なぜ、PER150倍のパランティアは「割安」で、好決算のメタが「売られる」のか。著名投資家が暴く米国AI株のカラクリ
本稿で紹介している個別銘柄:クレド・テクノロジー・グループ(CRDO)
2026年、生成AIブームは「何でも上がる」大らかな相場から、実態を伴う企業だけが生き残る選別のフェーズに入った。
決算発表のたびに乱高下する米国テック株を前に、「数字が良いのに下がる」「悪いのに上がる」と困惑する投資家も多いだろう。
そんななか、投資スクール「Financial Free College(FFC)」を運営する株式会社Financial Free College取締役社長CEOの松本侑氏は、目先の業績発表に一喜一憂し、決算直後の株価急騰に飛び乗る行為は「火中の栗を拾うようなものです」と警鐘を鳴らす。
真の成長株を見抜くには、決算書のどこをチェックし、どのタイミングで買えばよいのか。松本氏に、最新の米国企業決算内容を踏まえた「個別株の勝敗を分けるルール」を伺った。インタビュー連載全3回の第2回。
好決算なのに急落・・・市場が見ているのは“別の数字”
ーー四半期の売上や利益が市場予想を超えれば、素直に株価は上がるものではないのでしょうか。
たしかに直近の業績は重要ですが、それ以上に株価を大きく動かすのは「ガイダンス(今後の見通し)」です。
四半期の数値がどれほどよくても、会社側が提示する次の四半期、あるいは通期の見通しが市場予想に届かなければ、株価は容赦なく叩き売られます。
ーー短期的な見通しよりも、年間を通じたガイダンスが重視されるのですね。
おっしゃる通りです。株式市場は常に未来を織り込みにいくため、通期のガイダンスが弱ければ、「この企業は向こう1年間、厳しい状況が続く」という烙印を押されてしまいます。
逆に言えば、直近の四半期決算が市場予想をわずかに下回って株価が急落しても、通期の見通しが強気であれば、そこが絶好の買い場になるケースも存在します。
決算発表では過去の成績表だけでなく、経営陣が描く未来の数字にこそ目を向けるべきです。
メタが伸びないのは「AI投資」が原因?
ーーAI投資に積極的なメタですが、決算後に株価が伸び悩む場面が目立ちます。
最近のAI関連企業において、「設備投資の増大」は市場から非常にシビアな目で見られています。メタの場合、直近のEPS(1株当たり利益)が市場予想を下回り、次期の売上見通しも想定の範囲内にとどまりました。
その上で「AIへの設備投資は増やす」と発表したため、市場から嫌気されたのです。業績が市場予想をアウトパフォームしていない状況での巨額投資は、株価の重荷にしかなりません。
ーーメタが再び上昇トレンドに乗るためには、何が必要になるのでしょうか。
毎回の決算で売上高やEPS、そしてガイダンスを継続的に市場予想以上で示し続けるしかありません。ただ、すでに時価総額が1兆ドルを超えている巨大企業に対し、「AI事業が成功すれば株価が数倍になる」と期待するのは非現実的です。
スペースXが上場した際にも言えましたが、すでに数兆ドル規模まで膨れ上がった企業がさらに何倍にも成長するには、桁違いの資金流入が必要になります。
投資家は自分がどれくらいのリターンを望んでいるか、時価総額の観点から逆算して現実的な判断を下す必要があります。