未曽有の円安が進行中の日本‥10年前に1ドル75円でFXを始めた人は今、いくら儲かっているのか

ついに1ドル150円台に‥この異常な円安は良いことなのか?悪いことなのか?
2022年に入り、外国為替市場では急速な円安が進んでいます。10月20日にはドル円はついに1ドル150円台をつけ、1990年8月以来となる約32年ぶりの円安水準を更新しました。過去を振り返ると、10年前のドル円は1ドル75円程度でしたが、それが今や約150円と、単純計算で2倍になっています。この歴史的な円安進行に関して、ネガティブに報じられることが多いように見受けられますが、果たして日本や国民にとって良いことなのでしょうか、悪いことなのでしょうか?
・ドル円チャート

そもそも円安とは「外貨に対して日本円の価値が安い状態」のことを表します。例えば、1ドル100円の為替レートが、110円、120円…と値上がりするのが「円安(ドル高)」です(それとは反対が「円高ドル安」)。では、円安は日本経済にどんな影響を及ぼすのでしょうか? その影響をまとめると、下表のようになります。
・円安の影響
好影響 | 悪影響 |
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このように、円安は海外と取引する立場によって好影響にも悪影響にもなり、一概に善し悪しを語れません。日本を代表する輸出企業のトヨタ自動車は、円安が追い風となって最高益を更新しています。その一方で輸入品に依存する企業は、仕入れコスト増を転嫁する形で値上げに踏み切らざるを得ないなど、苦境に立たされています。
ところで、なぜ今回ここまで円安が進行しているのでしょうか? それは、日本と欧米各国との金利差拡大が主な要因です。ゼロ金利が続く円より、金利が高いドル(外貨)の保有が有利であることから、円を売ってドル(外貨)を買う人が急増し、異例のスピードで円安が進んでいます。いまの為替相場は、最も買いやすい通貨がドルで、最も売りやすい通貨が円なのです。今後、円安がさらに進む可能性もあり、1ドル200円の大台到達も冗談には聞こえなくなってきました。世界的に知られる著名投資家のジム・ロジャーズは7月29日付けの日経新聞のインタビューに答え、「このままなら1ドル360円もあり得る」と予見しているほどです。
円安とインフレのダブルパンチが国民生活を直撃‥では私たちはどうやってお金を増やしていけばいいのか
円安や値上げのニュースと共に見聞きするようになったのが、「インフレ」というキーワードです。最近は食料品や日用品の値上がりが当たり前になっていますが、これにはインフレが関係しています。ここで言葉の意味を確認しておくと、インフレ(インフレーション)とは、モノやサービスの価格が継続的に上がっていくことです。私たちの生活を直撃している食料品、光熱費などあらゆる商品、サービスの値上げラッシュが、まさにインフレだといえば分かりやすいでしょう。
インフレは円安を招き、円安はインフレを招く性質を持ちます。この円安&インフレの連鎖がさらなる物価上昇を引き起こすと、私たちの生活はどう変化するでしょうか? あらゆるモノが値上がりするため、生活費がかさんでしまったり、生活水準を引き下げなければならなかったりという変化が考えられます。目先のお金のやりくりが苦しくなれば、将来のための貯蓄も見通しが立たないでしょう。インフレに直面している今、よりたくさんのお金が必要になると気付かされます。
では、私たちはどのようにしてお金を増やせば良いでしょうか? もっと働いて稼ぐ、副業で稼ぐという「自ら働く」方法が考えられます。しかし、身体も時間も有限であるため、労働で稼ぐのには限界があります。それとは異なる発想として、「お金に働いてもらう」、つまり投資するという方法も考えられます。お金は24時間休まず働いてくれるうえ、増えれば増えるほどその成果も向上します。お金がお金を生むという仕組みを作ることが理想です。
日本に暮らす感覚からすると、投資で増やすのは当然、日本のお金、つまり円という通貨を増やすことだと考える人が多いでしょう。もちろんそれが一般的ですが、実は外貨を増やすという選択肢もあります。今後、円の価値が下がっていく可能性を考慮すると、外貨投資は有力な選択肢の一つとなるでしょう。外貨(外貨建て金融商品)は、ゼロ金利の円よりも高い金利を得られることや、円安外貨高が進むことによる値上がり益が得られるのが魅力です。日常生活の目線では円安&インフレをネガティブに捉えてしまいがちですが、投資家目線で見ると外貨投資を始める絶好のチャンスともいえそうです。
ハイリスク・ハイリターンのFXでも、堅実な資産運用が可能に
投資にはさまざまな種類があります。証券取引所に上場している個別株への投資、資産運用のプロに資金を委ねる投資信託、そして外貨の売買を通じて、為替差益やスワップポイント(預金の利息のようなもの)を得ることを目的としたFXなどです。
もちろん、投資商品ですから、それぞれにメリットとデメリットがあります。その中でこれまでは、堅実な中長期投資といえば投資信託が主流でした。ですが、異常な円安時代に突入し、景気の先行き不安が広がる今、それが必ずしも最善だとは言い切れなくなってきています。そこで一部の投資家に注目され出したのが、FX積立という投資手法です。
「長期・積立・分散」という資産運用の3原則のすべてを満たすFX商品で、ひょっとしたら、この激動する為替相場を生かした、新たな投資手法として投資家の間に浸透していくかもしれません。
そもそもFXは、為替変動の動向を読んで投資する金融商品です。ドル円の買い取引なら、円安になるほど儲かります。例えば、10年前のドル円が75円の時代に100万円分のドル買い(円売り)をしていれば、今では2倍の約150円なので、資産は200万円になっている計算となります。また、FXはレバレッジがかけられるため、2倍の取引なら400万円、3倍の取引なら600万円…と、数倍の資産を築くこともできます。
一方で、FXには、資金の10倍、20倍というレバレッジをかけることができるため、「ハイリスク・ハイリターン」のイメージが定着していました。実際、そうしたスリリングな投資に惹かれるトレーダーも多く、だからこそ、堅実な資産運用とは相いれないという先入観があったのです。
ですが、やり方次第で、FXでもリスクを抑えた運用をすることも可能です。一部ネット証券が始めたFXの積立は、従来のイメージと一線を画する金融商品で、FXの仕組みを用いて定期的に外貨を積み立てるサービスです。積立といえば投資信託を連想する人も多いでしょうが、FXでも行えるようになったのです。
例えば、外為どっとコムの「FX積立」なら、1通貨または100円から、個人の場合最大3倍のレバレッジで外貨の積立が可能です。外貨を持ち続けると発生するスワップポイントを貯めることで、少額でも効率良く資産を形成することができます。また、運用コストが抑えられており、他の積立系商品と比べてコスパが良いのも魅力です。
積立系商品は、事前に設定した内容で自動的に買い付けが行えるのが一般的で、購入のタイミングを悩む必要がなく、手間がかからないのがメリットです。一定期間ごとに一定金額分ずつ継続購入していくので、価格が安いときは多く、高いときは少なく買うことになります。その結果、平均購入価格を平準化することができ、価格変動リスクが低減されます。このように購入タイミングを分散する投資手法を、「ドルコスト平均法」と呼びます。
月3万円ずつ10年積み立てればスワップポイントだけで140万円に
それでは実際に、FX積立を行うとどれくらい儲かるのか、シミュレーションしてみましょう。日米の金利差が現在(10月27日時点)のままだと仮定して、ドル円を毎月3万円ずつ、レバレッジ3倍での積立を、10年運用してみます。すると、投資元本360万円に対して、スワップポイントとして142万7743円が得られ、総合金額は502万7743円円となります。FXならではの利益源となるスワップポイントは、長期間の累積により非常に大きな金額となるのが分かります。
・ドル円を毎月30,000円積立、レバレッジ3倍で10年運用した場合

買付金額合計 | 3,600,000円 |
スワップ金額合計 | 1,427,743円 |
総合金額 | 5,027,743円 |
※10月27日時点、外為どっとコム「FX積立シミュレータ」により試算。スワップポイントが変動しなかったと仮定。本来は、日々変動します。
このシミュレーションは為替水準が変わらない場合の試算です。ですから今後、さらに円安が進行すれば、その分の差額も利益となっていきます。例えば、先ほど記したように10年で2倍以上の円安ドル高、つまり1ドル300円になった場合にはどうなるでしょう。従来のFXのようなハイリスク商品ではないですが、それでも3倍までのレバレッジがつけられるので、投資信託とは一味違う、大きなリターンを求めることも可能でしょう。
もちろん、逆に円高に振れた場合には、スワップポイントがマイナスになって、その分が損失になります。だから為替の流れが変わったと感じた場合には注意が必要です。ただし、FX積立は外貨預金と違っていつでも簡単に売却が可能なので、円高に転じると判断した場合には、速やかに撤退をすることもでき、操作もアプリで完結します。また、通常のFXとは異なり、レバレッジが3倍に抑えられているために、あっという間に損失が膨らむ、という心配もありません。
今後、さらに円安が進んでいくのか、それとも円高へと戻るのか、現在、様々な見方があります。ですが、もし、これからも日米の為替状況が変わらず、このまま金利差拡大、円安が進んでいった場合には、このシミュレーション通りのスワップポイントに為替差益が加わり、通常の積立商品では考えられなかったようなリターンを得ることができます。
これまで、誰もが経験していなかったような未曽有の円安進行の時代。FX積立は、多くの投資家にとって、資産形成のための新たな選択肢となることだけは確かです。少なくとも、今の状況が続くのなら、投資資産を「分散」させるための、格好の投資対象となるでしょう。
構成=蛯澤路彦
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