投資家レイチェル「金持ちになりたいなら『投機は必要』」…”嫌われ者”レバレッジの正しい使い方

 自身のTwitterやnoteで株投資の情報を発信しているレイチェルさんは、「投資をすると確実にお金持ちになれる」と話す。レイチェルさんの考える、「最低でもお金持ち」になれる投資信託、「運が良ければ超お金持ち」になれる個別銘柄・投機的な商品とは――。全4回中の3回目。 

※本稿はレイチェル著『月3万円で3408万円の超安心資産をつくる!毎月“5分”のシン・米国株投資術』(KADOKAWA)から抜粋・再編集したものです。 

第1回:すみません、複利ってなんですか? 知らない日本人はこれから「野垂れ死にます」
第2回:やっぱり「S&P500」か、それとも「オルカン」か…米株投資のレイチェルが出した答えとは
第4回:日経電子版で朝5時に配信される”とある記事”…米株投資家なら「絶対読め」

結論は「投資信託」+「個別銘柄」+「投機」 

 早速ですが、あなたがとるべき投資戦略は、ズバリ、「将来、確実にお金持ちになれて、しかも、うまくいったら超お金持ちになれちゃう戦略」です。「いや、そんな戦略あるんかい!」とツッコみたくなるかもしれませんが、あるんですよ。まず注目してほしいのは、「確実に」お金持ちになれること。何よりも優先したい、何よりも大事な点です。 

 うまくいけばお金持ちになるけど、失敗したら貧乏になる……、そんなイチかバチかの戦略ではありません。そんな戦略、私には怖くてとれませんし、みなさんにオススメも絶対できません。そうではなくて、どんなシナリオを描いたとしても、最低でも「お金持ち」になれる、そして運が良ければ「超お金持ち」になれる戦略、なんです。 

 これこそ、あなたにとって最も素敵な戦略となるはず……ですよね? では、どうすればそんな都合のいいシナリオを描けるのでしょうか? 全体像は一言でいえばこちら。必要な投資目標金額は「投資信託」でつくり、複利で確実に伸ばしていきながら、「成長性の高い銘柄(GAFAM)」でさらに伸ばし、「投機的な商品」を組み込むことによって、それらがうまくパフォーマンスを発揮すれば、大きな恩恵を受けられる。 

 つまり、この「投資信託」と「GAFAM」と「投機的な商品」の3つを、正しいバランスで保有することがこの戦略なんです。これを心がけるだけで、資産運用は必ず成功します。なぜなら、基本的には「投資信託」だけでお金持ちになれるから。「GAFAM」と「投機的な商品」は、宝くじのような感覚で考えてください。 

 宝くじは、当たらなければ1円にもなりませんが、当たれば大金を手にすることができますよね。先ほどもお話ししましたが、変化の激しい今の世の中では、ボラティリティ(変動幅)が大きい銘柄がたくさん存在しています。そして、それらは本当の宝くじよりも当たる確率が高いんです。投資信託については第2回で説明しましたから、ここでは 「GAFAM」と「投機的な商品」を説明します。

個別銘柄はGAFAMに決まり 

 投資信託でリスクを下げた投資を行ったら、次に検討をするのは、今後も成長が期待できるGAFAMです。「GAFAM」とは、グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook 現・メタ)、アマゾン(Amazon)、マイクロソフト(Microsoft)の頭文字をとったもの。アメリカ企業の中でも時価総額が大きく、革新性と成長性のある銘柄です。 

 2020年5月、驚くべきニュースが流れ、日本に激震が走りました。それは、GAFAMの5社の時価総額の合計が560兆円を超え、日本の東証1部上場2170社の合計を上回ったというものです。日本の2000社を超える企業を、アメリカのたった5社が超えたというのですから驚きですね。 

 この5社はみな、ビジネスで大きく稼いだ収益を、次のビジネスのための投資に惜しみなく使っています。ですので、世界の環境が目まぐるしく大きく変化しても、GAFAMはこれからも成長をし続ける可能性が高いといわれています。1社に集中して投資を行うのは危険性が伴いますが、GAFAMは例外。これほど成長を期待させてくれるのは、世界広しといえどGAFAMしかありません。リスク以上にチャンスを感じさせてくれる企業ばかり! 個別株で何かを選択するならば、GAFAMを差し置いてほかにはありません。 

 また、GAFAMの利点は成長性だけではありません。日々の経済ニュースにおいても、この5社のニュースはテレビやネットでたくさん報じられているため、新しい情報がキャッチしやすく、その点も投資向きといえるでしょう。日々の情報の積み重ねが、自分の投資と社会とをつないでくれます。なので、情報量の多いGAFAMは、投資を通じて社会を見るという観点からも、優れた銘柄なのです。 

投機=危険ではない 

 「投資信託」で分散してリスクを下げた投資を行い、次に、今後も成長が期待できる「GAFAM」を検討したら、最後は「投機」です。投機と聞くと、「ギャンブルなんでしょ? 一夜ですっからかんになってしまうのでは?」と怖がる人も多いかもしれません。たしかに、それくらいの拒否反応が出てもおかしくはありません。一般的に「投機はしてはいけない」と喧伝されているから。 

 けれど、ポートフォリオに投機的な商品は必要なんです。なぜかといえば、あなたの資産を大きく増やす可能性をもっているから! 資産を大きく増やすためには、一定のリスクをとる必要があります。場合によっては、投機的な商品の価値は0になってしまう可能性だってある。 

 でも、それでもいいんです。全然問題ありません! ここまできたあなたは、すでに投資信託で、必要な資産形成が完了しているでしょう。だから、もし投機的な商品での勝負に負けて失敗してしまっても、投資信託の分があるので、無一文になったりはしません。しかも、もし投機的な商品での勝負に成功したらどうなるでしょう? 資産がもっと大きく増えるんです。それなのに、投機という言葉だけで避けるのはもったいない! 

 みんなが投機をやらない間に、投機を正しく利用して、資産形成の武器にしましょう。リスクを理解したうえで正しく利用すれば、投機は資産形成の武器になります。もちろん、繰り返しますが、自分のポートフォリオのすべてを投機的な商品にするのは正しい利用方法ではありません。それはただのギャンブル、博打(ばくち)です。そうではなく、しっかりと投資信託を積み立てたうえで、プラスアルファの気持ちで取り入れてみてください。 

 オススメの投機的商品は「レバレッジ」と「仮想通貨」です。レバレッジとは、「てこの原理」という意味です。投資の世界では、借り入れをして自己資金を膨らませ、その資金を投資する方法を指します。自分が用意する資金は少額でも、大きなリターンを狙える一方、当然リスクも大きくなります。投機的な商品では、指数の2倍、3倍に連動する商品があります。 

 商品価値が上がれば価格は2倍、3倍と上がりますが、逆に2倍、3倍と下がることもある。つまり、うまく上昇すれば通常よりも遥(はる)かに速いスピードで資産が増えていき、逆に下落してしまえば一気に資産を減らしてしまうということ。極めて博打色の強い商品といえます。これを聞いただけでゾクゾクする人は、注意が必要かも。間違っても全資産をレバレッジに投入してはいけません。 

 「仮想通貨」は、暗号資産ともいわれ、ビットコインやイーサリアムなど、名前を聞いたことがあるかもしれません。こちらの特徴として、株よりもボラティリティが大きいということがあります。「ボラティリティが大きい」とは、価格変動の幅が大きいという意味。ようするに、短期間に価格が大きく上がったり下がったりするということ。1日で10~20%の価格変動も頻繁にあるのが仮想通貨であり、株よりも投機性が高い商品といえます。 

いくらずつ賭けるべきか?は人によって違う

 ここで質問です。「投資信託」と「GAFAM」と「投機的な商品」は、どのような割合で持つのが適切なのでしょうか? ちなみに、正解はありません。今のあなたの資産状況に応じて、その割合は変化します。ただし、指針となる考え方についてはお伝えできます。 

 適切な配分を決めるには、まず「投資信託」から考えてください。複利の効果をしっかり発揮して、確実にお金持ちになるために欠かせないのは、あくまで「投資信託」ということ。ですので、最初に決めるべきは、投資信託に入れる金額です。この金額が決まりさえすれば、残りの余った資金をGAFAMと投機的な商品に投入すればいいだけです。 

 では、投資信託の金額は、何を指標に決めるべきなのか? それは「1:最終的にいくらの資産があれば問題ないか」と、「2:今、現実的にいくらなら毎月積み立てることができるか」の2つの観点から考えるのです。 

 ぜび自分の頭で考えて、判断できるようになってください。そして、投資信託の金額さえ決まれば、残りの配分は適当で問題ありません。GAFAMでもいいですし、ネットやSNSで気になった銘柄を思い切って買ってみるのもいいでしょう。投資において何よりも大事なことは、楽しむことです。楽しくないと続けられないからです。投資は、長い期間をかけて行うからこそ、楽しむ心がとっても大切なんです。

レイチェル著『月3万円で3408万円の超安心資産をつくる! 毎月“5分”のシン・米国株投資術』(KADOKAWA)
この記事の著者
レイチェル

京都出身。新卒で総合コンサルティングファームで働く。その後、ITメガベンチャー企業に勤務。2023年4月より大学院生に。2021年にツイッターアカウントを開設し、米国株投資を中心に政治・経済からマネー、社会問題など幅広いテーマを独自の切り口で語り人気を博す。Twitterフォロワーは8万人(2022年8月現在)。1枚画像でアメリカのマーケット状況を伝える「レイチェルタイムズ」を平日毎日ツイートで配信し多くの支持を得ている。(X:@rachelcubmike)

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