人生100年と言われるこの時代、老後っていつから?いくら必要? みんかぶ編集室 2021.09.29 (2021.07.02公開) 資産形成のはじめ方 世界一の長寿国である日本。人生100年時代に突入し「老後資金が必要だ」と言われても、実際に自分がいくら必要なのか、なかなか分かりませんよね。今回の記事では、老後に不安を抱えないよう「老後資金はいくら必要なのか?」を説明していきます。 目次いつからが「老後」なのか老後に必要な資金は2000万円?年金がいくら貰えるのか確認しよう老後の支出は現在の支出から予測老後資金のシミュレーション(会社員(夫)+専業主婦(妻)の世帯) いつからが「老後」なのか 老後資金を計算するためには、老後がどれくらいの期間なのか、具体的な数字を決定する必要があります。 老後がいつから始まるか、はっきりとした定義はありませんが、一般的には、定年退職を迎えた後に収入が大きく変化する方が多いので、老後の始まりは60歳とするのが一般的です。 さらに令和元年度の厚生労働省の「簡易生命表」によると、60歳時点の平均余命は男性23.97年、女性29.17年でした。以上から老後の生活期間は、最低30年と見積もると安心できるでしょう。 老後に必要な資金は2000万円? では、老後資金にはいくら必要なのでしょう。 2019年には、公的年金以外に「老後には2000万円必要だ」との報告書が金融庁の金融審議会によってまとめられ、世間を騒がせました。 これにより老後資金は2000万円必要との印象を持ち、不安を抱いている方も少なくないでしょう。 しかし、老後資金が一律2,000万円と考えるのは明らかな誤りです。 そもそも老後資金とは「老後の収入で賄えない支出のために用意する資金」であって、老後期間の全収入から全支出を引いた差額(不足額)が、必要最低限の老後資金となります。したがって、この差額(不足額)は、その人の収入と生活水準によって当然異なります。 つまり老後資金は人それぞれ。自分の老後の収入と支出をシミュレーションし、あらかじめ不足する分の金額=老後資金を把握しておきましょう。 年金がいくら貰えるのか確認しよう ほとんどの人の老後生活において、主な収入は年金となるでしょう。同じ年金でも受け取れる額は人それぞれ違うので、老後資金を考える上では、あらかじめその額を把握しておくことが重要になってきます。 まず、年金の種類を確認しましょう。 年金には「公的年金」と「私的年金」の2種類があります。公的年金には「国民年金」「厚生年金」の2種類があり、私的年金には企業単位の年金から個人単位の年金まで、様々な種類があります。 これらの中から、あなたが加入している年金を確認し、どれほどの金額を受け取れるかを把握することで、老後の収入を見積もることができます。 老後の支出は現在の支出から予測 収入の次には支出です。 総務省の「家計調査年報(家計収支編)」によれば、高齢夫婦無職世帯の月の平均支出は約27万円となります。 しかし、この金額はあくまでも平均で、あなたの生活に見合っているかはわかりません。そのため、自身の老後支出を把握することが大切です。 あなた自身の老後支出の確認方法としては、まず現在の家計収支をチェックすることからはじまります。食費、水道・光熱費、教養娯楽費など、生活費を項目ごとに算出し、現在の収支状況を確認しましょう。 理想の老後生活を基に、現在と老後の支出の変化を考え、おおよその老後支出を予測しましょう。そこから収入の差額を余命年数分計算することで、ある程度必要な老後資金が予測できます。 老後資金のシミュレーション(会社員(夫)+専業主婦(妻)の世帯) 必要な老後資金の算出方法を見てきたところで、例として高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみで、世帯主が無職の世帯)の必要な老後資金を計算してみます。 まず、総務省の「家計調査年報(家計収支編)」では、高齢夫婦無職世帯の1カ月の平均消費支出は23万9947円です。 一方、会社員(夫)+専業主婦(妻)とした場合、それぞれの平均年金受給額は、会社員の夫が月16万4770円、専業主婦の妻が月5万3699円なので、世帯収入は21万8469円しかありません。 したがって、この場合に必要になる老後資金は、月に約2万1478円、老後の期間を30年とした場合は合計約773万円になります。 これらのほかに非消費支出や、大きな支出に備えた資金も必要なので、ゆとりある老後生活のためには、これらの分をさらに用意しなければなりません。 以上はあくまでも一般的なシミュレーションです。 これを参考に、ぜひ自分の理想の老後生活における支出と収入のギャップ=必要な老後資金を計算し、その金額をあらかじめ準備しておくようにしましょう。 この記事はいかがでしたか?感想を一言!