口下手な私がXで見つけた「会話せず働く仕事」。気づけば大企業を巻き込む事業に
株式会社MILY代表取締役の村田あつみ氏は、大学在学中にWebデザイナーとしてキャリアをスタートし、出張撮影サービス「Lovegraph」を運営する株式会社ラブグラフを共同創業した。華やかな経歴の起点は、意外にも「人と話すのが苦手」という一人の学生の悩みだった。全4回の第1回。
みんかぶマガジン連載「バリキャリ女性社長のワークライフ・ルール」
「声が小さい」といじられた学生が、絵に逃げ込んだ理由
「親がジュエリーデザイナーで、祖父は映画の看板屋さんみたいなことをやっていて、弟も今アパレルの仕事をしているので、アート系の家庭だったなと思っています。小さい頃から彫刻刀で木を彫ったり、飛び出すカードを作ったり、コンテや色鉛筆でお絵描きをしたり、父と一緒にいろんなものづくりをしていた記憶があります」
幼い頃から絵を描いたり物をつくったりすることに強い関心を示し、活発に外で遊ぶというよりは、部屋の中で創作に没頭するタイプの子どもだったという。
「高校生の時、声が小さいとよく言われていて。関西だとみんなすごく面白いし喋る速度も速くて、ばーっと喋るんですよ。その中で私が頑張って発言しても聞こえないから、挙手してたんです。それでみんな爆笑してました。聞こえへんから絵で描いた方がいいんちゃう、っていじられてたぐらい、言葉数が少なくて」
言葉で伝えるのが苦手だった分、自分を表現する手段として絵に向き合ってきたのだろうと、村田氏は振り返る。言葉より先に手が動く。そんな感覚を抱えたまま、村田氏は学生生活を送っていた。
話さなくていい働き方。「人と話すのが苦手」が手繰り寄せたキャリア
「高校は普通科だったので、みんな国立などの一般大学を目指すのが普通でした。自分としては美大とか専門学校に行きたかったのですが、そういう実績はゼロみたいな高校だったので、同志社大学社会学部に進学しました。
社会学部の同期を見ても、将来はメーカーに就職するとか、保険営業をやるとか、人とのコミュニケーションが中心となる職業を目指す人が多かったんです。でも自分には向いてないなと感じていました」
そんな時、X(旧Twitter)で流れてきたのが「未経験OK、Webデザイナー募集」という京都のスタートアップの求人だった。パソコンのMacにはPhotoshop、Illustratorが入っていた。「私のための求人だ」とすぐに応募し、大学2年生の頃からWebデザイナーとして働き始めた。周りの学生が飲食店などでアルバイトをするなか、人と話さずパソコンで完結するこの仕事は、村田氏にとって無理なく続けられる選択だった。それが、結果的にキャリアの出発点になった。