形成がおすすめです。その理由としては、資産運用は時間をかければかけるほど、リターンが少なくても、大きな資産に育てることができるからです。また、仮に資産形成でリスクを取ったとしても、今後長期間にわたって安定して受け取ることができるため、挽回する時間が十分にあります。ハイリスク、ハイリターンの株式投資も単元未満で購入でき、少額でスタートできる環境が増えているので、挑戦してみるのも良いでしょう。

「20代だけどリスクを取りたくない」と考えている人は、安定した値動きの資産を組み合わせる分散投資を取り入れるだけでも、資産を増やす効果があります。20代は、まだ給与が高くない傾向にあります。だからこそ、限られた給与を効率的に増やす術を身に付け、取り入れることが大切です。

30代におすすめの資産形成

30代におすすめの資産形成は、以下の通りです。

  • 貯金&節約
  • つみたてNISA
  • iDeCo(個人型確定拠出年金)

30代は、一般的には家族ができて、子供が生まれて、今後の教育費や住宅ローンの返済などが発生するなど、これから人生で最も支出の多い時期を迎えます。そのため、まずは貯金や節約で生活に使える現金にゆとりを持たせ、余った分をリスクのある資産運用に回し、将来の老後資金の準備も並行して行っていく必要があります。

まとめ

今回は、資産形成や資産形成のメリットなどについて紹介しました。公的年金の支給額は、少子高齢化によって今後も減少していく可能性が高く、企業の給与も増えにくいため、より効率的にお金を使う必要があります。資産形成の方法をうまく活用すれば、時間をかけて大きな資産にしていくことができます。大切なのは、まず現状に気付くことです。気付いて早めに資産形成に取り掛かることができれば、有利な準備をすることができます。

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三菱UFJ銀行から、資産形成の総合的なサポートを目的としたサービス「Money Canvas」の提供が開始されました。
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商品の検討や購入はスマートフォンで可能。リスク許容度に応じた運用スタイルの診断サービスも行なっているので、是非チェックしてみてください。

MoneyCanvas

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